カウカウタイム

日本で働くいち美容師がハワイでヘアメイクアップアーティストになるまでの日々の記録 2008〜2012

謎の料理 ヘカ

2008-03-21 | 〜2011迄のハワイ生活記録
突然ですが 鶏肉が好きです。
そしてすき焼きの甘辛い味も。
子供の頃はよく思いました。

「すき焼きの肉が、牛じゃなくて鳥だったらいいのに」


そしたらハワイにありました。
まんまの食べ物

それがヘカです。


具は鳥の他に、ネギ、タケノコ、椎茸、人参、マロニーなど
それぞれの家庭で若干異なるみたいです。

これをほかほかご飯にどばっとかけて
つゆだくで頂く。
はあ~ なんて幸せな味。

ボランティア先のプランテーションのランチに
日系2世のミセスMが作ってきてくれました。

Mさんいわく
「でもこれはハワイ料理ではない」
とのこと。

様々な人種の入り交じるハワイでは
お店や持ち寄りパーティーなどで
色んな国の食べ物を口にする機会も多い。

ただ どの場合も
これは韓国料理、フィリピン料理、と
出所ははっきりしている。
それは料理名を聞いただけで大体わかるという説もある。

では ヘカ(あるいはヘッカとも発音する)とは何語なのか

プランテーションには色んな人種のスタッフが出入りしていたが
「誰に聞いても解らない」と
ミセスMは教えてくれた。

材料からしてアジアなのは間違いない。
中国?タイ?はたまたマレーシアとか・・・?
とはいえマレーシア料理がどんなのかは知りませんが。

そんな小さな疑問もすっかり忘れたある時
日本の実家に戻ると
母が夕食にヘカを作ってくれた。

「懐かしいね、Mさんがよく作ってくれたよね」

一家でしみじみハワイの味を懐かしんでいたら
母がやはりあの問題を蒸し返した。
「でもこれっていったいどこの国の料理なんだろう・・・」

その時、思ってもない所からあっさり答えは返ってきた。

「へっかいうたら、広島の漁師料理じゃろうが」

恩年90歳の祖母がもぐもぐしながら続けた。
「懐かしいの、でも昔は肉はないけん、魚じゃったがの」

なんと!! 

考えてみれば
広島からはたくさんの移民がハワイへ渡っています。
その中にはきっと、漁師のせがれもいっぱいいたはず。

それが海を越え、少しずつ形を変えながら
ハワイのローカルフードとして定着していったのです。

まさか地元だったとは
不思議な気分だ。

ハワイから逆輸入されたヘカは時々
我が実家の食卓にのぼるらしい。

それから母は、その後ミセスMに再会した時
意気揚々とヘカのルーツを説明したらしい。