新築ということだったので、図面と、不動産会社の担当の方がメール添付で送って下さった内装のあれこれの写真のみでこのマンションへの入居を決めた私たち。
部屋そのものの住み心地は十二分に満足している。
けれど、入居日前日、掃除を兼ねて下見に行ったときには思わず驚いた。
マンション前の駐車場の、道路を挟んで向かい側の個人宅の塀に張り巡らされた横断幕と立て看板。
真っ赤な下地に踊る「9階建てマンション断固反対!」「紛争中!楽しく住めますか?」
のデカデカとした文字。
入居前に下見をしなかったから、こんな近隣の事情なんて知る由もなく。
「もう建っちゃったんだから、今更こんな看板掲げても仕方ないのにね。」
と呆れ気味のきょんのだんなとワタシ。
私たち夫婦は全く気にしなかったけど、おそらくこれを苦痛に感じる世帯もいらっしゃったはず。
件の御宅にどういう御仁が御住まいなのか知る由もないけれど。
日照権を侵しているわけでなし、単に目障りだからという理由なのか、単なる嫌がらせなのか・・・。
いずれにしても、着工前に紛争を解決しきれていなかったであろう建設会社や不動産会社にも若干の不信感を覚えつつ・・・。
きょんのだんなは不動産会社の担当者に現状をメールしたそう。
察するに他の入居者からも同様の指摘が入っていたのか、不動産会社も交渉を続けているらしく、数日後にはほとんど目立たないくらいに撤去されたのだが。
ところで、話は変わるけれど。
カメさんの『愚だくさんブログ』へのコメントでも書いたのだけど、違和感その2は観光地化された長崎・端島(通称:軍艦島)
独断と偏見に満ちた個人的見解だけれど、やはり今回の観光地化には強い違和感を覚えてしまう。
炭鉱町としてかつて繁栄していた孤島。
建物の老朽化で、崩壊の危険性もあるという。
人が住まなくなると、不思議にも建物は一気に荒れ果て朽ち果ててゆく。
そんな、過去の歴史の一部となり、他人を寄せ付けず、島全体が廃墟と化している独特の風景。
私は決して廃墟マニアではなく、廃墟には別の怪しげな雰囲気を感じることの方が多いため、正直なところ苦手な存在なのだけれど、滅びの美学というのか、人知れず静かに朽ち果ててゆく建物のあはれ、というのはなんとなく理解できる気がする。
それを観光地(見世物)にしてしまうのは、なんか違くないか?
あれこれと手を入れてまで後世に残しておく必要性と、ただあるがまま自然に任せて朽ち果ててゆくのをひっそりと遠くから静かに見守る大切さと。
難しすぎてワタシにはよく分からないけど・・・。
ヒトが立ち入ることによって破壊してしまう自然を保護・管理する目的があっての世界遺産指定には、なんの異議もないけれど、いかんせん人工建造物だからねぇ・・・。
長い長い年月をかけて地球が作り出した自然であるがままの姿こそ、本来残してゆくべき究極の世界遺産ではないのか?と思うあひょなのです。
<付記>
歴史的建造物を保護する意味での世界遺産も、もちろんアリだと思ってますよ