福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

インバル&都響のマーラー8番

2014-03-09 20:05:40 | コンサート
福島章恭HP http://www.akiyasuf.com



帰宅して、食事をしたら、ぐったり疲れが出て、このまま床に就きたい気持ちなのだが、
チケット獲得までにあれだけ大騒ぎして、肝心のコンサートの感想もないではお叱りを受けそうなので、覚え書き程度には残しておこう。

我が座席は、1階席センター14列目24番、即ちセンター・ブロックの一番右の通路寄りであった。
視界はまことに良好。
インバル、コンマスのみならず、ステージ上のほぼ全てが視界に収まり、視覚的なストレスはない。
ただ、事前に危惧したとおり、音はいまひとつ。
特に、弦楽器の音が頭の遙か上をを通過していって、熱演の割に聴こえてこないのが難点。
音のバランスだけを言えば、会場のモニターから聞こえてきたGPの方が良かったくらい。
従って、もし、2階の良席で聴けていたなら、以下の感想も違うものとなっていたかも知れないことを、予め、お断りしておく。



まず、演奏全体を眺めたとき、素晴らしいパフォーマンスであったことは疑いない。
インバルの優れた構成力によって、長大なマーラー「8番」の造型が気持ちよく見通すことができた。
ただの熱演ではない、知に裏付けられていたことを賞賛したい。

個人的には、もっとカンタービレの欲しいところ、もっと官能的であって欲しい場面もあったが、縦の線をしっかりと明示し、グイグイと音楽を推進させる力は非凡であったと思う。
第2部に入ると、弦も鳴りがよくなってきて、第1部よりもオーケストラの訴える力の強まったのを感じた。
冒頭の山峡の自然、その密度の濃いサウンドは今も耳に残る。
そして、なんと言っても、ラストの「神秘のコーラス」の美しさから大団円に至る迫力は申し分なし。
第1部ラストで遅れまくってしまった客席後方に陣取るバンダも、第2部では見事に修正してきた。

賞賛すべきは晋友会合唱団。
なんと全曲を暗譜で臨んだ!
その心意気に拍手。
歌いこなすだけでも大変なこの作品を、憶えた上に、余裕を持って、破綻のない音程とアンサンブルで歌いきった力量には感服する。
関屋先生亡き後のこのコーラスを聴くのは初めてであったが、若い団員も少なくなく、高いレベルを保ちつづけているのは素晴らしい。
さらに深い発声、さらにドイツ語的な発音も求められるかも知れないが、それはかなり高い次元でのお話。
また、東京少年少女合唱隊も素晴らしく訓練されており、その清澄な歌声が作品に相応しかった。

独唱陣で光っていたのは、テノールの福井敬。
その声は輝きに満ち、マリアを崇める博士では音楽を高みに引き上げる力を備えていた。
一方、バリトンの歌う恍惚の神父は、数小節のフライングをした上、その動揺を引き摺ってしまったのか、歌い始めても走りっぱなしでアンサンブルを乱していた。
つづく、バスの深淵の神父も力不足か・・・。
女声陣については、取り敢えず、今日は、書くのを控えることにしよう。

繰り返すが、もっと音に打ちのめされるような良い座席で聴いていれば、印象は違っていただろう。
みなとみらい大ホールにも、サントリーホールのような天井から吊り下げる反響板が欲しい。
もしかしたら、オルガンの見栄えを考慮して、敢えて付けていないのかも知れないが・・・。
遠い音響ゆえに、ついつい、冷静、かつ客観的に聴いてしまったわけだが、それでも、大きな感銘を受けたには違いないし、
今後の自分の音楽活動へのヒントも与えられたわけで、十年に一度の早起きも無駄ではなかった。
とにかく、今は満ち足りた気分でいる。



追記
ところで、16日のマーラー9番は、3階センター席。
自分としては初めての3階席。
今日より、音響の良いことを祈るばかり。




無事にチケット獲得!

2014-03-09 14:21:38 | コンサート


念願のチケット獲得!

一番乗りゆえに選び放題でしたが、残念ながら二階に良席なく、一階席中央となりました。もう少し後ろの席の方が音は良かったかもしれませんが、通路側の気楽さを選んだ次第!

まあ、一度は諦めたコンサートですから、贅沢は言えません。十分です。

しかも、定価で!!

買えた席は30席前後かな。
10時頃に並んでも一番。12時に来ても、かなり良い席を選べましたが、それは結果論。
これまで、タッチの差で大魚を逃した苦い経験が多数ですから、後悔はしたくなかったのです。

いまは珈琲とともに、一休み。

コンサートの感想は後ほど。

あとひと頑張り!

2014-03-09 13:13:14 | コンサート


12時半には、会場の受付前まで通して頂きました。天井のモニターからは、崇高なる第二部のゲネプロが!

