グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

獣害を防止するためにも田を起こそう。

2014-11-02 22:50:57 | Weblog
獣害を防止するためにも田を起こそう。G

鳥獣による農作物の被害が、拡大しつづけています。農水省発表に
よる最近の具体的な被害状況の推移は・・・つぎのように。

 鳥獣による平成20年度の農作物被害

 被害金額が199億円で前年度に比べ14億円(対前年比8%)増加、
 被害面積が10万haで前年度に比べ9千ha(対前年比10%)増加、
 被害量が49万tで前年度に比べ8万4千t(対前年比21%)増加し
 ています。
 主要な獣種別の被害金額については、シカが58億円で前年度
 に比べ11億円(対前年比24%)増加、イノシシが54億円で前
 年度に比べ4億円(対前年比7%)増加、サルが15億円で前年
 度に比べ6千万円(対前年比4%)減少しています。


 鳥獣による平成21年度の農作物被害

 被害金額が 213億円で前年度に比べ14億円(対前年比7%)増加、
 被害面積が10万5千haで前年度に比べ5千ha(対前年比5%)増加、
 被害量が62万tで前年度に比べ12万9千t(対前年比26%)増加して
 います。
 主要な獣種別の被害金額については、シカが71億円で前年度
 に比べ12億円(対前年比21%)増加、イノシシが56億円で前
 年度に比べ2億円(対前年比4%)増加、サルが16億円で前年
 度に比べ1億円(対前年比7%)増加しています。


そしてこの獣害を呼び寄せているの一番の原因は、 ひこばえ に
あると、最近では いわれはじめました。

ひこばえとは、収穫後の作物の切り株や根元から生えてくる若芽
こと。とくにイネ刈り後の水田に残っている切り株から生えてくる
ヒコバエが要注意です。栽培しているお米や野菜とちがって、放置
されているひこばえなら、動物が食べてもさほど気にならない。

こういった 心のすき間に、動物達が忍び寄る のです。

ちなみに

 10ヘクタールの田んぼのヒコバエなら、
 100頭のシカを ひと月養えるほどの餌となる


というデータがあります〔1ヘクタールでは10頭・10aで1頭の割り
になりますよ〕。ひこばえの放置は、ある意味で動物の餌付けをしている
ものと考えなければなりません。

そんなひこばえが生えてくるのを防止するには、収穫後のこまめな
耕運が効果的
です。田を起すことで、株を土中にすきこみ、ひこば
えが生えてくるのを予防するわけですね。

そうすることで、動物たちが集落に近づかないようにする。

いじょう、獣害被害の多い集落では、こういった農業の基本的な作業を部
落をあげて励行することが、なによりの獣害予防方法となるというおはな
しでした。


◎ バインダーで刈られた長いままのワラの場合は、大雨などで
  田から流出すれば、排水路を詰まらせることにもなりかねません。
  水害を予防するという観点からも、田起しは重要になります。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」 




ハロウィン。 魔女の使い魔は、益虫・益獣。。

2014-11-01 11:56:23 | Weblog
ハロウィン。 魔女の使い魔は、益虫・益獣。。


中世以降、ハロウィンは怖ろしいもの・不気味なものとして扱われてき
ました。死・不死・黒魔術や神話などが元になったと思われる装飾が、
ハロウィンの時期に、各家に施されることからもわかりますよね。

古くからの登場人物としては、たとえば ゴースト・魔女・黒猫に、ゴ
ブリン・バンシーなど。さらに近代になると文学作品上の登場人物であ
るドラキュラやフランケンシュタインまで登場するという念のいれよう
もあるようでしす/笑。

なかでもハロウィンの主役・象徴とされたのが・・魔女です。

それはハロウィンに飾られる装飾のなかでの動物キャラでも分かります。
黒猫・オオカミ・コウモリ・ヘビにクモ、ヤモリにカエルといった動物
たち・・・彼らはまさに魔女の使い魔 (Familiar spirits) とされた
動物たち。
使い魔とは、魔女の手先となって悪事を働く動物などのことで、魔女は
それらの動物を使いこなすとともに、感覚を共有するとされていました
〔魔女の多くは、これらの動物を飼っていたとされています〕。

・・・しかしですね。不思議なことに気づかれませんか。

黒猫・オオカミ・コウモリ・ヘビにクモ、ヤモリにカエル・・たしかに
一般的には、不吉で不気味とされることも多い動物たちです。
しかし、ガーデナーやとくに農家ならおわかりになると思いますが、この
動物たち、じつは、みな益虫・益獣
 なんですよね。
中世の時代の農家とっては、農作物を食害する害虫や害獣を駆除してくれ
る大切なパートナーだったはずの動物たちなんです。

なぜに、 虫害やネズミ害から畑を守ってくれたはずのこれら益獣たち
が、農業も盛んに行われていたであろうヨーロッパにおいて悪者あつかい
されてこなければならなかったのか。その点についての興味は尽きません。


◎ 魔女狩りと併行して猫狩りがおこなわれたこともあったとか・・・。
  しかしです。もし猫がいなかったら、まずは穀物を食い荒らす
  ネズミ〔そしてそのネズミが媒介するペストも〕が、さぞや大喜び
  したことでしょうね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染