「99%」は、なぜ負け続けるのか, 2013/7/6
By 歯職人
「アラブの春」「オキュパイ運動」等、散発的・分散的に、テレビ報道は続く。
本書は、「規制改革」、グローバリズムの名で進むアメリカ化の行く末を、アメリカの「99%」が向き合う農業・食糧、金融、公共等の各分野の現場から、堤未果氏がレポートする一冊です。
現存する国家観とその仕組みでは、統治しきれない巨大化・組織化した資本の行動と「99%」の亀裂。堤未果氏が提起する「企業はモラルより損得で動かせ」が、本書で語られる唯一の希望と言ったところか。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4004314305/ref=cm_cr_mts_prod_img
岩波新書
(株)貧困大国アメリカ
堤未果
価格 \798(税込)
岩波書店(2013/06発売)
サイズ 新書判/ページ数 278p/高さ 18cm
ISBN 9784004314301
NDC分類 368.2
TPPは、始まりに過ぎなかった……
日本の近未来を予測する、大好評シリーズいよいよ完結編
■著者からのメッセージ
新自由主義を進めたブッシュ政権,監視体制を強化したオバマ政権に続き,今回の完結編で取り上げたのは,「1%層」が合法的に統治権を手にし,株式会社化した新国家アメリカの姿です.この数十年で完成された驚愕の略奪型ビジネスモデルに国境はなく,信じられないスピードで,世界のパワーバランスまで組みかえてしまう.TPPは終わりではなく序章でした.国とは何か,人間らしく生きるために,決して失ってはならない自由とは?
主権を取り戻そうと立ち上がる世界中の99%と,加速する1%の欲望.
合わせ鏡のように日本の近未来を映し出すアメリカの実態を知ることが,私たちが未来を選びとる力にきっとなると信じています.
■著者紹介
堤 未果(つつみ・みか)東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇。以後、ジャーナリストとして各種メディアで発言、執筆・講演活動を続ける。
著書に、『グラウンド・ゼロがくれた希望』(ポプラ社、のち扶桑社文庫)、『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』(海鳴社、黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞)、『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書、日本エッセイストクラブ賞、新書大賞2009)、『ルポ 貧困大国アメリカ II』(岩波新書)、『社会の真実の見つけかた』(岩波ジュニア新書)、『政府は必ず嘘をつく』(角川SSC新書)ほか多数。
■目次
プロローグ
第1章
株式会社奴隷農場
夢の退職生活のはずが……/デットトラップ(借金の罠)/「もっとたくさん、もっと効率よく」/独占禁止法解禁でよみがえる悪夢/骨抜きの食品安全審査/復活した農奴制/もう一つの波―遺伝子組み換え作物/「この実験結果は爆弾だ」/学会に入り込むバイオ企業関係者/「GM食品」と「原発」に共通する安全神話/つぶされる住民投票/合言葉は「言わざる・聞かざる」
第2章
巨大な食品ピラミッド
垂直統合ブームがやってくる/食品業界とウォール街の最強タッグ/業界関係者だらけのFDA/食の工業化で潤う抗生物質市場/企業は「オーガニック食品」という夢を売る/つぶされる小規模有機農家/ぎゅう詰め飼育のオーガニックチキン/「これはSFではない、現実だ」―GMサーモン/GM種子を野放しにする〈モンサント保護法〉の成立/食品安全近代化法―FDAが外国の「食政策」を管理する
第3章
GM種子で世界を支配する
自由化で消える中小農家/企業参入で無国籍化する農業/多国籍企業の夢の地―イラク/命令81号/「白い金塊」で綿の生産量が五倍に!―インド/インドとアメリカの「1%」が手を結ぶ/輸出用GM農地と化したアルゼンチン/被災地復興をGM種子で支援―ハイチ/アメリカは最強の外交武器を手に入れた/他国の食を支配するNAFTA・FTA・TPP/EUのGM規制はまだ崩せる
第4章
切り売りされる公共サービス
「ようこそ、全米一危険な町へ!」/全米の自治体の九割は、五年以内に破綻する/増えるのは低賃金サービス業ばかり/公教育を全面解体/消防署、警察、公園が消えてゆく/雇用を戻す魔法の杖―〈労働権法〉/デトロイトが非常事態宣言/民営化された夢の町
第5章
「政治とマスコミも買ってしまえ」
企業が立法府を買う/強力な力で州法を動かすALEC/企業のためのモデル法案/「これは子どものためではなく、教育ビジネスのための法案だ」/「移民排斥法」で花開く刑務所産業/ついに企業の政治献金が無制限に/世界中の富裕層がアメリカの政策に介入できる/選挙とは、効率の良い投資である/148万本のCM広告費で笑いが止まらないTV局/献金元をたどれば、当選後の政策がわかる/ティーパーティの陰のスポンサー/過激な人物が真の問題から目をそらさせる/寡占化するマスコミとソフトニュース/なぜ大統領公開討論会に第三党は出ないのか/企業が市民運動を利用する
エピローグ―グローバル企業から主権を取り戻す
企業はモラルより損得で動かせ/大手銀行に対し預金者の力を使う/「「1%」より、それを支えるシステムを攻撃せよ」
あとがき
By 歯職人
「アラブの春」「オキュパイ運動」等、散発的・分散的に、テレビ報道は続く。
本書は、「規制改革」、グローバリズムの名で進むアメリカ化の行く末を、アメリカの「99%」が向き合う農業・食糧、金融、公共等の各分野の現場から、堤未果氏がレポートする一冊です。
現存する国家観とその仕組みでは、統治しきれない巨大化・組織化した資本の行動と「99%」の亀裂。堤未果氏が提起する「企業はモラルより損得で動かせ」が、本書で語られる唯一の希望と言ったところか。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4004314305/ref=cm_cr_mts_prod_img
岩波新書
(株)貧困大国アメリカ
堤未果
価格 \798(税込)
岩波書店(2013/06発売)
サイズ 新書判/ページ数 278p/高さ 18cm
ISBN 9784004314301
NDC分類 368.2
TPPは、始まりに過ぎなかった……
日本の近未来を予測する、大好評シリーズいよいよ完結編
■著者からのメッセージ
新自由主義を進めたブッシュ政権,監視体制を強化したオバマ政権に続き,今回の完結編で取り上げたのは,「1%層」が合法的に統治権を手にし,株式会社化した新国家アメリカの姿です.この数十年で完成された驚愕の略奪型ビジネスモデルに国境はなく,信じられないスピードで,世界のパワーバランスまで組みかえてしまう.TPPは終わりではなく序章でした.国とは何か,人間らしく生きるために,決して失ってはならない自由とは?
