「本屋さんで待ちあわせ」 その9 三浦 しをん 大和書房 2012年
『ミッキーかしまし』西 加奈子・著(筑摩書房) P-75
泥酔!蛾と格闘!猫にかしづく!大阪の濃ゆいおっちゃんから(頼んでもないのに)モテモテ!泥酔泥酔また泥酔!
テヘラン生まれの作家が繰り広げる、愉快な毎日が綴られたエッセイ。とにかく笑える。とんがってはいるが、嫌味がない。忘れちゃいけないのは、笑いの合間に細やかな抒情がひそんでいることだ。
「いいエッセイ」の条件は、「著者の体験や生活臭や考えがページから迫ってきて、『この人は私のためだけに書いてくれている』と読者に感じさせるもの」ではないかと、個人的には思う。本書はまさに、その条件を満たしている。
だれもが自分はまっとうだと思っているが、実は世の中にまっとうなひとなど一人もいないのだなと、深く感得した。まっとうじゃなくても、まあいいか、他人にあまり迷惑をかけぬ範囲で、楽しく自由に生きていけば!そんなはた迷惑な前向きさが、読むとむくむく湧いてくる。
『ミッキーかしまし』西 加奈子・著(筑摩書房) P-75
泥酔!蛾と格闘!猫にかしづく!大阪の濃ゆいおっちゃんから(頼んでもないのに)モテモテ!泥酔泥酔また泥酔!
テヘラン生まれの作家が繰り広げる、愉快な毎日が綴られたエッセイ。とにかく笑える。とんがってはいるが、嫌味がない。忘れちゃいけないのは、笑いの合間に細やかな抒情がひそんでいることだ。
「いいエッセイ」の条件は、「著者の体験や生活臭や考えがページから迫ってきて、『この人は私のためだけに書いてくれている』と読者に感じさせるもの」ではないかと、個人的には思う。本書はまさに、その条件を満たしている。
だれもが自分はまっとうだと思っているが、実は世の中にまっとうなひとなど一人もいないのだなと、深く感得した。まっとうじゃなくても、まあいいか、他人にあまり迷惑をかけぬ範囲で、楽しく自由に生きていけば!そんなはた迷惑な前向きさが、読むとむくむく湧いてくる。