9月24日は、中国の方も、コマの芸を披露してくれました。やはり、私たちの心を、一つにしてくれました。はなちゃんの演奏のときはため息、コマの芸のときはどよめきでした。改めて、ありがとうございました。
…人間って面白いもので、こういうことを言ったり書いたりすると、芸(技)のない自分を、悲しむ人、もおられるんです。それって違うよ、と思います。どんな素晴らしい芸、技でも、聴衆者がいてくれなければ、生きないんじゃないかなと思うのです。ため息やどよめきや、拍手や笑顔。それが、芸にますます磨きをかけてくれるのです。
聞く、見る、も、その芸と一体化していると思うのです。私は壇上でお話しするとき、一人ひとりのお顔を見ています。いらしたときとお帰りのとき、明らかに内面が変わっているなと思える人がいてくれます。そのお顔を見せていただきたくて、壇上に上がっているようなものです。
お帰りのお見送りのとき、『ハグして』と言ってくれる方がいます。握手してくれる方、話しかけてくれる方。でも、ほんのぽっちりですが、何て言えばいいのかな、自信を無くされたように見える方もおられます。何が原因だろう。一人の方が誰に言うでもなく、ぽつりと、他の方と握手していた私のそばで呟きました。「そういうことしたくても、できない、言えない人もいるんだから」 ハッとその人を見たときには、その人はもう、その場を離れていました。
それから、ボランティアに参加したけど、自分はなんて気が利かないのだろうと嫌になった、体力のなさに、ただ、足手まといになったと思えた。・・・そうじかに言ってくれた方には、「そこで終えたら自信のないままになっちゃうよ。一つの提案だけど、気が向いたらまたいらして。がれき撤去はとてもありがたい嬉しいことだけど、ボランティアって決してそれだけじゃないんだよ、私の話にうなずいてくれる、笑ってくれる、それだけで、あなたは私を育ててくれている、それだって 立派なボランティアなんだよ。がれき撤去でなきゃ仕事じゃない、そう思ってくれる人もおられて、心からありがとうだけど、コメントで、くぐなり食堂の最高のシェフになってやるって、言ってくれた方もおられた。ね。がれき撤去は無理だったけど、自分にできるのは何かなって、改めて考えるいい機会になって、良かったね。自信をなくすことなんかないよ。営業が得意な人、手作業、ムードメーカー、事務、料理、いろんな人がいてくれてこそ、この世は成り立っているんだから。気が向いたらまたいらして。答えが見つかってなかったら、一緒に考えよう。リーダーに大威張りで言っていいと思うよ。自分は邦子さんの話し相手になりたくて来ました、って」
ボランティアの仕事には、『枠』はないのです。その内容が広いほど、被災者の心に、ニーズに応えやすい、しなやかさがあるということだと思います。一度いらして自信を無くされた方こそが、その、枠を広げてくれるのではないでしょうか。夫、恭一氏は、実は自律神経失調症です。その夫が、皆さんの仕事の段取りを考えて共に行動している時、なんと生き生きしていることか。人前で話すのは、苦手だったのに、みなさんにありがとうだけは言いたくて、壇上にあがっている。皆さんが夫を歩きださせてくれているのです。
どんなことがあっても、自信を無くす必要はありません。最初に言ったように、拍手と笑顔があってこそ、芸は輝くのです。役割は色々です。私はこれをしたい、そう、勇気を持ってリーダーに言ってみてください。その時こそ、あなたは自分を見出し、そうして愛知ボラセンを、また一回り大きくしてくれるのですから。