ナイジェル・ケネディのヴァイオリン独奏&指揮 イギリス室内オーケストラによるヴィヴァルディ「四季」がアナログ盤で出ていたのを見つけ、すかさず入手。
1989年にCDが発売されるや全世界で200万枚を超すセールスを記録したという恐るべきレコーディングである。
そのパンクな髪型そのまま、まるでロックスターのように演奏する、という評を聞いた憶えもあるが、白紙の心で聴いたところ、おおいに感銘を受けた。
確かに、自由奔放な即興性に驚かされる場面もあるけれど、技巧は確かで音楽には確固とした芯がある。決して耳を驚かせるだけの小手先の曲とはなっていない。
共演のイギリス室内オーケストラのアンサンブルも本物で美しい。
これだけ、聴き慣れたヴィヴァルディの音楽をかくも新鮮に聴かせるケネディの力量には感服した次第。新録音にも興味があるし、実演も聴いてみたいところだ。
なお、この録音は、アナログ盤としても相当に売れた模様で、オークションなどで容易に入手することができる。
ただ、それらが1989年ドイツ・プレスとあるのに対し、わたしのたまたま手にした盤は1997年(EMI100年)、UKプレスと表記されている。盤にも厚みがあり重量盤のような気がする。
両者にどれほど音質の違いがあるのかは、今は何とも言えない。