なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

喜劇・悲劇・狂気

2010-06-29 00:43:26 | Weblog
 今日は複雑な思いで観戦した対局があります。
  白のN氏は私の定先くらいの点数・・・但し対局する時は一筋縄ではいかない。
 黒氏は・・・不思議・・・(仮に)黒のM氏は私と互い先くらいだった筈なのが、いつの間にかN氏に先になっている。
 もしその点数で私が対局するとなると2子あるいは3子で、これは『勘弁してくれ』です。
 
 見始めたのが5手目辺りの序盤から。
  ここで突然の光景に遭遇したのです。
 局面は、出だしは全くありふれた定石形で、白からのツケ・オサエに黒が反発して切り違い作戦に出たところで、見慣れた光景ではある。
 白は定石通りアテ・黒ノビ・白ヒキと黒を抑え込むかあるいは切り違えた黒石をシチョウで取るかのどちらかという形で、どういう結果になるかは黒の選択権と見ていたのですが・・・
 黒は先ず隅の地を確保する選択、従って白は外の黒石をシチョウで取る分かれ・・・の、はずがとんでもない事件発生。
 何と!シチョウで取られる形の黒石が逃げた!
  「一つ逃げた」・・・死んでいる石を一つ増やして中の地を強化する?作戦?。
 イヤ、それなら逃げる必要はない。
  白のN氏は当然シチョウ形ですから3と当てて緩まずに追う。
 黒氏何を考えているのか4と逃げる・・・
  この辺りは誰が見ても黒はシチョウで取られる運命にあるわけで、「大大勘違い」と言う場面。
 これだけ逃げたら、仮に有効なシチョウアタリがあったとしても、ほぼ「論外」。
  しかも序盤早々に一局を左右するようなシチョウアタリがあるわけがない。
 
 黒氏が逃げて行く先には隅の星に白石が控えているし、仮にここに何も無くても黒は救われることは無い・・・と言う事は黒氏は逃げながらシチョウ辺りの一の白石を自分の石だと錯覚したとしか考えられない。
 もしかしたら、普段白石で打つ機会が多いと、たまの黒番の時に黒石を打ちながらも盤上の白石を自分の石と錯覚するのかも知れない。

 もし、そういう事が起こるのなら、本人には悪いけれどマア、喜劇と言う事に。
  しかし逃げる石が5個。6個と増えて行くと・・・「なんだ!これは?」状態。
 お芝居に例えるなら喜劇が悲劇に変わっていきます。
  結局11個の石がシチョウで逃げ切れない場面で黒投了。
 11個の石がシチョウで取られたのでは無い・・・10回逃げ取られ石が11個になった。
  これは悲劇を通り越して狂気のの世界?
 いや、人の碁を「狂気」にしてしまう自分が恐ろしい。