「日本語の学校」 声に出して読む<言葉の豊かさ> 鴨下 信一 著 平凡社新書 2009年
「樋口一葉「たけくらべ」の朗読について」
「たけくらべ」の息継ぎはだいたい読点「、」でやればよろしい。
読点と読点の間は原則一息で読みます。
この一息を音楽の一小節と考えます。
よく見ると、同じ一小節に字の数(音の数)が多いのと少ないのとがある。
「平生(つね)の美登利ならば、信如が難儀の体(てい)を指さして、
あれあれあの意気地なしと笑うて笑うて笑い抜いて、言ひたいままの悪(にく)たれ口」
音の数は「9・16・26・13」です。
一小節をほぼ同じ時間で読むとすれば、音数の多い小節は速く、少ない小節は遅く読む。
まあ厳密に音数に比例して速度を上げ下げすることはないのですが、
それでもこの文章が(普通・やや速く・速く・速くなったスピードを抑えて)
読むように構成されているのがわかるはずです。
そしてこれは美登利の心理(高まって興奮してゆく気分)と、とてもよくリンクしている。
俳句の5・7・5も、まん中の7の部分が少し速くなる。
これでリズムがつくのです。
和歌の5・7・5・7・7も同じ。
よく「たけくらべ」を全部平均したスピードで(一見丁寧な読みに聞こえるのですが)
読む人がいます。
それは一葉の持つ(内的リズム)を無視した読みです。
そういう人は音数が多いところでは息が続かなくなって、途中で勝手に切ったりする。
よくありません。
本来、カギカッコ(「 」)に入るべき会話の部分が「地の文」と同じように書かれているのも
文語文の特色ですが、「たけくらべ」のような文章では、会話とか台詞の調子でなく、
地の文のリズムに合わせた調子で読みます。
少しリアルに会話の調子が入ってもいいのですが、まるっきり会話の口調では感心出来ません。
「樋口一葉「たけくらべ」の朗読について」
「たけくらべ」の息継ぎはだいたい読点「、」でやればよろしい。
読点と読点の間は原則一息で読みます。
この一息を音楽の一小節と考えます。
よく見ると、同じ一小節に字の数(音の数)が多いのと少ないのとがある。
「平生(つね)の美登利ならば、信如が難儀の体(てい)を指さして、
あれあれあの意気地なしと笑うて笑うて笑い抜いて、言ひたいままの悪(にく)たれ口」
音の数は「9・16・26・13」です。
一小節をほぼ同じ時間で読むとすれば、音数の多い小節は速く、少ない小節は遅く読む。
まあ厳密に音数に比例して速度を上げ下げすることはないのですが、
それでもこの文章が(普通・やや速く・速く・速くなったスピードを抑えて)
読むように構成されているのがわかるはずです。
そしてこれは美登利の心理(高まって興奮してゆく気分)と、とてもよくリンクしている。
俳句の5・7・5も、まん中の7の部分が少し速くなる。
これでリズムがつくのです。
和歌の5・7・5・7・7も同じ。
よく「たけくらべ」を全部平均したスピードで(一見丁寧な読みに聞こえるのですが)
読む人がいます。
それは一葉の持つ(内的リズム)を無視した読みです。
そういう人は音数が多いところでは息が続かなくなって、途中で勝手に切ったりする。
よくありません。
本来、カギカッコ(「 」)に入るべき会話の部分が「地の文」と同じように書かれているのも
文語文の特色ですが、「たけくらべ」のような文章では、会話とか台詞の調子でなく、
地の文のリズムに合わせた調子で読みます。
少しリアルに会話の調子が入ってもいいのですが、まるっきり会話の口調では感心出来ません。
もう書き物が終わるまで、気が休まらなかったです。
「たけくらべ」の文章ってリズムがいいですよね。
一葉の初期作品は、ここまで文体に気持ちが乗っていなかった気がします。
目の付け所はいいけれど、少し硬くて重いというか。
それに比べて「たけくらべ」は軽やかで、子ども達の声が聞こえてくる感じがします。
音の数とか、考えたことがなかったのですが、この作品をしっかり読み込んで解釈いれば、
自然と美登里の気持ちの高ぶりが、朗読についてくる気がします。
一葉の授業をしてくださった先生は、読むのがとても上手でした。
しっかり読み込んでいたからだと思います。
読みがそのまま、解釈になるので、読み込めば読み込むほど、自然と美しく読めるようになると思います。
なんだか忘れていたことを、いろいろ思い出しましたよ。
akiraさんに感謝です!
akiraさんに感謝です!
