山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

はだかではだかの子をだいてゆふべ

2011-07-19 16:46:12 | 文化・芸術
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―四方のたより― 台風6号接近

大型の台風6号が、午後3時現在、高知県足摺岬の東南東約30㎞にあり、進路は北北東、15㎞/hとか。
四国上陸は時間の問題だが、今夜半から明日にかけ、気圧配置ゆえだろうが大きく東へ向きを変えて、近畿・中部一円を襲う模様だ。
どうやら被災地の東北地方は避けられるようで、かりに豪雨のおそれもないとなれば、不幸中の幸いなのだが‥。

<日暦詩句>-37

 「ことばの円柱」  谷川俊太郎「詩人たちの村」より

ヨーハンセバスチアンバツハは、虚空に音の伽藍を築
いたのであるが、私は虚空にことばの円柱を築くので
ある。その円柱は真実という巨大な中空ゆえに、なに
がしかの強度を有する一本の管の構造をしていて、装
飾はすべてそれぞれの無数の毛根で管の中心にむすば
れている。
即ちそれは瘡の全種類を含んでいると云えよう。
円柱の支えているものは、あらゆる重みなのであつ
て、この重みには当然円柱自体のこうむつている地球
の引力も加わつているが、円柱の上に何か目に見える
ものがのつかつているかというとそうではない。円柱
の上には目に見えるものは何ものつかつてない。
ただ時折、ごく僅かな塵(おそらくは流星塵)が、し
ばらくの間つもることがあるけれど、やがて強い偏西
風のために吹き飛ばされてしまう。
他の人間たちが、有史以前から築きつづけた円柱も、
そこここに残つていて、或るものは既に廃墟のもつ落
ち着きと気どりを有しているが、それらの円柱に関し
ては、その強度も高さも直径も、いまだかつて正確に
測量されたためしがない。だからそれらが支えてきた
重みの総量を計算するすべは、依然として失われてい
るのである。

―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-191

7月19日、晴れ、いよいよ天候もきまつたらしい、私の心もしつかりしてくれ、晩年の光を出せ!
此宿の漬物はなかなかうまい-木賃自炊だが、朝の味噌汁と漬物とは貰へる、今日此頃の私は無一文だから漬物でお茶漬さらさら掻きこんでゐる-、殊に今朝は茗荷がつけてあつた、何ともいへない香気だ、暑さを忘れ憂鬱を紛らすことが出来る。
夏は浅漬がよい、胡瓜、茄子、キヤベツ、何とか菜、時々らんきようも悪くない、梅干しもありがたい。

※表題句の外、3句を記す

071901
Photo/川棚温泉、大楠の全景-’11.04.30


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