韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

韓国ドラマ、IT・デジタルなこと、AIなどと並んで哲学に関する事柄や、よろずこの世界の出来事について書き綴ります

病院の待合室と情報セキュリティ

2006-01-22 05:00:00 | 情報セキュリティ
 ある日、病院の待合室でのことです。私の隣に座っていた男性が呼ばれ、診察室に入っていきました。これだけなら、なんと言うこともない日常の光景です。

 しかし、その男性はコートとマフラーを椅子の上に置き、足下の仕事の書類が入っているとおぼしき鞄をそのままにして診察室に入っていきました。数分後、その男性は診察を終えて戻ってきました。これだけなら、特に問題はないと思われる方もいるかもしれませんが、私はその男性の用心深さのなさに飛び上がらんばかりに驚いてしまいました。

 これだけ物騒な世の中、銀行のATMでは隠しカメラまで仕掛けられてカード情報を何とか盗もうとする輩がはびこっている世の中に、たった数分といえ、患者でごった返している病院の待合室に所持品一式をおいたままその場を離れるという行為は、私にはセキュリティ意識がゼロと感じられました。

 貴重品の財布や定期入れはスーツのポケットに入っているから、安心して鞄をおきっぱなしにしたのかもしれません。また、その日は、その鞄の中身は空だったのかもしれません。

 しかし、いつでも鞄の中身が空とは限らず、大切な書類やPCなどの情報機器を入れている日もあるかもしれません。また、出かける場所も、いつも通っている病院の待合室だけではなく時には出張や旅行で駅や空港にその鞄を持ってでかけるかもしれません。そんなときに、一瞬でも鞄を待合いのベンチ等に置きっぱなしにすれば盗んでくださいと言っているようなもので、不用心この上ありません。

 一番の問題は、その人がそのようにして鞄やその他の所持品を安全の確認もなしに置き去りにする、その習慣です。その人はおそらく日常そのような自分の行動に何の疑問も抱かず、生活しているに違いありません。その習慣が命取りなのです。

 ちょっと油断したすきに鞄を置き引きしたり、乗り物の中に置き忘れてその中に入っているPCや情報機器を盗まれることは珍しくありませんが、意外と、盗まれる人の無意識の行動が盗まれという行為を誘因しているのかもしれないことが、上記の男性の行動からわかります。

 盗む人間が一番悪い、また、ちょっとしたうっかりミスということですまされがちな情報機器の紛失、盗難ですが、そのような被害に遭う本人のものの考え方、生活習慣、癖などが大きく影響していることは間違いないと、私は確信しています。

 ちょっとしたことですが、しっかりとしたセキュリティ意識を持つことがこれから私たちに求められていることだと思います。

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