2014年5月18日(日) 晴れ
メンバー 山の神と私
コースタイム 8:00もちまる橋駐車スペース8:10--大滝登山口--9:03水場上部9:12--9:45鳴神山(桐生岳)昼食10:25--仁田岳--椚田(くぬぎだ)峠--カッコソウ群落--コツナギ橋--11:33駐車スペース
絶滅危惧種のカッコソウの群落があることで有名な、鳴神山。前の週にNHKの首都圏ニュースで放送になり、これを見た人ですごい人出になるのではと危惧したものの、予定どおり鳴神山へ向かうことにした。
“鳴神山”というちょっとかっこいい響きの山名の由来は、私の勝手な想像だが、山頂直下に雷神岳神社の社殿があることから、雷神がおわす山ということなのだろうか。登山口に鳥居があることから、山全体がご神体のようだ。
さて、山行記録に入ろう。ここのところ予定から10分遅れの出発が当たり前になっていたが、予定どおり家を5:00に出発した。上里SAで朝食をとり、初めて北関東道に入る。この道が東北道につながっていると思うと、なにか不思議な気分になってくる。太田桐生ICで下りて、桐生バイパス。途中にあったセブンイレブンで買出しをし、桐生の市街地を抜けて、ひたすら道なりに進む。梅田南小前で左折し、県道沢入・桐生線に入った。道幅が狭くなって少し行くと、鳥居が目印の大滝登山口がある。どうぞ駐車してくださいといわんばかりにスペースがあるのだが、無断駐車は禁止になっている。駐車スペースは、この少し先の路肩に3,4台くらい、私が停めたもちまる橋のあたりに2,3台、あとはコツナギ橋付近に数台分がある。
8:10もちまる橋に車を置いて、山の神と出発。大滝登山口まで車道を歩いて引き返す。鳥居をくぐると、右手には樹徳高校の施設がある。すぐに登山道になるのだが、それを抜けると荒れ気味の林道になる。まもなく大滝が現れる。名前の割には、こぢんまりとしていて、興をそがれる。傍らには祠があって道中の無事を祈った。
このあと山頂まで、延々直登といった感じで、アキレス腱を酷使する。途中、お父さんと小さいお子さん2人の家族連れを追い越した。お姉ちゃんはすでにバテ気味で、引き返したいそぶりがありあり。子どもにとってはキツいコースだろうね。
水場を過ぎたあたりから、宇宙からの使者のような鳴き声(ミミズク・フクロウ系?)が聞こえてきた。それは不気味な機械音のようにも聞こえ、時折森のなかに響きわたる。そうこうするうちに、新緑のきれいなところに出た。この辺りで休憩にしようと、山の神に声をかけ、腰をおろした。ふと気づくと、いつの間にか怪異な機械音は聞こえなくなっていた。代わって野鳥の気持ちのいいさえずりが聞こえてくる。
新緑の休憩ポイントからも、しばらく急な上りが続き、うんざりしてくる。そろそろカッコソウかとじれてきた頃、はるか上のほうに看板らしきものが見えた。あれがカッコソウの群落の保護囲いか? 近づいていくと、大当たり。でも、花が少ない。ちょっと落胆して、さらに登っていくと雷神岳神社に着いた(左上)。
神社を越え、鳴神山(桐生岳)山頂には9:45に到着した。すでに数人が山頂からの展望を楽しんでいた。ぐるり360度の大パノラマはすごいの一言に尽きる。八ヶ岳、富士山、浅間山から榛名山系、日光連山……。見ていて一向に飽きない。
そのうち山頂から人も去り始め、ゆったりとしてきたところで昼食にすることにした。まだ早いけど、この先食べるところがないかもねと山の神と話していると、近くにいた年配夫婦もガサゴソと食事の準備を始めた。
鳴神山山頂から。中央のずんぐりした山は男体山、その右に女峰山
上り時に追い越した家族連れが山頂に到着するのをしおに、下山を開始した。時計を見ると、まだ10:25だった。稜線はツツジが盛りで、華やいでいた。そのツツジのトンネルを団体さんが続々とこちらに向かってやってくる。
仁田岳にはすぐに到着した。まさに鳴神山とは指呼の間、目と鼻の先だった。小さな祠が2つあるだけの地味な山頂で、登山者がそこにいなければ、気づかずに危うく通りすぎてしまうところだった。
そこからしばらく進むと、第一展望台。赤城山が目の前にでんと座っている。赤城山は、この方角から見ると、こんなにも大きく立派なのだ。関越を走りながらの赤城山しか見ていなかった私にとって、この美しい山容は新鮮かつ驚きだった。
椚田(くぬぎだ)峠は通過。ここからいきなり地味な杉林に入るが、峠直下にカッコソウの群落があった。おおと思わず声が出るほど、花を咲かせていた。先週のNHKはここを撮ったのだろう。登山者もここに集中している。カメラを携えた人ばかりで、思い思いにアングルを決めて、シャッターを切っていた。
左:鳴神山と仁田岳の間で咲き乱れていたツツジ 右:椚田峠直下のカッコソウの群落
沢沿いにどんどん下っていくと、ヤマブキソウやヒイラギソウ、そして名を知らぬ花々が咲き乱れていた。鳴神山は、田中澄江さんの「花の百名山」で紹介されているが、まさにその称号どおりだった。
登山道の終点は、コツナギ橋。ここから車道歩きになる。庚申塔や石仏群を越えると、愛車が待っていた。