前夜の天気予報では雨とあって、今日(5月19日・日曜日)はどこにも出かけない予定でしたが、眼を覚ましたらけっこういい天気!
でもいくら今晴れていても、昼には雨が降りますとあくまで無情な天気予報ですが、とにかく出かけることにしました。
ヨメさんの「行きたいところリスト」には京都府立植物園も上がっていましたが、これは時間がかかるので今回はボツ。
とにかく近いのが一番と、会場の混雑が不安なものの、評判の高い大阪市立美術館での特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」に行くことに決定。
見どころは↓とのこと
特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」のホームページから
9時前に家を出ました。
大堀から阪神高速松原線に入り、文の里出口で降りて、ナビの指示通り走ったらすんなりと天王寺公園地下駐車場入り口に到着。障害者スペースに停めて、すぐ近くのエレベーターで天王寺公園の入り口前に上がりました。
9時半の開園時間を少し過ぎただけでも、もう入り口は客の列が並んでいました。入り口からすぐ広場になっていて、バラの花がきれいでした。こんな色のバラ、初めて見ました。
美術館に行くまでの通路も緑が美しく、慶沢園などもあって、いい雰囲気です。公園だけでもまた来たいねなどといいながら美術館に向かいました。
正面玄関の階段が心配でしたが、ちゃんと左のほうにはスロープが付けられていました。
やはり館内はたくさんの人でした。でも館外に行列が出来るほどではありません。混雑とは言っても、先のエルグレコ展やマウリッツハイス美術館展などと比べたらかわいいものです。記念撮影コーナーです。
入り口脇で1台500円の音声ガイドを借りて会場へ。スペシャルナビゲーターは中谷美紀とのことですが、なんとなく武田和歌子のほうがピタットかもと思ったり。(笑)
中はやはり人・人・人の波。
展示に見入っているみなさんにぶつからないよう車椅子を押すのはかなり気を使いました。
最初の仏教芸術を展示したコーナーでは、まず快慶の「弥勒菩薩立像」がよかったですね。リアルな表現の衣装や仏体に金箔がよく残っていて保存状態は極めて良好です。
この仏像は快慶の残存している最若年時の作品で、しかも東京展と大阪展だけの展示だそうです。見られて良かったです。
特別展会場で買い求めた絵葉書から
仏像とともに仏教絵画も数多く展示されていました。「法華堂根本曼荼羅図」など幻の国宝と言われたものも展示されていました。
しかし蒐集時にすでに褪色が激しかったのでしょうか、かなり絵柄が不鮮明になってしまっているものも多かったです。
これらの絵を観ていくうちに、観客の密度が次第に低くなってきて、かなり見やすくなってきました。
私たちと同年配かそれ以上の方も多く、そろそろ疲れが出てきたのでしょうね。(笑)
でも、次の、今回の展覧会の目玉の一つ、二大絵巻のコーナーで、また混雑が始まりました。「吉備大臣入唐絵巻」と「平治物語絵巻」です。
特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」のホームページから
今回展示されているのは絵巻物の一部ですが、それでも展示のガラスケースは長く、観客がゆっくりでも流れているうちはいいのですが、そのうちの一人でも足を止めてしまうとたちまち混雑してしまいます。
でも混んでいたのはここまで。
後半の狩野派の絵や、等伯、若冲、狩野永納、光琳や蕭白の作品も素晴らしいものばかりですが、けっこう観やすくなって助かりました。展示品の配置に感謝です。
特別展会場で買い求めた絵葉書から 尾形光琳 ≪松島図屏風≫
呉服屋の生まれとあって、デザインセンスは大したものです。
特別展会場で買い求めた絵葉書から 曽我蕭白 ≪風仙図屏風≫
トルネードから猛烈な風が吹いて、右の弟子たちは転げまわっています。面白いです。
特別展会場で買い求めた絵葉書から 上が蕭白で下は等伯の龍です
本当に名品ぞろいですが、特に印象に残ったのは蕭白。大胆な筆さばきでグイグイ描く絵もあれば、精緻な鷹の絵があったりと、幅が広いです。
しかし、国内にあればすべて国宝か重文クラスの名品が並ぶ展覧会場を回りながら、それらが国内になく海を渡った事実を目の当たりにして、内心複雑でした。
まずは、なんで「こんなお宝が海外に‥」というくやしさ。でも考えてみれば、これらは武力で略奪されたのではなく、廃仏毀釈のもとで、フェノロサや岡倉天心の求めに応じて進んで金品と交換してしまった当時の風潮ゆえのこと、しかし、海外に流出したおかげでこんないい状態で残っているのではないかとか、いろいろ考えてしまいました。
ともあれ、今回の展覧会は質・量の双方で満足しました。
私たちは駐車場の関係で、開場時間に合わせて出かけましたが、電車で行くなら少しオープン開始時間からずらしたほうが混雑が緩和されて見やすいのではないかと思いました。
それと、どこの展覧会でもそうですが、今回も入り口付近は混み合っていましたが、めげずに観て回ったら後半の近世絵画のあたりはすいてきたので観やすかったです。
この大阪展が最終です。未見の方はぜひご覧になってください。日本美の再発見があると思います。
今年は天候不順でもう初夏というのに安定せず寒い日が続いていましたが、この日は初夏を思わせるさわやかな晴天。
気分よく出かけました。途中連休ゆえの混雑で渋滞が懸念されましたが、いつもと同じように1時間もかからず到着。駐車場の車も、幸か不幸かいつものように少な目でした。
今回の展示は館所蔵の日本画コレクションの中から、万葉歌に詠まれた花をテーマに選んだ「万葉華模様」と銘打っての絵画展と、写真家の荒木経惟と操上和美の作品による併設展「うつせみの鏡 時空の舟 ―我・夢・影―」の二つの企画です。
期間は2013年4月3日(水)~6月9日(日)です。
でもこの絵画展、結論からいうと、館のコレクションの万葉日本画から25点の展示だけで、それに同じく館所蔵の大亦観風の『万葉集画撰』から小品が12点だけでいささかさびしいものがあります。
また、一口に万葉日本画のコレクションといっても玉石混交な感があり、加えて今回展示された大半の絵はこれまでも何度も見ているので新鮮味は感じられません。中には初めて目にしたものもありましたが、残念ながら余り感銘を受けなかったですね。
そんな中で、いいなと思ったのはこの作品↓でした。
絵は《春野》と題して、万葉集の巻頭歌で有名な雄略天皇の「こもよみこもち ふくしもよ」をテーマに描かれています。画家の名前は室井東志生です。上品で端正な絵で今回の展示では一番印象に残りました。
前にここで観たこの絵↓に一脈通じるものを感じます。
他の作品では、館のホームページで紹介されている↓の大野俊明の《清隅》とか
気品のある画風↓の箱崎睦昌の《藤波の花》が良かったです。
展示を見ていて気になったのは、額の横に掲示された花とか和歌の意味、作者の弁などを書いた解説の存在です。
うちのヨメさんもそうですが、かなりの人が、絵を観る前にその解説を読むのに時間を割いていて、肝心の絵のほうはチラ見程度で次の絵のほうに移動していました。他の絵画展でも同じような傾向が見られます。