それはよかった(笑)
樋口一葉も現代語訳が出ているんですね。
もう今の人は原文で読めなくなっているのかな。
源氏物語と同じように古典になっているのかな。
そういう私も原文で読むのはきついです。
わからない言葉が出てきた時、辞書を調べる気力がなくなりました。
ネットで調べる習慣がついてしまったから、辞書も処分しちゃったし。
井上ひさしが、辞書を持たずに文を書くのは、
料理人が包丁を持たずに調理するようなもの、と言ってた。
それを知って辞書を買おうかなと思ってるけど。
文章を音楽にたとえて、読点と読点の間を、文字の数に関係なく、
メトロノームの振り子のように、同じリズムで読む、
というのは、読んだ瞬間ハッとしました。
そんなバカなという気持ちと、なるほどという気持ち。
語りが単調になるのは、話す速さに変化がないからかな、
って、思っていたこともあったし、
音楽にアゴーギクだか、速さを変化させる記号があることだし。
試してみようと思っています。
横や下に注釈が載っている全集などが読みやすいですよ。
全集で読みやすいのは、小学館から出ているもの(会話文にかぎカッコがついている)や、
10年くらい前に、新日本古典文学大系明治編というシリーズで『樋口一葉集』が出ています。
一葉は現代語訳が出ていますが、あれは原文の方が断然いいので、
原文の横に現代語訳が載っているものが読みやすいと思います。
一葉の全集だと、少し古いですが、小学館から出ているものが読みやすいです。
会話文に鍵カッコがついていますし、あらすじもわかりやすいです。
あとは現代語訳をだいたい頭に入れてから、原文を読んでみるとか。
なんとなく書いてあることがわかると、原文に書いてあることがだいたい予測できます。
akiraさんは辞書を買うなら、どんな辞書を買う予定ですか?
もし買う場合は、図書館でいくつか引き比べてから買うといいですよ!
あとは凡例を読んでみたり・・・辞書によって意味の載せ方なども違うんですよ。
紙の辞書は場所をとりますが、線を引いたり書き込みができるところがいいです。
ネット検索や電子辞書だと、引いても印象に残りにくいですが、紙だと印象に残りやすいです。
英語の辞書なども、未だに学生時代に使っていたものを使っていますよ。
電子辞書も使っていましたが、やっぱり紙が使いやすくて・・・
めぼしいものは全部借ります。
それで、ほんとに気に入った本は買うようにしています。
ただ、古い本とか高い本は買わないですね。
買うのは文庫本、新書が多いです。
この前、図書館で借りて、エッセイを書くのに参考になったので、
買った「井上ひさしの作文教室」新潮文庫 2002年。
この中に、
「字引は自分のそばに置いておく。
辞書なしに「俺は文章を書くぞ」というのは車がないのに
「運転するぞ」とほとんど同じこと」
という章があって、おすすめの辞書としてあげてるのが、
「角川必携国語辞典」大野 晋 1995年。
「うとうと」と「うつらうつら」の違いが書いてあるとか。
これが、買うとすれば第一候補だけど、
老眼なので字が大きくなくちゃダメというのがつらいです。
本当にほしいのは、日本国語大辞典(小学館)なのですが、場所をとりすぎるので、電子辞書とかでないと厳しいです。
けれどやっぱり紙がいい!!
紙となると、語彙数が減ってしまうので、どれがいいか悩み、結局買わないで様子を見ていました。
(息子に買った辞書を使っていました)
角川は古語辞典でお世話になったので(『角川古語大辞典』などはとてもいい辞書です)、角川ならいいかもな~と思いました。書店でチェックしてみます。
akiraさんのコメントを読んで、そういえば年配の先生方は、老眼対策はどうしているのかなって思いました。
ルーペとか使っているのかしら・・・
先生方は、文庫本とかも結構こまめに読んでいたので、あまり気にしていなかったのですが。
大きな字の辞書があってもいいですね。
分厚くなるかもしれませんが、弱視の方とかにも対応していると、辞書が引きやすくなる気がします。
紙で引いた時の「この辺に載っている」という感覚、視界に似たような言葉が入ってくることや、辞書の厚みなど、ああいった経験が若い人に少ないことは残念でなりません。
今はとっていませんが、ニュースも新聞の方が好きです。
見出しの大きさや位置でニュースの重要性がわかるのもわかりやすく面白いです。
さて、おはなしの練習を始めますか!
もう辞書を引く感覚も忘れていました。
でも、井上ひさしの「包丁を持っていない料理人」を聞いて、
やっぱり辞書は必要なんだと再認識したわけです。
言葉を調べるんじゃなく、言葉の使い方を調べる、という意味でね。
辞書といえば、「舟を編む」という映画はご存知ですか。
国語辞書を編纂する人たちを描いた作品です。
最近の映画で、私は一ヶ月くらい前に観ました。
私はもうすっかり老眼で、本を読むときは老眼鏡が欠かせません。
たまにルーペの助けも借ります。
不便だけど、だいぶ慣れたかな。
図書館で借りるのに単行本と文庫本があれば、
文庫本を借りるようになりました。
活字もずいぶん大きくなってきているし、
なにより軽いのがいいです。
もし気に入ったら、買うのも安いし。
>大きな字の辞書があってもいいですね。
たぶん無理でしょうね。
どれだけ分厚くなるか、冊数になるか。
大型活字本というのがあって、(図書館でしか見たことない)
老眼になりかけの頃は、ずいぶん借りたけど、冊数が少ないのと、
それさえメガネなしではきつくなってやめました。