
なぜだろう

学友社より刊行される児童向け雑誌 「小学4年生」の付録
「クイズ・パズル百科」に掲載された問題です。
(なんで未来のことなのに過去形なんだろう

それは …、
20世紀後半(1980年代)に小学館から刊行されたコミック
「ドラえもん」(原作、藤子・F・不二雄)の第10巻7話で
紹介されているからです。
ひょんなことから偶然に、この問題を知り、2号 としても
解いてみたくなったのです。
すでに、あらかたの解答は出揃っているというのに、何を、
いまさら … と、訝(いぶか)るむきもあるでしょうが、興味が
湧いたらお付き合いください。
え~、そのまえに解答としてあった言葉遊びとしての傑作
をいくつか紹介しておきましょう。

とりあえず写真をウプシロン(υ)。


シータ(θ)とき、とてもクサイ(ξ)のがデルタ(δ)から。



ところですが残念でシータ(θ)とんだゴ カイ(χ)です。
星

言葉遊びとしての出来ばえを個人的に評価してみました。
命題 というか設問の答えとして、1番それらしいのは、
おそらく、「ガンマ(γ)が足りない」 かとは思われますが、
まずは、チャレンジしてみましょう。
問題を解く以上は、テーゼ を明確にしておかなくては
なりませんので、ここでは“アンサイクロペディア”に載って
いた背景を参考にさせてもらうことにします。

の意味を定義する。


「けっさく」だと納得させるものでなければならない。

ならない。
以上
さて、

すべてギリシャ文字に変換できますので、ギリシャ文字、
もしくは、その文字の意味するものと定義します。
次に、

α、β は、ギリシャ文字の第1番目と第2番目の文字に
あたり、アルファベータ がアルファベット の由来ですので
「アルファベットが、カッパ(κ)られたらイプシロン(ε)した」
とも読めるわけです。
それだと、(κ)られた=“蹴られた” となり、(ε)したは、
“イーした” となって …
「アルファベットが、蹴られたら、イ~をした」 というような
無邪気な言葉遊びがうまれます。
これは、少なくとも、




と受動的表現に変化するので、正解とはなりえません。
従って、「カッパらう」 は、「奪う」、「盗む」などの意味と
同様にギリシャ文字(κ)の場合も能動的な主体行為を
前提とします。


客観的な判断を仰ぐしかありませんが、とりあえず上記の
内容を満たすことが必要かつ十分なる条件であるとします。
ところで、
問題として紹介されたのが、1980年頃だとすると、当時、
流行っていた言葉遊びとしての 「おう、金だ、拾おうか!」
「王、金田、広岡」 といったプロ野球選手の名前をもじった
遊びが思い出されます。
そうなると、言葉遊び的な答えが想像されますが、あえて
ここでは、論理的に考えてみたいと思います。


「カッパ(κ)らった」 を、「手にする」「仲間になる」 と考える
と αとβが、εとつながることだから、 αとβ、そして、εと
なれば、当然そのあいだにある 「ガンマ(γ)とデルタ(δ)」
が答えということになります。
つまり、「 ガンマ(γ) と出るた(δ)」 となります。
もちろん、単純すぎますので、正答ではないでしょう。
次に、「κらった」 を、「奪う」「盗む」「加える」 と考えれば
α+β が、εしたことになる。
式にすれば、α+β=ε 、 アンサイクロペディアでは、
アルファベットを数字に置き換えて、α+β=1+2=3。
つまり、ε=3として、幾何学的に左右反転させると同じ形
になり、数学的問題に見せかけた論理的思考の問題である
と解釈しています。
せっかく、そこまで解釈したのなら、相似を形成するとして
、「いい(ε)掃除をした」 とでもオチをつけて欲しかったと
思います。(我ながら、なかなかのオチだと自画自賛しています)
アルファベットに、数字を当てはめる方法で解くのであれば
、「αがβをκらったら=εした」 は …
α+β=ε → 1+2≠5 となって等式が成立しません。
そこで、アンサイクロペディアの 「不等式による証明」 に
ヒントを求めると、「εした」の「した」の部分も「シータ(θ)」
との書き換えは自明で「αがβをκらったらεθ」となると
しています。
数の並びが (α,β,κ,ε,θ)=(1,2,10,5,9) であるならば
α+θ=10、β×ε=10、κ=10 から κ=α+θ=βε と
なります。
ここから、不等式をつくり、結果として、κは1よりも大きい
という答えが導きだされますが、κ=10 だと定義されている
わけでκ>1が、イプシロンした原因だとして証明を終えて
います。
ただ、さすがに、小学4年生の付録の問題として適するや
否やとみずから批評することも忘れてはいません。
ここで、シータ(θ)は8番目であって、9番目はイオタ(ι)
では …

