―四方のたより― 年詞献上
遅まきながら、年頭所感として
予期されたこととはいえ
世界同時不況で景気は視界ゼロにもひとしき様相
海の向こうでは
Changeとばかり、New Leaderのかけ声
いささかなりと雄々しく響けど
此の国の政に君臨する者たちには
先見もなければ、不退転の覚悟もなく、ただ政争に明け暮れるばかり
平成の代もすでに二十歳あまり
平らかに成らむ、と願われた名の由来も、色褪せに褪せはて
どうにも耳障りなこと夥しい
いまだ幼き吾子は、2001年生れなれど
平成の何年生れか知らず、また数えず。
「また一枚ぬぎすてる旅から旅へ」 -山頭火、昭和11年初頭の句
昨年は、「山頭火」の語り芝居に、初演から15年を経て
やっと自身些かなりとも納得のいく境を獲た。
この舞台に参じていただいた方々には、あらためて心より謝辞を言上したい。
2009.己牛元旦 四方館亭主 林田鉄拝
<連句の世界-安東次男「風狂始末-芭蕉連句評釈」より>
「霜月の巻」-34
いろふかき男猫ひとつを捨かねて
春のしらすの雪はきをよぶ 重五
次男曰く、前句を深窓それとも局ずまいの佳人春愁とでも見立てたか。
挙句二句前・春三句目というはこびを考えれば、白州と云い雪掃きと云い呼ぶと云い、うまいことば択びだろう。
恋猫の執念も一区切、捨不捨の迷も一区切、気分の転換がよく捉えられている、と。
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