絵というのはまず無心の状態で、絵に向かい合うことが大事だろうと思いますが、解説を読むほうに時間をかけるのでは本末転倒だと思いますね。絵の横の表示は、先入観なしに鑑賞するように、作品名と制作年程度で十分だと思います。
ところで、この記事を書くために少し調べていたらこんなサイトに行き当たりました。
運営されているのは明日香在住の方だそうですが、なんと万葉文化館創設時の奈良県知事!だそうです。
ホームページの下のほうの緊急報告・万葉文化館の改変問題というところを読んでいくと、これまで私が断片的に書いてきた万葉文化館を巡る出来事の背景にあるものが見えてきました。PDFファイルですが、中の青文字がリンクになっているのでページ間の移動ができて読みやすいです。
展覧会の開催回数削減だけのみならず、万葉文化館の施設自体の転用計画まで持ち上がっていたとはびっくりです。
施設転用計画は上記のホームページなど、関係者の努力で止めることができたそうですが、館に併設されていた万葉文化館研究所は廃止が決定。今は単なる係として事務職の係長と研究職員2名の体制になってしまったとのことです。
こういう話は今大阪をはじめ全国で起こっていますが、財政危機を理由に、真っ先に切り捨ての対象になるのが文化政策というのは本当に情けないですね。
さて展示の話に戻りますが、先に言った通り今回の展覧会はとにかく展示点数が少なすぎなのが残念でした。展示会場の終りのほうで大亦観風の『万葉集画撰』が展示されていますが、小品な上に書も画もあまりいいように見えず、いつも目にするたびに「これ、ヘタウマ?」などとヨメさんと罰当たりな感想を言い合っています。
続いて写真展ですが、観始めてすぐ、大阪国立国際美術館の近代美術の展示を連想してしまいました。
今となってはあざとい衒いだけが眼について、馴染めない作品ばかりで、テーマも繰り返しが多いです。
館のホームページにはインスタントフィルムの作品と書いていますが、これはポラロイドのことでしょうか?だとすれば発色やピントの甘さから納得ですが、その効果は余り感じ取れなかったですね。
とてもじゃないけど、テーマの「うつせみの鏡 時空の舟 ―我・夢・影―」の意味はくみ取れず、俗人な私たちを含め、居合わせた観客はみんな足早にこの写真コーナーを立ち去っていました。
で、観終わって、館内から周りの庭園を見ながら本館に戻ってカフェを覗いてみたら、なんとまた別の店に代わっていたのでびっくり。これで私たちが通うようになってから3度目ですね。
前は「ICHIE(イチエ)」という店でしたが、新しい店名は「SIZIN」(詩人?と読むのでしようか)といって「室生天然酵母パン」がウリのパン屋さんのようです。時間をかけて抽出する水だしコーヒーも目玉なようです。
メニューは、前の店にあった「ごはんメニュー」がなくなって、すべてパンのセットになっていました。ちょうど私たちが座っていた横のテーブルに来た老夫婦とその娘さんらしい三人連れは、いったん座ったものの、ごはんメニューがないと聞いてすぐ出ていきました。館の利用者の年齢層ではパンメニューだけでは苦しいでしょうね。
私たちは1,000円前後のこれ↓をオーダーしました。
サンドイッチの具は生ハムを使っていたりで良心的だったのですが、パンが分厚く生地もしっかり固め、しかも大きいので、両手でしっかり持って大口を開けてかぶりつかないとせっかくの具がはみ出てしまいます。なので、片手しか使えないヨメさんにはとうてい無理。皿に載せてパンをめくって食べようとしましたが、パンが大きく、それをちぎって食べようとしても、固めなのでヨメさんには出来ず、私がかわりに小さくちぎりました。
私だけでなく他のお客さんも、すぐ具がはみ出て落ちそうになるので食べにくそうな感じでした。
普通のサンドイッチのようにパンを一口サイズに切ってくれていたら良かったのですが。帰りの車の中でヨメさんは、「美術館では西宮の大谷記念美術館のカフェが一番!」といっていました。(笑)
食べ終わって、ミュージアムショップで絵葉書や本を買ってから、押し花の絵葉書と栞作りに挑戦しました。材料は付属の庭園の樹木の花々を使って館の職員さんが手作りしているとかで、発色が鮮やかでした。
私も作りました。↓絵葉書(センスなくて下手ですね)、と、
栞です。↓
終わってから、玄関前の庭園を散策しました。
この庭園での初夏の見ものは大きなヤマボウシですが、今年はまだつぼみのまま。↓
満開になれば見上げるような樹高で見事ですが、今年は遅れているようです。その代り、サトザクラがまだ咲いていました。
栞に使った花です。↓
今回は残念ながら絵画展としては物足りなかったですが、晩春・初夏の明日香の景色と、庭園の名残の桜、押し花工作が楽しめました。
帰宅して今年のスケジュールをチェックしたら、少なくなったとはいえ外部の画家の展覧会も開催予定になっているので安心しました。期待しましょう。
障害者でもゆったり楽しめる施設として、これからもささやかですが万葉文化館を応援していきたいと思います。みなさんも明日香に来られたら、ぜひ足をお運びください。展示棟の地下には工夫を凝らした展示もあり、万葉文化の世界が存分に堪能できると思います。
今回の展示は万葉文化館のコレクション品の展示ですが、ホームページの展覧会紹介では好きな作家の未見の作品が多く展示されているとのことで、出かけることにしました。
9時過ぎに出発。
数日前からまた冷え込みがきつくなってきていましたが、日差しはすでに春なので、暖房の効きの遅いプリウスでも天井のサンシェードを開けたらポカポカと暖かく快適でした。
途中、奈良県に入って安いスタンドを見つけ、前回給油から845km走行したプリウスに2か月ぶりで給油。車載燃費計は24.0km/lを示していましたが、満タン法で計算したら23.5km/l(笑)。まあ冬はこんなものですね。
(でも平坦な地形で車がよく流れている奈良では、その後奈良市内を経由して帰宅するまでの約70km走行での平均はなんと29km/l!台をキープ。奈良に住みたいです(笑))
文化館についたら、玄関前で何やらテレビの取材が。展覧会の取材かと思ったら、同時に開催されていた子供の書初め展の取材のようでした。
展覧会場に行くと、連休の初日なのにこの日も人影がなく、寂しい限りでした。ゆったり気分で車椅子で気兼ねなしに観られるのは有難いことですが、あまり観客が少ないと、館そのものの運営とか存続が心配になったりしますね。
展示されていた作家は以下の通りです(50音順)
浅野 均 新井 富美郎
井上 稔 烏頭尾 精
大矢 紀 岡橋 萬帆
加藤 美代三 木下 育應
佐藤 太清 城 登
田所 浩 田中 一村
野々内 宏 野々内 良樹
福本 達雄 三輪 晃久
三輪 晁勢 由里本 出
渡辺 洋子
今回一番印象に残ったのは井上稔の「ひまわり」でした。そういえば去年の最初の展覧会も「井上稔」展でしたね。
今回は他に「華」「花と塔」「夜の海」「月明」「塔の朝」の5作品が展示されていました。「ひまわり」は今回の展示で一番目立っていました。