かつてのインバルのCDから予測していたよりも、ゆったりした巨匠のテンポ。オケもコーラスも素晴らしいパフォーマンス。神秘のコーラスの終ったとき、朝からここに並んだことの間違いではなかったことを確信!

ただし、到着が4時間早過ぎたけれど。

さあ、どんな座席が取れるやら。

ようやく現れた後続者

2014-03-09 10:59:48 | コンサート
みなとみらいホール前。

午前11時現在、ようやく後続者の男性お二人が並んでいます。さっきまで、女性とお子さんの三人組がいたのですが、一旦消えてます。余裕ありとみて、お茶でも飲んでるのでしょうか?

並んだ男性によれば、関係者席と見切り席の計30枚ほどを売り出すとのこと。

関係者席に期待!

大幅加筆 ミクローシュ・ペレーニ・リサイタル2日目

2014-03-09 08:09:43 | コンサート


念願のペレーニ・リサイタルを聴いた! 素晴らしかった。

ペレーニは、樹齢千年を越す巨樹が、その枝や葉を風に揺らすように演奏する。

ペレーニは、もはや楽器を演奏していない。楽器とひとつとなり、自らの肉体の一部を奏でているようだ。

バッハ無伴奏に於ける、融通無碍の境地。メヌエットのトリオでの心の安らぎ。

自作では時空を旅し、リゲティでは超絶技巧の難曲を古典のように親しげに語る。

後半は、息子ベンジャミンのピアノとともに。しかし、20代前半の息子は、巨匠との格差がありすぎたか・・。

シューベルトのアルペジオーネ・ソナタで、ベンジャミンのピアノは叙情に傾きすぎ、リズムも弾まず、目眩く転調の妙を伝えない。1×1はおろか、1+1にも至らないのは残念。小沢さちさんとの共演なら、もっと良かったのに、などと、無い物ねだりをしたりして・・・。

つづくコダーイのソナタは、私には耳新しい作品で、ピアノとの格差は別に、感動した。もっと民謡的、民俗音楽的な作品かと予測していたら、意外にもドビュッシーへの親しみを感じさせ聴かせた。

ドビュッシーといえば、アンコールはコチシュ編曲による「小組曲」からのメヌエット。これも聴きながら溜め息しかでない。

14日フィリアホールでの、ドビュッシーのソナタを聴きたいと思わせたが、それは東京ジングフェライン稽古のため叶わず。

もし、行ける方があれば、自信をもってお勧めします。





祝! 一番乗り。

2014-03-09 07:10:19 | コンサート




やっぱり早過ぎたか(笑)。

3,000円で落札のレコードに50,000円入札したような気持ち。

開演7時間45分前。
誰も居ない。みなとみらいホール入口。

あと何時間、孤独でいるかはともかく、インバル&都響のマーラー8を聴けることは確実となった。

さあ、持参した甘酒でひとり乾杯。栄養補給だ。


揺れる心(笑)

2014-03-09 06:51:27 | コンサート
そもそも、当日券ありの情報を知る人は、昨日の会場を訪れた人のほか、どれくらい居るのか?

いの一番に並んたとして、次の客が来るのは何時かな?

学生時代、プレイガイドに徹夜してチケット取った経験から、つい早く並んでしまうんだな。

とかいって、07:00に行ったら、先客が居たりして。

クイーンズスクエアのオープンまで、あと5分。

早過ぎたか(笑)

2014-03-09 06:17:43 | コンサート


勇んでみなとみらい駅に降り立つも、なんとクイーンズスクエア横浜がまだ開いてない! 下調べしなかったのは迂闊だった。



慌てて外へ回ると、07:00オープンであることが分かる。取り敢えず、徹夜組は居ないようだ。


えらく冷え込んでる。どこかで寒さをしのがなくては。ということで、向かうはインターコンチネンタルホテルのロビー。当然ながら、まだ、喫茶、朝食も開いていない。

真っ赤なウインドブレーカーに、キャンプ用の紫色の椅子を担ぐ姿が、受付の不審を呼ぶが気にしないことにしよう。



それにしても、インターコンチのロビー、快適すぎる。このまま、お昼頃まで寛ぎたいくらい・・・。

4時半起床でみなとみらいへ

2014-03-09 04:55:49 | コンサート
さて、インバル&都響のマーラー8番、みなとみらい公演の当日券が「若干枚」出る! との情報があり、4時半起床。昨夜はなんと10時半に就寝しての決死の覚悟で臨む。
始発こそ逃したが、6時頃にはみなとみらいに到着予定。それでも発売の14:00まで8時間もある! 折り畳み椅子と本を持参しなくては。

意味もなく早すぎるのか?
並ぶ場所はあるのか?
先客がいるのか?

全く見当もつかないが、出掛けてみよう。