代表の久田です。
今日(3月22日)中日新聞社会面に「暗雲いまも 地下鉄サリン20年 =5=」というオウム真理教地下鉄サリン事件を振り返る連載記事がありました。
連載5回の締めくくりとして、オウム真理教取材を続けるジャーナリストのコメントに、私の気付きがありました。
「個人が孤立化を深め、閉塞感は強まっている。社会に受容力がなく、いじめや自殺もなくならない。オウムを生んだ土壌は残っているのではないか」
社会全体の状況でいえば、このジャーナリストが指摘するような状況にあるのかと思います。
会社の中には、正職員、契約社員、派遣社員・・・さまざまな雇用形態の社員がいて、連帯しにくい状況にあります。
学校のにまで成果主義や人物評価が入り込み、教員同士が仲間となって、困難な生徒の指導にあたりにくい状況になっています。
個人のアトム化(個人と周囲の人との関係がなくなること、あるいは少なること)の進行はより深まっています。
※「アトム化」については高校の現代文の教科書にも収録されている今村仁司氏の「市民社会化する家族」に詳しく書かれています。
気になる方は(http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/siminshakai.htm)をご一読ください。
愛知ボラセンの活動を始めて4年。
始める前に私の中にあった“確信”は、
「人の“想い”に適う目標と活動ならば、人は集まり、その活動は自主的、自発的なものになる」というものでした。
そして、被災者“応援”活動として・・・
東日本大震災被災者へ新品衣類を中心とした応援物資募集と仕分け・分類ボランティア
震災孤児遺児応援ワンコインサポーターズ
被災地ボランティア→十八成浜瓦礫撤去活動
十八成浜仮設住宅から孤独死を出さないお手伝い活動(チーム恭一、食堂班、心配り・心拾い班)
牡鹿工房・和みクラフト
でらえぇ~友だちつぐっぺぇ笑顔プロジェクト
エール・追悼キャンドル製作
マラソンチーム「すずRUN」
三重県紀宝町応援活動
兵庫県丹波市応援活動
フィリピン・キナタルカン島応援活動
西アフリカ・シエラレオネ応援活動
などの活動に多くの方々が参加され、自主的・自発的にそれぞれの活動が取り組まれています。
そして、4年間でもう一つ確信になったことは、
愛知ボラセンの活動を通じて、個人(ボランティアさんと被災者、ボランティアさん同士)が繋がりを深め、 連帯感や解放感は強まっているということです。
多くのボランティアさんが愛知ボラセンの活動に参加されるきっかけは、ご自身の“想い”に適っていることだったと思います。
そして、それが継続され、自主的・自発的に活動になっていくのは、
十八成の方々との繋がりの深まり、ボランティアさん同士との繋がりの深まりが、
私たちを取り巻き、私たちを不安に陥らせる“アトム化”とは反対のものであるからではないかと私は思っています。
この文章を書きながら、実に多くの方々のお顔が私の脳裏をよぎっています。
寒い中、ボラバスを見送り出迎えてくださる方々
1本1本のキャンドルに心をこめ、4か月もかけて16,000本も製作された方々
そして、雨の中、キャンドルに灯を点しつづけた方々
雨の中、ずぶ濡れになり、ヒルと格闘しながら、桃源郷プロジェクトの整地をされた方々
東別院の手作り市、
うだるような暑さや凍える寒さの中で倉庫の整理、片づけ、ゴミ処理、土砂降りの雨の中での水没防止
街頭募金
書きだしたらキリがありません。
一コマ一コマを思い出すと目に涙が浮かびます。
(ほんとに少しウルウルしながら、スタバの片隅でキーボードを打っています)
人ってすごいなぁと、信頼しあえるとすごいことが生まれるんだなぁ、と思えると私の涙腺は弱くなります。
そして、そういう皆さんの姿を見ていると、皆さんのようにもっとしっかりとやらなきゃいけないなとか、
もう少し“いい人間”になれるなと思えてきます。
オウム真理教に入信してしまった人たちは、こうした連帯を求めていたのではないでしょうか。
今もオウム真理教の後継団体のアレフやひかりの輪に入信する人がいます。
愛知ボラセンの活動はまだまだ小さく、残念ながらこうした人たちに存在が届いていません。
少しずつ活動が広がり、こういう人たちにも活動が届き、
“人っていいよぁ”と思える世の中に、少しでもなるような“お手伝い”を広げられるといいなぁと思っています。
明日(3月23日)は東別院臨時駐車場で、シエラレオネへ送る非常食の積み込み作業です。
高校生といっしょにしっかりとやります。
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