今回楽しみにしていた田中一村の作品は、以前同館で開催された一村展でも紹介された「瓢箪」「滝」「蓮」「蘭」「菊」の5点。これらはその一村展開催直前に、千葉市内の一村の関係者宅で見つかったもので、作家の18~21歳の作品です。展覧会後館蔵品となっていたのですね。
ただもうすでに老成の兆しがある5点の作品を観て、複雑な感じがしました。
若くしてこれらの作品によってその才能を高く評価されながら、その後の作品群は全く評価されず、失意のまま奄美大島にわたり、貧窮の中で画壇とは一切無縁なまま奄美の自然を描き続けた作品群が、死後一躍脚光を浴びた一村。
彼にとって、今回のような、いわば初期の栄光を代表する作品の存在はどういう意味を持っていたのか、知りたいところです。私としてはやはり晩年の奄美での作品が好みです。
新井富美郎の「穂高岳」もよくある構図ですが目を引きました。福本達雄、野々内宏・野々内良樹、烏頭尾精らの作品はまとまった作品群として展示されていました。これらすべてが館蔵品ですが、今回展示されていないものを含めて考えたら、大したお宝コレクションになりますね。
野々内良樹「杜の朝」↓
展示の終りのほうにあった由里本出の「阿蘇岳」と「激つ瀬」も力強いタッチで印象に残りました。
その他三輪晁勢・三輪晃久、大矢 紀、木下育應らの作品などは以前も展示されてなじみのあるものですが、いずれも私たちの好みにぴったりで、満足でした。
三輪晃久「万緑」
ただ何としても展示作品の絶対数が少なく、何度も会場を往復して見直しましたが、物足りない感じは否めなかったですね。
会場を出て本館に向かう途中見たら、子供たちの書初め展は家族も大勢来ていて盛況のようでした。
文化館の庭園ではロウバイが咲き始めていました↓
ショップで絵葉書を買ってから奈良市内へ。奈良町で個人で絵画展を開いている友人を訪ねるためです。
奈良町センター前の駐車場に停めて、ギャラリーに向かいました。絵のほうは抽象画なので正直言ってよくわかりませんでした。(笑)
でも久しぶりに友人と会って楽しく会話でき、また彼女も私たちの来訪を喜んでくれたので行ってよかったですね。
ギャラリー前で↓
でも思ったより盛況で、友人も応対に忙しく、あまりゆっくりしていると迷惑になるので適当に切り上げて、駐車場近くのカフェで遅めの昼食にしました。
かわいらしいケーキの店でしたがランチもおいしく、オーナーの奥さん?が出入りに親切に気を使ってくれたのがうれしかったですね。
今回は明日香と奈良町のかけもちのお出かけで、特に奈良町は道幅が狭いので車で行けるか心配でしたが、まだ観光シーズンではないため人通りも少なかったのでラッキーでした。
今回の万葉文化館の展覧会の会期は3月31日まで開かれています。みなさんも明日香に来る予定がおありでしたらぜひご覧ください。
次年度の予定はまだ公表されていませんが、回数は少なくても今年度のように外部の作家による展覧会の開催が継続されることを祈っています。
私たちは一昨年の正月から、西宮市の大谷記念美術館の新春の展覧会に行くようになりました。
公立の施設なのに正月の2日から開いているのがうれしく、専用駐車場も整備されていて車椅子での利用に便利です。
それよりなにより、この美術館が開館から40年の間に収集した、日本とフランスの近代絵画をはじめ、地元作家の作品や版画や立体造形、陶芸など多岐にわたる現代美術のコレクションが素晴らしく、どれも見ごたえのあるものばかりです。
今回の展覧会のテーマは、開館40周年を記念して同館白眉の日本画のコレクションを展示した「日本画 その妙なる世界」というものでした。
今回も所蔵品の中から、上村松園の三点の美人画のほか、伊藤深水、川合玉堂、下村良之介、横山大観、前田青邨、山下摩起など大家の代表的な作品が、「ひろがりのある空間」、「観念の表現」、「自然の美」、「たたずまいの美」といったテーマにわけて展示されていました。
開館が10時なので9時過ぎに出発。
途中まったく渋滞もなく、ちょうど開館時間に到着。去年と違って駐車場にはけっこう車が停まっていましたが、中に入ると観客は少なくゆったり。
まず目を引いたのが橋本関雪の大作「僊女」です。所蔵している日本画の中では最大級だそうです。題名は仙女と同義とか。
絵葉書から
同じフロアの山下摩起の「雪」も見ごたえがあります。大胆な筆遣いで竹林に降り積もった雪の情景が屏風に描かれています。重そうな湿った雪が笹の上に積もって、それが今にも音を立ててバサッと落ちていきそうな様子が描かれています。昭和初期の作品だそうですが、今でも斬新な絵です。
リーフレットより
その他では、下村良之介の軍鶏シリーズも毎年見ていますが、見飽きることはありません。
でも今回私が特に気に入ったのは川合玉堂の作品でした。
この作家、某テレビ局のお宝鑑定番組でニセものが多い作家の筆頭格ですが(笑)、今回展示されていた作品群を観て、これまでの私の認識が覆りました。
絵葉書から 「乗鞍」
残雪の乗鞍を背景に新緑の樹木を描いて、春の予兆に満ちた季節感が伝わってきます。いい絵ですね。
「高原深秋」など展示されていた他の作品も、それぞれ生き生きとした描写で立体感・遠近感のある作品で印象に残りました。帰宅して調べたら玉堂はアルプスを背景にした石楠花の図とか、爽やかな作品をたくさん描いていますね。
風景を描いた日本画では山元春挙の描いたこれ↓も印象的でした。
絵葉書から 「雪渓遊鹿図」
さて、この絵↑の中のどこに鹿がいるでしょうか?(笑)
2階は定番ですが、伊藤深水や上村松園の美人画がやはり人気でした。
あとは前田青邨の一連の作品もよかったです。
絵葉書から「薔薇」
1階から2階と回ってまた1階に降り、全部見終わってから、庭園を見ることにしました。ここの庭園には多種の植物が植えられていて、そのすべてに名前の表示があるのが親切です。
普通なら今の時期は、庭園の随所にある�椈梅が咲き始めているのですが、今年は固いつぼみのまま。やはり例年になく寒い冬の影響でしょうか。
もうひとつこの時期に彩を添える花としてシコンノボタンがありますが、これも今年はたったひとつだけ。
ちょっと寂しかったですが、これも寒波の影響でしょうね。庭園を回ってから再び館内に入り、カフェで昼食にしました。
私は前回同様カレーとコーヒーのセットです。どちらもおいしくいただきました。
ヨメさんはこれまた前回同様サンドイッチ。おいしかったそうです。
いい雰囲気の中で昼食できました。館内からの庭園の眺めも良かったです。
館を去る前に絵葉書(1枚50円です!)を買ってから駐車場へ。
駐車場を出てから少し神戸方面に走り、交差点をUターンして阪神高速神戸線の芦屋入口から乗って、帰りもガラガラにすいた道を帰宅しました。
今年の新年最初の美術館は神戸市立博物館の「マウリッツハイス美術館展」となりましたが、やはりこの大谷記念美術館は新年の訪問先として外せないと改めて思いました。
阪神間に在住の皆さんは、ぜひどうぞご覧ください。
明けましておめでとうございます。
