<風聞往来>
<解読すすむX染色体>
ヒトゲノム-遺伝子の解明が進んでいる。
HOTWIRED-JAPANのニュースで<解明されるX染色体の秘密>を読んだ。
専門知識のない私に記事内容を充分に理解することは出来るはずもないが、
記事によれば
X染色体にある1098個の遺伝子の詳細な塩基配列データの集まりについて調べたところ、
調査対象40人の女性のX染色体のすべてが変化に富んだ遺伝子活性を示し、それぞれが独自の遺伝子発現パターンを有するという。
こうしたことは女性のX染色体独特のもので、すべて同じ発現パターンだといわれる男性のX染色体と対照をなすらしい。
ご承知のように、性染色体は、女性の場合XX染色体、男性はXY染色体と、
女性(すべての哺乳類の雌)はX染色体を二つ持っているが、男性は一つしかない。
二つあるX染色体のうち、余分な複製は必要ないから片方は不活性化されると従来は考えられていたのだが、不活性化即ち沈黙=無機能という訳ではなく、不活性化している筈の遺伝子が遺伝病などの抑制に大いに与っているようだ、というのだ。
X染色体に関連する遺伝病は、色覚異常、自閉症、筋ジストロフィー、白血病、血友病など、染色体のなかで群を抜いて多く、300以上の遺伝病因子がX染色体に関連しているというのだが、
その発症が、女性よりも男性にはるかに多くみられるのは、X染色体を二つ持つ女性において、片方が突然変異を起こしても他方が活性化して代替機能を果たし、発症が抑制されるというメカニズムになっている、と。
必定、X染色体の予備を持たない男性は発症が多くなるという訳だ。
X染色体は、人類の進化をも解き明かすだろうと云われる。
X染色体とY染色体は3億年前に一対の常染色体から進化したことが明らかとなり、
この染色体の遺伝子コードの解明は、人類の歴史にまつわる物語さえも語る、と。
ゲノム配列解析の道は、まだまだ続く。
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