音信

小池純代の手帖から

日々の微々 241012

2024-10-12 | 詩歌帖

崔融『唐朝新定詩格』「十体」のうち
〔質気体〕例詩(青字)
及びその異訳77仕立て(黒字)


   霧烽黯無色 霜旗凍不翻
   雪覆白登道 冰塞黄河源

 
  霧にまぎるる色なきけむり

  霜に凍えてはためかぬ旗

  雪は覆ひぬ道といふ道

  氷は塞ぐ河のみなもと

      †

各77に575を付けてみる。異訳とは無関係な仕立てもの。

  霧にまぎるる色なきけむり

 あこがれて焦がれ死にせし狐色


  霜に凍えてはためかぬ旗

 溶かさずに通りすぎたきことばかり


  雪は覆ひぬ道といふ道

 白に白かさねて闇を深くする


  氷は塞ぐ河のみなもと

 みづうみに水やすらぐやくるしむや





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