東日本大震災で被害にあわれ、今も復興に向けて頑張っておられる皆さんには心からお見舞い申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨日1月2日に、神戸市立博物館に行って、オランダ・ハーグの王立マウリッツハイス美術館(1822年開館)が所蔵する17世紀オランダ・フランドル絵画の展覧会を観てきました。
この展覧会は、同美術館が改修工事に入るため、同館の所蔵品の目玉フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」をはじめ、レンブラントやルーベンス、ヤン・ブリューゲル(お父さんのほうです)の名作が貸し出されることになって実現したそうです。全部で48点の作品が展示されていました。
ところで私たちは、もともとここに行く予定はありませんでした。当初は今年もここに行くつもりでした。
でもヨメさんは前からフェルメールが観たかったらしく、出発前になって「神戸の方はどう?」と言い出したので、急遽変更することにしました。
で、交通状況をチェックしたらそれほど大した渋滞もなさそうです。もし渋滞が始まっても同じ阪神高速神戸線を通るので途中で大谷記念美術館に変更したらいいかと、行くことにしました。
やはり道は空いていて、順調に神戸まで行けました。
それで機嫌よく博物館近くまで行ったら、博物館の周囲はすでに長蛇の列。それも半端な長さではありません。現実はそんなに甘くありませんでしたね。
しかも周辺道路は近くの大丸の初売り目当てに来た車の駐車場待ちで大渋滞。
焦りながら、なんとか近くのタイムズに車を停めました。ここも空きスペースが一台空いていただけという際どいタイミングでした。
車椅子を出して列の最後尾まで行きました。この時点(10時20分頃)で係の人の話では15分待ちとのこと。
私たちの後もすぐ列が出来ていきました。
ようやく私達の番になって、私だけ障害者手帳を持ってチケット売り場に行ったら(狭いのでヨメさんは手前で待っていました)、「無料です」とのこと。
これは予想外でした。というのは兵庫県立美術館では割引はあっても無料ではなかったので、ここも同じだろうと思っていたのです。
もうひとつ、ちょっとうれしかったのがポストカード(非売品とのこと)のプレゼント。
出発前にインターネットで調べていたときに、この日だけ先着1,500名に非売品のポストカードをプレゼントとのことでしたが、待ちながら、この人数ではとっくになくなっているだろうと二人で話していました。
ところが思いがけず会場の入り口でスタッフが「はい、どうぞ」と手渡してくれたのには驚き。多いと思ってもそれほどではなかったのかとこれも意外でした。
入口で音声ガイドを借りて、観客の列に続いて展覧会の会場へ。
でもすごい人です。展示は「美術館の歴史」「風景画」「歴史画(物語画)」「肖像画と『トローニー』」「静物画」「風俗画」の6つの章に分けられていました。
目玉の「真珠の耳飾りの少女」はその真ん中の「肖像画と『トローニー』」のセクションに展示されていました。
その前だけ見やすいように人の列が整理されていたので、立ち止まって見ることはできないものの、車椅子でもよく観ることが出来ました。
やはり「真珠の耳飾りの少女」はいい作品でした。けっこう小さいものですが、少女の何かを訴えかけるような眼差しが印象的でした。
パンフレットやチケット、周辺案内マップまですべて「真珠の耳飾りの少女」のオンパレードです↓
「肖像画と『トローニー』」のセクションも傑作揃い。
レンブラント「羽根飾りのある帽子をかぶる男のトローニー」↓
でも肖像画のコーナーではこれが一番インパクトがありました↓(笑)
ホーフェルト・フリンクの「椅子の傍らの少女」という絵ですが、どう見ても顔だけ別の絵から持ってきたような違和感があります。(笑)
「真珠の耳飾りの少女」の後の「静物画」と「風俗画」の展示は、観客が少し減って観やすくなっていました。
ゆっくり観られたせいもあり、私たちにとっては「静物画」と「風俗画」が良かったですね。緻密な描写の静物画には、以前に奈良で見た磯辺 毅の作品に通じる作品もあり、楽しめました。
図録から「ワイングラスと懐中時計のある静物」↓
そのほかの作品でも、展示順が前後しますが、フェルメールの初期の作品「ディアナとニンフたち」や、レンブラントの老若の「自画像」や肖像画、ライスダールの風景画「漂白場のあるハールレムの風景」、ヤン・ステーンの風俗画「恋わずらい」「牡蠣を食べる娘」「親に倣って子も歌う」、アードリアン・フォン・オスターデの「ヴァイオリン弾き」など興味深い作品が多く、見応えがありました。
でも本当に疲れました。
神戸に先立って東京都美術館で開催された同展には75万人以上が訪れたとのことですが、神戸も大阪のエルグレコどころではない混雑でした。
観終わってグッタリ。
トイレに行ってから昼食のため館内のカフェに行きました。
といってもこの混雑なので、多分満席だろうとダメモトで行ってみたのですが、案に相違して空いていました。
これもちょっとビックリですが、館周辺には食事処が多いので空いていたのでしょうか。
店内は落ち着いた雰囲気で、正月らしい装飾もあってくつろげました。
ミックスサンドとコーヒーを注文しましたが、どちらもおいしかったです。
帰る前にまた2階のショップに戻って図録を買って帰途に。
このころは少し来館者が減っているように見えました。
やはりゆっくり観ようと思ったら、朝一は避けた方が賢明です。エルグレコの教訓は今回も当たっていたようです。
館内のボランティア?の女性スタッフの話では年末は空いていたそうですが、年明けから1月6日の最終日まではこの混雑が続くだろうとのこと。
駐車場から出ても相変わらず周辺道路は混んでいて渋滞。
でも駐車場から出るとき、大丸の駐車場に並んでいた車がわざわざバックして譲ってくれたりして気持ちが良かったです。
阪神高速も深江までは少し渋滞がありましたが、完全に止まることはなく、それを過ぎたらガラガラで、快調に帰宅しました。
出発前のプリウスの燃費表示は23.9km/lでしたが、帰ってガレージに入れた時点では26.2km/l。久しぶりの好燃費でちょっと満足。
さすがにこの夜は爆睡できました。
やはり混雑した展覧会は開館時間から少し時間をずらすのが吉ということでした。
施設の建設中に日本最古の貨幣・「富本銭」の鋳造施設をはじめ金・銀・銅・鉄・ガラス工房と思われる遺構やるつぼ、金属製品などの遺物、7,500点以上の木簡、大量の土器類が出土した飛鳥池工房の遺跡が発見され、古代史研究に大きな波紋を投げかけたことでも知られています。
ただ、残念ながら現在みられる工房遺跡はレプリカで、大部分の本物の遺跡は再び埋め戻され、その上に館の建物が建てられました。
万葉集に関する文献・資料の蒐集もさることながら、万葉文化館はオープンに際して『万葉集』の歌をもとに154名の日本画家が一点ずつ競作した「万葉日本画」のコレクションも有名です。
その上、毎年4~5回開かれるいろいろな日本画の企画展も魅力で、展示が変わる度に訪れていました。
展覧会のテーマもユニークで、基本的に日本画であることだけで別に万葉にとらわれず、幅広い画家の作品を紹介していて、私たちもいい勉強になりました。
