土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

落としワナ

2009-04-04 07:11:00 | 狩猟とナイフ
私が使っているワナを紹介しましょう。

 〈狩猟〉
 イノシシやシカを獲る方法として大別すると鉄砲とワナ猟があります。犬だけで獲物を狩る猟は現在では禁止されています。ですが、誰でも狩猟ができるわけではありません。狩猟免許が必要です。免許制と猟期の設定により、密猟の防止や野生動物の保護などを目的としているようです。

 狩猟免許の種類
●網猟免許 - 網
●わな猟免許 - わな
●第一種銃猟免許(旧乙種) - 銃器(空気銃及び圧縮ガス銃を含む)
●第二種銃猟免許(旧丙種) - 空気銃及び圧縮ガス銃
 以上の4種類の免許があります。

私は職業である農業への被害をくい止めようとイノシシ駆逐をやってやろうと狩猟を始めた訳です。そこで比較的簡単に取得できる「わな」の免許を取りました。免許が取りやすいだけではなくワナ猟だと単独でできることが魅力です。現在では農業被害対策で害獣駆除を奨励するためワナ猟の免許はできるだけ簡単にとれるように行政側が配慮しているようです。

イノシシ被害をくい止める効果は「捕まえる」というのが正解です。最も有効でした。「薮に石を投げ込むとイノシシに当たらあよ」と冗談をいうほどいて、ものすごい被害にあっていたのですが、いまや被害は激減しました。

ワナ猟の方法にも色々とあるのですがその中に「くくり」と呼ばれるワイヤーなどを使って獲物の身体を括って捕まえる仕掛けがあります。その「くくり」にもいくつもの種類・方法があるのですが、ワイヤーだけで獲物を捕る方法とバネなどを使う方法が主なやり方でしょう。私は金属製のバネを使ったワナを使っています。

ちなみに、ワナに使うバネですがこれは素人には作ることが出来ません。バネ製造の業者やワナをつくって売っている業者などから入手するわけですが其の価格もバネのみで数千円から猟具一式で2万円以上するものと大きな幅があります。私は好みのバネを設計し業者に頼んで作ってもらい、ワイヤーとカシメ材などを購入し道具は自作しています。

バネを使うククリ以外に「突っ込み」というワイヤーだけでイノシシなどを括るワナがあります。これはイノシシなどのハシリ(通り道)にワイヤーのワッカを仕掛けておきイノシシ等が首を突っ込んだり身体を突っ込むとワイヤーが締まって獲物を括って捕まえるという仕掛けです。

私のワナは2タイプです。一つはイノシシのハシリにバネにとりつけたワイヤーを置いてケヤマ(センサー)を張り、イノシシがケヤマに触るとバネが弾きイノシシの足を括るというものと、同じようにハシリに穴をほりイノシシが踏み込むとセンサーが働いてバネが弾いて足を括るというものです。こうしたバネを使うワナは道具や仕掛け方に沢山の種類があります。私は出来るだけ経費をかけず、簡単に設置でき、その上よく獲物が捕れるワナを絶えず追求しています。

〈長野式落とし穴〉

画像:ハシリに塩ビパイプがすっぽり埋まる穴を掘り、其のわきに置いた塩ビパイプ。

私の落とし穴タイプのワナは塩ビパイプを使うもの、ただの穴だけ掘ったものの2とおりです。塩ビパイプのものは画像のように金網を番線の枠にとりつけて中蓋にし其の下に引き金の役割を果たすステンの針金が張ってあります。穴だけのものは竹(孟宗竹・マダケ)を割り箸大に割ったもので穴の蓋をして其の下にやはり引き金の役割を果たすステンの針金が張ってあります。イノシシが穴の蓋を踏むと引き金が引かれてバネが弾くという仕掛けです。


画像:掘った穴にパイプを仕込んだ所です。地面から2センチほど深くまで埋め込みます。

穴が完成しました。足括りのワイヤーはこの穴のサイズよりもひと周り大きく(穴・パイプより1~3センチほど広く)設置します。それから引き金をセットし、あとは土・落ち葉などでカモフラージュするのですが、蓋が隙間だらけなので土が落ちて穴をふさいではいけません。そこで蓋に紙等を使い目隠しをします。


画像:雑誌を破り取って目隠しをしました。


画像:カモフラージュしました。完成です。

あとは獲物がかかるのを待つだけ。しかし、じっと待っている訳ではありません。ワナを設置すると見回りが必要です。毎日、ワナを仕掛けた山々を上へ下へ谷を越え尾根を越え見回ります。わくわくしながら回っていくのですが最近は体力の衰えを痛感することが多くなりました。

思考はそれほど老いたとは思いませんが、身体のほうが思いどうりには動いてくれなくなってきました。谷を渡っていて、思わず足をすべらせたときなどそれほど危機を感じないまま「あれ?」、足が思うように出せずにドキッとしたりするのです。

ワナの設置で気を使うのは、いかにヒトの気配を残さないでワナを完成させるか、です。私の相棒はそのためにタバコを止めました。彼らの臭覚はすごいらしく臭いを残さない工夫を色々としています。私は手袋をはめる。表土の下の土はビニール袋に納めてワナの設置後遠くへ持っていって捨てる。周りの立ち木にあまり寄りかからない。汗をつけない。ワナを設置する時膝をつかない。などなど。
私はやりませんがワナに使うワイヤーの油抜きをし、ピカピカ光るのでヤマモモの葉と一緒に長時間煮込んで枯葉色に染める人もいます。

獲物がかかるのは「運」それとも「腕前」?
運が良いとか悪いとか人は時々口にするけど。まあ、私も口にはしますが、それほど運を信じてはおりません。