セカンドライフ 

歳を重ねるのも悪くはない

隣のおばさん

2011-11-27 | セカンドライフ
同じ階の84歳の女性が弱い音でドアーをたたいた。
出て行くと「先日亡くなった方の所(4F)へお悔みに行きたいのだけれど・・・」

手にはご仏前と印刷された不祝儀の袋を持っていた。「字が書けないので書いて」と。
勿論お安い御用だけど、そんなに弱っちゃったのかしら?
彼女も、かつては一流企業に勤め、定年退職をした女性。

私が退職をした時に、今迄家を開けていた侘びと、今後は宜しくとご挨拶すると
大丈夫、大丈夫仲良くやりましょうハハハ」と、他の女性と
共に私を励まして下さった。

あれからたった僅かの時間しか経っていないのに。
一見老婆の様に歳老いてしまった。納得出来ない老け様。

直ぐに不祝儀の袋にお名前は書いた。しかし良く見ると「ご仏前」の袋だったので
「うちに、ご霊前の袋有るから替えましょうか?」と言うと
「いいのいいの、私そう言うの気にしないから」
電話番号を聞くと「忘れちゃったわ」とおっしゃる。段々悲しくなって来た。

老化現象が顕著になっている。

そして、持って見えたお札を入れ「ハイ出来ましたよ」と言うと今度は、4階の家まで
連れて行って欲しい、何だか自信無いし。階段を上がるとよろよろとして4階に着く
迄に3回「お金入れたかしら?」と聞く。

途中で袋からお金を出して見せて「大丈夫でしょ?入っていたでしょ?」と
確認したり。

入口までと思うので、赤いジャンバーを着た儘の私なのに、手を引っ張られて
お線香を上げる事になってしまった。
「ご免なさいこんな恰好で」なんてお家の人に謝りながら・・・・

急激に老い症状が表面化してしまったお隣さん。お隣にはお婆ちゃん(今の方の姑)
が生きている頃から何かにつけてお世話になったし・・・時が経ち、今の方も既に
お婆ちゃんになってしまった。

私が歩いている方向も行先は同じなのだけど・・・・・




道路に面した花壇の菊も満開に。