民主党の永田寿康議員が16日の衆院予算委員会で、元ライブドア社長の堀江氏が昨年の衆院選出馬の際、自民党の武部幹事長の二男に対し、3000万円を振り込むよう指示していたと指摘した一件ですが、指示の道具に使われたメールの真贋が大きな問題になっています。
実際のところ、メールのプリントアウトなどというものは、テキストエディタさえあればいくらでも作れてしまうものです。そのプリントアウトを示しただけでは、その「メール」に書かれていることがらが事実であるということを証明できるわけもなく、言い出しっぺで指摘した永田議員がはっきりとしたその他の証拠を示さないこともあって、この問題は紛糾する様相を呈しています。
出所はフリーの記者ということですが、信憑性をそのメールのプリントアウトに持たせたいのなら、もう少し信じられそうな出典であると言えばいいのになと、第三者ながら思うのは私だけでしょうか。
示すのは、黒塗りがあちこちにあるメールのプリントアウトだけで事実を証明するためのその他の証拠を一切示さないこのようなやり方は、永田議員の信用を逆に落としているように思えて仕方がありません。
この一件は電子媒体を証拠とすることの難しさを示しています。コピーとオリジナルの区別が存在しないことが電子媒体に記録されたデジタルデータの大きな特徴です。
その特徴が今回の疑惑の提起にプラスとなるかマイナスとなるか今のところわかりませんが、永田議員はもっと誰でもが納得できる、リアルな世界での証拠を提示すべきだということだけは間違いありません。
もし、このメールが実在のものとして、どこから流出したのかその漏洩元がはっきりしないことには、このメールは証拠としては信用されないと思います。それが明らかになると漏洩元の人物に危険が及ぶというのなら、そもそもこのメールを直接持ち出しての事実の指摘はすべきではなかったと思います。
どこからか漏洩したデジタル情報が、大事件の証拠として示される。今回のライブドア事件をより一層複雑にしてしまったことだけは確かなようです。
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