先頃、エフエム東京(キングインターナショナル)をからリリースされたばかりのピエール・フルニエのバッハ「無伴奏組曲全曲」アナログ盤を聴いた。
1972年3月2日&4日、虎ノ門ホールに於けるライヴ収録。
レコード番号 TFMCLP 1011/3 3LP STEREO
すでに、2001年に国内盤CDとして世に出ていた録音。放送局音源だけにCDの音も良かったが、このたびのアナログ化で、この演奏の真価が一層明らかにされたと思う。
ヴェールが1枚も2枚も剥がされたように音が生々しくなり、フルニエの息遣いがより克明に感じられるのだ。結果、CDでは気になることもあった技術的な瑕疵(特に「第6番」)もさほど気にならなくなった。より実演の感動に近づいたということだろう。素敵なことだ。
この演奏については、拙著「バッハをCDで究める」にも採り上げたが、アナログ盤の出現により、評価を一段格上げせねばなるまい。
限定350組プレスとのこと。
入手を迷われている方にも、お勧めしておきたい。
なお、フルニエには、このほかに3種の無伴奏の録音が遺されているが、そのうちレコードとなった2種のスタジオ録音盤のジャケット写真を掲載しておこう。
1959年録音の放送録音盤(仏Accord CD)もどこかにあるはずなのだが、行方不明で撮影できず・・・。
録音 1960年
独ARCHIVE 198186/8 3LP STEREO
録音 1976、77年
日PHILIPS 25PC166/8 3LP STEREO