前にも書きましたが、最近では田中一村や安濃光雅(日本画家ではありませんが)の展覧会が印象に残っています。それ以外でも、ここで初めて知った日本画家のすぐれた作品も多く、いつも訪れるのが楽しみでした。
それが、今年度から大幅に縮小されてしまいました。
それに伴って品ぞろえの良かった館内のショップも縮小され、受付嬢も減員され、寂しくなりました。施設の周辺で営業していたレストランなども閉店が相次ぎ、さびれています。
まあ、無理もないのです。
地の利が悪いせいなのか、来館者が少ないのはいつも気がかりでした。近くに飛鳥寺や橘寺、飛鳥坐神社などもありハイキングコースに入っているのではと思うのですが、いつ行っても観客は少なく空いているのです。
人気のあるはずの「安濃光雅」展や「田中一村」展でさえ、車椅子で快適にゆったり鑑賞できたのですから。
それで私たちも以前から「危ないね、予算大丈夫かな」と危惧していました。
その予感は現実となって、すでに昨年はじめに展覧会を縮小するような主旨の予告がホームページに掲載されていました。
でも、昨年度は引き続き展覧会がそれまでと同じペースで開催されたので、ひょっとして継続されるのではと淡い期待を抱いていたのですが、今年の4月以降は「松村公嗣 -四季のきらめき-」と「金森義泰の世界」展が開催された後、外部の画家の展覧会はなくなりました。本当にがっかりでした。そのかわりに、オープン時に蒐集した所蔵画をテーマごとに展示することになったようです。
今回はその新企画の第二弾で、「冬の万葉日本画 天 -万葉の心にふれる-」と題して、「天」という言葉にちなんだ歌を中心に「歌木簡」(レプリカ)や「万葉集」の写本・版本、写真と所蔵している万葉日本画を展示していました。
なかなか面白かったですが、展示された絵のほうは正直言って玉石混交といったところです。
以下、今回の展示でとくに印象に残った作品をご紹介します。すべてショップで買った絵葉書をスキャンしたものです。
↓北田克己 「初月(みかづき)」
↓今野忠一 「富士」
↓千住 博 「ウォーターフォール」
↓木下育應 「野地爽晨」
↓平松礼二 「路-湖愁」
↓井上 稔 「斑鳩夕景」
いい作品でしょう?本当に眼の保養になりますよ。
あと、片岡球子の「富士山」もインパクトがありました。
でもこうした良作の展示も多いのに、相変わらず観客は少なく、寂しかったです。
ところが、見終わって展覧会場からミュージアムショップに戻ってきたら、大勢のハイカーがたむろしていてびっくり。
数十人規模なので、団体で見に来てくれたのかとちょっと期待したのも束の間のこと。
みなさん、折からの冷たい雨を避けてトイレ休憩に来たようで展覧会はパスでした。私たちがショップで絵葉書を買っていたとき居合わせた人たちも殆ど見るだけという感じでした。
ちょうど昼時だったのでカフェだけは人が群がっていましたが、これはこれでいつもの客数を知っている私たちは、食材が足りるのかと余計な心配をしてみたり。(笑)
他人事ながら売り上げアップを期待した私たちですが、ちょっとがっかりでした。出口の臨時売店?でお菓子も買ってから帰途につきました。
万葉文化館には今後も、今年のように回数を減らしてでも展覧会は継続してほしいのですが、前回や今回の様子を見ているとそれすら心配ですね。
大阪市の橋下市長をはじめとして、今公共施設の予算カットが流行になっていますが、安易な予算削減で施設を廃墟にしてしまうのではなく、長いスパンで文化を育てていく観点が絶対に必要ですね。同時に館側としても、せっかくの充実した展示施設や設備ですから、それらをもっと活用して、不断に来館者を増やす努力を重ねてほしいです。
今後もささやかですが応援していきたいと思います。みなさんも明日香を訪れた際にはぜひ足をお運びください。
でも当日は私もちゃんと鑑賞モードに切り替えて(笑)、ポジティブな気持ちで出かけました。1時間もかからず駐車場に到着。すでに美術館前には50mぐらい列ができていました。その後も続々と人が押しかけてきて、最終は200mぐらいになっていたでしょうか。
寒空で待ったので体もかなり冷えてきましたが、ようやくオープン。解説のヘッドホンを借りて会場へ。当然混んでいましたが、どの展覧会でもそうですが、先に進むにつれて人の列もだんだんすいてきて、絵も見やすくなってきました。みなさん疲れてきて、壁際の椅子で休憩するなどしていました。
展示は第1章(第1章だけさらに2つに分かれています)から第4章まで大きく4つのテーマに沿って作品群が分けられていました。
画家の初期の作品である肖像画群では、「白貂の毛皮をまとう貴婦人」が目を引きますね。エル・グレコは女性の肖像画はあまり描いていないとのことで貴重な作品ですが、美しい絵でした。緻密な描写と気品ある容姿が魅力的です。それまで目の落ちくぼんだ、痩せた男性の肖像画が並んでいたのでひときわ目立ちました。(絵葉書より)
もうひとつ気に入ったのはこれです。↓「蝋燭に火を灯す少年」(絵葉書より)
ところでこの肖像画のパートを観ていて気が付いたのですが、エル・グレコ(←ギリシャ人を意味するイタリア語グレコにスペイン語の男性定冠詞エルがついたもので、本名はドメニコス・テオトコプーロスという長い名前です)はフェリペ二世やドン・カルロスと同世代人なんですね。またまた不勉強が暴露されます。でもそうとわかれば、にわかに絵にも親しみがわいてきました。(笑)
また、画家のもっとも活躍したところがトレドということで、これまた親しみを感じます。
でも、その大聖堂に行ったはずなのに、そこにあったはずの絵を覚えていないのも情けない話です。(笑)
(余談ですが、メリメの「トレドの真珠」は彼の得意とする短編の中でもピカイチですね。)
などと思ってさらによく絵を見ると、プラド美術館からの出展も多いのにも気づきました。
それで、帰宅してからパソコンの中の古い旅行の画像データを調べてみたら、出てきましたね~。
同時に、いかにそのとき真剣に見ていなかったのかということもよくわかりました。(笑)
(いずれも撮影自由なプラド美術館にて 2001/12/30)
「聖三位一体」
「聖アンデレと聖フランチェスコ」
「ラスメニナス」これはベラスケス
題名不明 これもエル・グレコではないですね
題名不明
しかし率直に言うと、やはりキリスト教徒ではない私たちにとっては、今回のエル・グレコ展の特に宗教画群は、それほど感銘を受けませんでした。いや、正しくはよく価値がわからなかったというべきでしょうか。
宗教画では、初期のこの作品が目に留まりました。↓「マグダラのマリア」(絵葉書より)
もちろん、構図の斬新さや、長身化した人体の描き方、インパクトのある色彩、建物に設置した際に最も効果的に見えるよう計算された画面配置など、当時の社会に与えた衝撃は理解できました。ダイナミックな画面構成はインパクトがあります。
その代表作が↓です。「無原罪のお宿り」(絵葉書より)
が、いかんせん主題が変わらないので、展示の全体としては、どれも同じような印象になってしまいます。
見終わって、B2の宮永愛子さんの「なかそら」という作品の展示を見に行きました。