そこで、調べてみると、


元来、ギリシャでは、ローマ数字のようなものを使っていた
のですが、のちにアルファベットを数字として使用するように
なったのです。
このアルファベット式ギリシャ数字は、一応、順番に数を
あてはめていくのですが、算用数字と違ってゼロがないので
、9番目のイオタ(ι)を10として使用し、6、90、900には、
それぞれに使われなくなった古い文字が利用されました。
アンサイクロペディアでは、シータ(θ)=9 としていますの
で、ギリシャ数字を採用したことになりますが、ギリシャ数字
では、カッパ(κ)=20 となりますので矛盾が生じます。
やはり、2号の推理としては、不等式(高校レベル)では
なく 等式(小・中学校レベル)で解ける内容だと思うのです。
そこで、各文字に対応する数字は、アルファベットの順番
通りに、α=1、β=2、κ=10、ε=5、θ=8 とします。


α+β+κ=ε+θ → 1+2+10=5+8 です。
左辺と右辺は、13=13となり等しく同じになりますので、
「等しくなった」 が答えなのかもしれません。
でも、それでは安易すぎますし、ドラえもんが「けっさく」だ
とか「ケケケ」と笑うはずもありません。
作者は、藤子・F・不二雄先生です。
もう少しひねって考えてみましょう。
ドラえもんが、「ケケケ」 と笑う → ケが3つ と言えば、そう
「オバケのQ太郎」の毛は3本です

それに、「けっさく」 も 「毛 3 Q] とも読める。
ならば、答えは 「オバケのQ太郎があらわれた」 としても
いいのかもしれません。


ギリシャ文字のαは英語表記のAにあたる。
同様に、β=B,κ=K,ε=E,θ=Q に相当します。
つまり、「イプシロンした」 = 「εした」 が 「εシータ(θ)」
となって、オバケのように突然に θ=Q の「オバQ」 の
登場となれば、ドラえもんが 「ケケケ」「けっさく」 だと笑った
としてもうなづけるし、のび太にも十分理解できるものです。
きょうのところは、2号 の謎解きとして、答えを4つほど
紹介しました。
1、蹴(κ)られたから、イー(ε)をした。
2、ガンマ(γ)と出るた(δ)。
3、等しく、同じに、イー(ε)コールになった。
4、オバQ(θ)があらわれた。
… ですが、まだまだ他の推理も可能ですので、それらは
次回に解説します。
オメガ(ω)高いミュー(μ)なさんにシータ(θ)かぶりは
ラムダ(λ)けど、ガンマ(γ)して読んでオミクロン(ο)。
それでは、ファイ(φ)トでガンマ(γ)ってクサイ(ξ)!
タウ(τ)さんイオタ(ι)ったさカイ(χ)に、もうゼータ(ζ)
いにイプシロン(ε)。 (いつのまにか関西弁やね)
イータ(η)いロー(ρ)シータ(θ)のカイ(χ)?
そんなに怪訝そうな顔をして


シグマ(σ)ないので、パイパイ(ππ)です
