山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

春のしらすの雪はきをよぶ

2009-01-04 23:22:07 | 文化・芸術
Santouka08113009601

―四方のたより― 年詞献上
 遅まきながら、年頭所感として

予期されたこととはいえ
 世界同時不況で景気は視界ゼロにもひとしき様相
海の向こうでは
 Changeとばかり、New Leaderのかけ声
 いささかなりと雄々しく響けど
此の国の政に君臨する者たちには
 先見もなければ、不退転の覚悟もなく、ただ政争に明け暮れるばかり
平成の代もすでに二十歳あまり
 平らかに成らむ、と願われた名の由来も、色褪せに褪せはて
 どうにも耳障りなこと夥しい
いまだ幼き吾子は、2001年生れなれど
 平成の何年生れか知らず、また数えず。

「また一枚ぬぎすてる旅から旅へ」 -山頭火、昭和11年初頭の句

昨年は、「山頭火」の語り芝居に、初演から15年を経て
やっと自身些かなりとも納得のいく境を獲た。
この舞台に参じていただいた方々には、あらためて心より謝辞を言上したい。
  2009.己牛元旦   四方館亭主 林田鉄拝

<連句の世界-安東次男「風狂始末-芭蕉連句評釈」より>

「霜月の巻」-34

  いろふかき男猫ひとつを捨かねて  

   春のしらすの雪はきをよぶ  重五

次男曰く、前句を深窓それとも局ずまいの佳人春愁とでも見立てたか。

挙句二句前・春三句目というはこびを考えれば、白州と云い雪掃きと云い呼ぶと云い、うまいことば択びだろう。

恋猫の執念も一区切、捨不捨の迷も一区切、気分の転換がよく捉えられている、と。


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