常温で昇華してしまうナフタリンを素材として使用し、最初の造型が時間とともに変容するところをモチーフとして時間の流れを表現しているとのことですが、これはさらによくわかりませんでした、はい。
他のみなさんも同様なようで、足早に会場を去っていました。
最後にレストランで昼食。
ここは以前はけっこう入りにくい雰囲気と価格でしたが、いつの間にか店が代わっていて、ほとんどが850円のメニューになっていました。そのせいか繁盛していましたが、率直に言ってリピートは難しいですね。(笑)
一言でいうと、とにかく味が濃すぎます。隣のお客さんもそう言っていましたから、間違いないですね。(笑)
帰りも行きと同様道はすいていて、快調でした。
今回の教訓:
1.事前にできるだけ画家に関して調べておくこと。
2.早く出かけるよりも開館1時間過ぎあたりのほうが空いている場合がある。
出かける前は阪神高速神戸線で渋滞との情報もあり心配でしたが、私たちが出かけたときは流れもよく、10時過ぎに着くことができました。
前回は初めてでまごつきましたが、2度目なのでストレートにチケット売り場に直行できました。気のせいか前回より館内も明るくなっていたような感じでした。(笑)
↓別バージョンです
さて今回の特別展「バーン=ジョーンズ展 -英国19世紀末に咲いた華-」ですが、この画家、全く知りませんでした。(笑)
なんとなくロバート・バーンズを連想させる名前ですが、もちろん何の関係もありません。(笑)
正式にはエドワード・コーリー・バーン=ジョーンズというそうで、1833年にイングランドのバーミンガムで生まれ、1898年に亡くなって葬儀はウェストミンスター寺院で執り行われたそうです。
美術館の解説によれば、彼は19世紀末のイギリス唯美主義美術を代表する画家で、ラファエル前派の系譜に連なる最後の巨匠とのこと。
丹念に描き込まれた画面は迫真性よりも装飾性と審美性の強い画風です。時代的に前後しますが、以前見たミュシャの画風にも通じるものがあります。でもミュシャよりも緻密に描かれた画面ははるかに迫力がありました。
↓絵葉書です
全く知らなかった画家ですが、会場でウィリアム・モリスと公私ともに親交が深かったという解説を読んである種の親しみを感じました。特に植物を描いた画面を見て特にそう感じました。
展示されていた作品は初期から最晩年まで多数で、日本で初めての本格的なバーン=ジョーンズ展というのもよくわかりました。といっても先に東京で開かれていて、好評だったようです。
展示されていた約80点の作品のなかでも、特に《ピグマリオン》連作、《眠り姫》、《運命の車輪》といった油彩画の代表作と、ウィリアム・モリス商会の求めにより原画を描いたタペストリの大作が見ごたえがありました。
↓絵葉書です
展示された作品の大半はバーミンガム美術館所蔵のコレクションで、油彩画、水彩画、素描、タペストリなどの作品が、聖書・神話・物語のテーマごとに展示されていて、画家の生涯にわたる画業がよくわかります。
私的には、多数の作品の中で《運命の車輪》がベストで印象に残りました。技術的にも円熟した代表作だと思います。
ただ、装飾画ということを強く感じたのは描かれた人物の表情ですね。どの人物も表情には感情がなく、ドラマチックな物語や神話の世界にそぐわないどちらかといえば暗い表情でした。
特別展を見た後で常設展も見たので、今回も美術展としては大満足でした。
食事は今回もカフェのほうです。ただ、前回話題になったレストランのメニュー表示から評判の悪かった「パスタ」はなくなり、コースメニューだけがエレペーター前に案内されていました。(笑)
同じく有名な「底だまり」グラスワインがその後どうなっているかもちょっと興味がありましたが、邪念を振り払って(笑)カフェに直行。今回も値段相応で、野菜サラダもたっぷりで納得でした。
西日本では兵庫だけの展覧会になり、会期も短いので、ぜひ早めにご覧いただければと思います。
おすすめです。
今月に入って阪神高速道路の神戸線を走るのは3回目です。
今回も朝早く出かけたおかげで、開館前に美術館に着きました。
兵庫県立美術館ウィキメディアより
今回の展覧会は昨年末の12月10日から今月22日まで開かれていた「伊藤清永展」です。
といっても、この画家については、今回見に行って、初めてその存在そのものを知りました。もちろん絵を見るのも初めてでした。
やはりまだまだまだ知らないことのほうが多いですね。
この画家は裸婦が得意だそうで、展示されているのも裸婦がほとんどでした。こちらに展覧会の内容が紹介されています。
展覧会のパンフレットによれば、伊藤清永さんは1911年に兵庫県出石町の禅寺に生まれ、戦前の代表作としては三重県の安乗で題材を得て描いた「磯人」が文部省の美術展覧会鑑査展で選奨に選ばれ、一躍有名になったとのこと。
第二次大戦後は裸婦を主体に創作に励み、文化勲章も受章しているとのことです。
素人の私は、この画家の裸婦を一目見て、直感的にルノワールを連想してしまいました。
明るい色彩に豊満な姿態、輪郭をぼかした描き方にルノワールとの共通性を感じます。
作者の名前を伏せて、「これを描いた画家は誰?」と聞いたら、ほとんどの人はそう答えるのではないでしょうか。
ただ、展示を時系列でみていくうちに、後年の作品では違いが際立ってきて、画家の独自性がよくわかってきました。とくに、少し離れて鑑賞すると画風の変化がよくわかります。輝くような裸婦像が印象的でした。
しかし私たちが一番感銘を受けたのは、晩年の《釈尊伝四部作》でした。
愛知学院大学百周年記念講堂の壁画として描かれた《釈尊伝四部作》は、禅寺に生まれ僧として育てられた伊藤清永が、約7年の歳月をかけて制作した力作です。
縦約4メートル、横約3メートルの大画面に釈迦の生涯を油絵で描いていて、私たちはその場にくぎ付けになりました。
仏教画として寺院などによくおさめられている絵画と違い、生き生きと立体的に釈迦が描かれていて、新鮮な魅力がありました。
他の観客のみなさんも立ち止まって見ほれていましたね。
ゆっくりと展示作品を見てから、併設されていたコレクション展を見て回りました。
本展としては「美術の中の“わたし”」と銘打って、館が所蔵しているコレクションの中から近年制作された画家の自画像をテーマとした油彩画や版画、写真や彫刻などが展示されていました。
あわせて小企画として「安井仲治の位置」という展覧会も開かれていました。
戦中に夭折した写真家・安井仲治(やすい・なかじ 1903-1942)のポートフォリオが近年この美術館館に収蔵されたのを機に、安井仲治と同時代の他作家の作品、旧蔵の資料類を展示し、この稀有な才能を持った写真家を検証するというものでした。
この人の写真には感動しましたね。
ナチスに追われて日本に滞在していたユダヤ人の日常を描いた写真や、当時の日本の世相を鋭く切り取った作品など、現代でも通用する作品ばかりで見ごたえがありました。
予期していなかっただけに満足感もひとしおでした。
ところで兵庫県立美術館の建物ですが、館内は分かりづらかったですね。
まず切符売り場がわからずウロウロしてしまいました。サインが目立たないのでまごついてしまいます。全体に照明も暗くて陰気な感じです。