主権を取り戻そうと立ち上がる世界中の99%と,加速する1%の欲望.
合わせ鏡のように日本の近未来を映し出すアメリカの実態を知ることが,私たちが未来を選びとる力にきっとなると信じています.
■著者紹介
堤 未果(つつみ・みか)東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇。以後、ジャーナリストとして各種メディアで発言、執筆・講演活動を続ける。
著書に、『グラウンド・ゼロがくれた希望』(ポプラ社、のち扶桑社文庫)、『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』(海鳴社、黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞)、『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書、日本エッセイストクラブ賞、新書大賞2009)、『ルポ 貧困大国アメリカ II』(岩波新書)、『社会の真実の見つけかた』(岩波ジュニア新書)、『政府は必ず嘘をつく』(角川SSC新書)ほか多数。
■目次
プロローグ
第1章
株式会社奴隷農場
夢の退職生活のはずが……/デットトラップ(借金の罠)/「もっとたくさん、もっと効率よく」/独占禁止法解禁でよみがえる悪夢/骨抜きの食品安全審査/復活した農奴制/もう一つの波―遺伝子組み換え作物/「この実験結果は爆弾だ」/学会に入り込むバイオ企業関係者/「GM食品」と「原発」に共通する安全神話/つぶされる住民投票/合言葉は「言わざる・聞かざる」
第2章
巨大な食品ピラミッド
垂直統合ブームがやってくる/食品業界とウォール街の最強タッグ/業界関係者だらけのFDA/食の工業化で潤う抗生物質市場/企業は「オーガニック食品」という夢を売る/つぶされる小規模有機農家/ぎゅう詰め飼育のオーガニックチキン/「これはSFではない、現実だ」―GMサーモン/GM種子を野放しにする〈モンサント保護法〉の成立/食品安全近代化法―FDAが外国の「食政策」を管理する
第3章
GM種子で世界を支配する
自由化で消える中小農家/企業参入で無国籍化する農業/多国籍企業の夢の地―イラク/命令81号/「白い金塊」で綿の生産量が五倍に!―インド/インドとアメリカの「1%」が手を結ぶ/輸出用GM農地と化したアルゼンチン/被災地復興をGM種子で支援―ハイチ/アメリカは最強の外交武器を手に入れた/他国の食を支配するNAFTA・FTA・TPP/EUのGM規制はまだ崩せる
第4章
切り売りされる公共サービス
「ようこそ、全米一危険な町へ!」/全米の自治体の九割は、五年以内に破綻する/増えるのは低賃金サービス業ばかり/公教育を全面解体/消防署、警察、公園が消えてゆく/雇用を戻す魔法の杖―〈労働権法〉/デトロイトが非常事態宣言/民営化された夢の町
第5章
「政治とマスコミも買ってしまえ」
企業が立法府を買う/強力な力で州法を動かすALEC/企業のためのモデル法案/「これは子どものためではなく、教育ビジネスのための法案だ」/「移民排斥法」で花開く刑務所産業/ついに企業の政治献金が無制限に/世界中の富裕層がアメリカの政策に介入できる/選挙とは、効率の良い投資である/148万本のCM広告費で笑いが止まらないTV局/献金元をたどれば、当選後の政策がわかる/ティーパーティの陰のスポンサー/過激な人物が真の問題から目をそらさせる/寡占化するマスコミとソフトニュース/なぜ大統領公開討論会に第三党は出ないのか/企業が市民運動を利用する
エピローグ―グローバル企業から主権を取り戻す
企業はモラルより損得で動かせ/大手銀行に対し預金者の力を使う/「「1%」より、それを支えるシステムを攻撃せよ」
あとがき