新しい建物なのに障害者用トイレの設備も最低限で、温水洗浄便座などはありません。
でも入場料や駐車料金は割引後でも他の同種施設に比べてかなり高く、経営はガッチリしていますね。
展示会場へ移動するためのエレベーターも、ドア幅が車椅子ぎりぎりで、中も一台乗るのがやっとという感じで、エレベーターから展示場への通路の幅も狭いので、緊急避難時には混乱しそうです。
館内の配置もなかなか簡単には把握できないのですが、とくに併設展の展示室の配置がまた迷路のようで、作品を見ている間にどちらが入口か良くわからなくなってウロウロ。
レストランは2Fにありますが、直接展示室から行けず、いったん1階のエントランスホールへ降りて、円形テラスの階段またはエレベーターで2階へ行かなければなりません。
この建物、ご存知安藤忠雄氏の設計です。
私も名前は知っていますが、巨匠だそうです。
でもこの人の設計は、障害者にとっては決して優しくないと思います。
一昨年末に閉館したサントリーミュージアムも同じ設計者でした。ここに車椅子で行かれた経験のある人は、よくお分かりだと思いますが、本当に殺意すら覚えました。(笑)
このミュージアム、手狭で混雑した会場を、車椅子を押して展示を見ながら出口まで行っても、エレベーターが入口側だけにしかなく、おまけにほかに通路がないので、別の展示フロアに移動するには、また会場を逆に戻らないといけないのです。
それで、展示に見入っている大勢の人々に「すみません、通してください」と声をかけながら混雑する会場を逆行しなければなりません。
「なんで逆行するの?」という視線を感じながら、車椅子に人が当たらないように注意しつつ通るのはつらいものです。
こういう設計がなんでもてはやされるのか、素人の私たちには理解不能でした。
さて、今回も見終わってちょうどお昼になったので、昼食をと思いましたが、先ほどの2Fのレストランはインターネットではけっこう有名なので(笑)、貧乏な私たちは少し通路を迷いながらなんとか1階のカフェのほうに行きました。
同じ経営ですが、カフェの方はリーズナブルで、満足できました。
ただし、安藤忠雄氏は、こういう用途にスペースを割くのがお嫌いなようで、ここも驚くほど狭いです。
近つ飛鳥博物館も同じ設計者ですが、ここも威圧感は感じるものの、利用者にフレンドリーとは思えなかったですね。カフェも片隅に追いやられていて、機能より「芸術性」優先という感じでした。
設計コンペなどではこれらはチェックされないのでしょうか。
まあ、世界に名だたる巨匠のデザインに注文など恐れ多いということでしょうね。
でも私たちにとっては、安藤忠雄氏の「作品」は、障害者への配慮という点では、いつも展覧会に出かけて私たちのお気に入りのココとは、あらゆる面で対極の存在だと思います。
ともあれ、いろいろあったものの、いい作品に巡り合えて行った価値がありました。
お出かけの選択肢も増えたので、良かったです。
今日も帰りの道も空いていて、一時間程度で快適に戻ることが出来ました。
みなさんはどのような年明けを迎えられましたでしょうか。
ともあれ、本年も気まぐれ更新のブログですが、お付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。
年明けの3日は、去年と同じく、兵庫県の西宮市大谷記念美術館に行ってきました。ここは公立ですが、なんとお正月の2日から開館している稀有なところです。
開館は朝10時からなので、それに合わせて出発したのですが、高速道路がすいていて、開館15分前には着きました。
車を門前にある誰も駐車していない駐車場に停めて車椅子を降ろして、去年同様庭園を見て開館までの時間を過ごすことにしました。
今年もロウバイが咲き始めていました。いい香りでした。
美術館を取り囲むように植えられている木の名前を見るとセンペル・セコイアというプレートがつけられていました。
この木は、花の文化園などにあるメタセコイアと違って常緑樹で、同じように非常に背が高くなり、カリフォルニアのセコイア国立公園のセンペル・セコイアは樹高112mにもなるとのことです。この美術館のセンペル・セコイアはまだそれほどでもなかったですが。
美術館の南側の庭園は絵を見てからまわることにして、少し風もあって寒くなってきたので、開館5分前に玄関前に戻りました。
そこで開館を待っていたら、よほど寒そうに見えたのでしょうか、職員さんが「寒いでしょうからどうぞここでお待ちください」と外の自動ドアを手動であけて、内側のガラスの自動ドアとの間のスペースに入れてくれました。温かい気配りに感謝でした。
今回の展示のテーマは「新春によせて 近代の日本画・油彩画」ということで、美術館所蔵のコレクションの中から近代の日本画と油彩画を、「1. 描かれた容姿」、「2. 花鳥と静物」、「3. 移ろう風景」というテーマ別に計約60点の作品が展示されていました。
会期:2012年1月2日(月)~2月12日(日) 水曜日休館
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
最初のテーマの人物画では、なんといっても伊東深水の「吹雪」が目を引きます。
テーマが違ってもこの絵はここの看板作品の一つなので、去年も展示されていました。でもやはり気品にあふれた傑作なので、何度見ても見飽きることはありませんね。
そのほかにも上村松園の「蛍」や、小磯良平の「ギターを弾く男」などをはじめ逸品ぞろいで、他の客も少なかったのでゆっくり時間をかけて鑑賞することができました。
次のテーマ・「花鳥と静物」はそのとおり花鳥画・静物画・動物を主題とした作品などが展示されていました。
いずれも逸品ぞろいですが、主なところでは菱田春草の「秋林遊鹿」や、杉山寧の「雉山百合図」、梅原龍三郎の「赤地ダリヤ」など。ダリヤは他の画家の作品も展示され、比較してみられるのが面白かったです。
このテーマでは下村良之介の軍鶏を主題にした前衛的な作品がとくにインパクトがあり、印象的でした。この画家は、軍鶏以外でも優れた作品を数々残しているので、まとまって見られる機会があればぜひ行ってみたいと思いました。
最後の「移ろう景色」は山水画や風景画などの展示です。横山大観の「若葉」や川合玉堂の「奔湍」がやはり目を引きますが、変わったところでは大石輝一の描く「金閣寺雪景」がちょっと変わった描き方で印象に残りました。
ゆっくりと自分たちのペースで見られるので、まるで万葉文化館です(笑)。
十分に鑑賞して展示会場を出ました。今年も正月らしい清々しい作品を楽しめてよかったです。
そのあと、庭園を見ることにしました。
行き交う人もいないのでヨメさんも車椅子から降りて、よく手入れされた庭の通路を、杖でほぼ3分の2ほど散策出来て満足していました。
去年見つけた紫色のシコンノボタンが今年もきれいに咲いていました。
あとは先のロウバイが庭園内のあちこちで早春を告げていたのと、地味ながら紅白のマンリョウも目を引きました。白いマンリョウです↓
見終わったらちょうど昼食の時間になっていました。
去年利用して美味しかったので、また美術館に戻り、受付の女性にお願いしてもう一度入れてもらって、館内のカフェで食べてから帰ることにしました。
私は館内に漂っていた香りに惹かれてビーフカレー+コーヒー、
ヨメさんは去年と同じサンドイッチです。
どちらもおいしく、カフェからは庭園が一望でき、満足なひと時でした。
帰りに受付横で絵葉書を買って(売れ残り処分で10枚100円!)、空いた阪神高速を快調に走って1時間もかからず帰宅しました。
このパターンが我が家の正月の恒例になりそうです。
この展覧会は、今年7月にNHKの日曜美術館のアートシーンで練馬区立美術館で開催されていた同名の展覧会の紹介を見て以来、関西にくるのを心待ちにしていました。日経新聞でも紹介されていたので皆さんもご覧になられたかと思います。
まあとにかくすごい画業でした。圧倒されました。並みの言葉では言い表せない迫力と芸術性に、言葉もなく立ち尽くすばかりでした。
最初こちらの事情で、初期のデッサン画群の特別展示から見始めたのですが、画家生活をスタートした時期から、貪欲に対象の内面にまで迫る気迫をもってデッサンに励んでいたことがよくわかりました。
展示されたものはデッサンといってもみんな完成度が高く、立派な作品になっていると思います。
その後本展の会場に行きました。とにかくすごいというしかありません。圧倒的な描写力です。細密画とか写実主義などという言葉を超えて、人物画も静物画も徹底的な描写力が観るものを圧倒します。
単に細かいところまで描いているといったものではありません。
それなら写真でもいいと思います。
磯江さんの作品は、描かれている対象の表面的な形質を突き抜けて、描かれた対象そのものがたどってきたそれぞれの時間や、人物ならその人の内面の世界も併せて表現されていると言った感じです。小品も大作も同じように作者の物自体の存在への探究心が凝縮されて詰まっていて、そのオーラに圧倒されます。
スペインで画家としてのスタートを切って、現地での画壇に認められて、やがて世界的な評価を得るとともに日本での本格的な活動を始めたばかりの53歳で病死。余りにも早く、本当に残念です。
代表作「新聞の上の裸婦」(150×182)や「深い眠り」(100×182)などの裸婦像は、計算しつくされた構図と正確きわまる細密描写によって崇高な精神性と厳粛ささえ感じる大作です。
以下は会場で買い求めた絵葉書をスキャンしたものです。
「新聞の上の裸婦」(絵葉書)↓背景の新聞の記事や写真も再現されています!
「深い眠り」(絵葉書)↓
ただ作品としては静物画が主なようで、そのどれもが質感にこだわって徹底的に細部を描ききっています。例えばドライフラワーの薔薇などは、枯れた葉の葉脈や花弁の細かな襞、細い枝の表面の微細な筋まで正確に描かれています。古酒の瓶に積もった埃や古い食器の錆などもリアルに再現されています。
まさにこの展覧会のテーマである磯江自身の「物は見ようとしたときにはじめて見えてくる」という言葉どおりの作品ばかりでした。
19世紀タラベラ焼と葡萄(絵葉書)↓
静物(板の上の葡萄と4つの柘榴)(絵葉書)↓
カルバドスムーラン1920と18世紀タラベラ焼(絵葉書)↓
見終わって、日常の雑事から離れて精神が洗われる思いでした。
作品のすべてを鑑賞するために、ぜひ愛用の双眼鏡などを持参されたらいいと思います。会場でも無料で双眼鏡の貸し出しがされていますが、使い慣れないせいかよく見えなかったのが残念でした。
会場の奈良県立美術館は初めてでしたが、事前に障害者であることなどを電話で告げて駐車場などの状態をお聞きしたら、懇切丁寧に説明していただきました。当日もスタッフの皆さんにきめ細かく配慮していただき、ありがたかったです。
会場の混雑が心配でしたが、いつものとおり今回も朝早く出かけたおかげで、前半は会場にはまだ人が少なく、ゆっくりと作品を鑑賞することが出来ました。私たちが見終わって帰るころになって人の数も増えてきました。
絵葉書と本格的に編集された図録を買って、正午過ぎに会場を後にしました。
途中昼食のためにここに寄りました。
いつも奈良からの帰り道沿いに看板を見ていて気になっていたのですが、前回立ち寄ってすっかり気に入ったので、今回は迷わず車を止めました。
最初は暖簾のかかった門や立派な庭、本格的な和風の店構えでちょっと財布が心配になりましたが、心配無用でした。
小鉢セットが一番のお勧めで、1200円です。
昼にはちょうどいい分量で一つ一つおいしく見た目もきれいで楽しめました。
スタッフの方もみんな丁寧な応対で気持ちがいいです。法隆寺にも近いためか遠方からのお客さんもいて、ほぼ満席に近い盛況振りでした。
この日は、久しぶりに期待以上にすばらしい展覧会を見て、おいしい昼食も楽しめて、充実した一日になりました。
関西にお住まいの方、ぜひ特別展 磯江 毅=グスタボ・イソエをご覧ください。絶対にお勧めです。12月18日まで開催されています。
なんとかリハビリを頑張って、杖での歩行もできるようになりましたが、まだ車椅子なしでは無理です。
このため、どこに出かけるにしても、まず障害者用の設備があるかどうかのチェックを第一にするようになりました。
でも、そうした情報はほとんどインターネットで簡単に検索できるので便利ですね。
もともと彼女は宝塚をはじめ、ミュージカルなどの観劇も趣味のひとつだったのですが、今は劇場関係については、なんとか対応してくれていますので、障害者となってからも、比較的バリアは低かったですね。
あとは美術館や博物館、公園や植物園などの施設ですが、ここもよく整備されてきています。
その美術館・博物館の中で私たちが最もよく利用するのは、奈良の飛鳥にある「奈良県立万葉文化館」ですね。
自宅から車で一時間かからないし、駐車場とそこからの通路もアップダウンがなく利用しやすく、配慮の行き届いた整備がなされていて、気持ちがいいです。
四季の花が楽しめるよく手入れされた「万葉庭園」、ゆったりとした館内の展示施設、トイレを始め、障害者向けに配慮された最新の設備など、至れり尽くせりです。
館内は、地下1階に万葉集とその時代の生活や文化が丸ごと理解できるように工夫された展示があり、見応えがあります。もちろんエレベーターで移動は簡単。
日本最古の貨幣・富本銭の鋳造工房のレプリカの野外展示もあり、楽しめます。
でもなによりも、季節ごとに開催される巨匠・新進気鋭の作家織り交ぜての日本画の企画展が見応え充分です。
新しい日本画の動向についても積極的に対応して、すぐれた作品が紹介されるので、いつも新鮮な刺激があります。
会場も広く、障害者でもゆっくり心ゆくまで堪能できるのがうれしいですね。
これまでも、田中一村展や安野光雅展などお気に入りの人気のある作家の企画展が、不安定な杖歩行のオクサンでも、観客とぶつかることを心配せず贅沢に味わえたのは、他の美術館では考えられないことです。
最新の展覧会はこれでしたが、本当に良かったですね。まだやっていますので、関西在住の方はぜひご覧ください。
あと、ミュージアムショップもセンスのある品揃えでいつも立ち寄るのが楽しみです。
今後、車椅子出かけた公園や植物園なども紹介していきますので、よろしかったらご覧ください。