あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『鬼滅の刃』最終話感想

2021-05-18 23:40:00 | 鬼滅の刃

 ふと気付けば。

 『鬼滅の刃』の最終回から今日で丁度一年なんですね。
 もう一年経ってしまったんですか・・・。
 当時は人気絶頂の中で終わりを迎えてしまった事に日本中が大騒ぎになりましたっけ。
 私はというと現実をただただ受け入れられず、しばらく意気消沈状態でした。
 だっていまだに納得いってませんもの。あの伏線は何だったのかと。

 

 まあでも・・・、一年経ってようやく気持ちに整理がつけたと思っています。
 寂しさや心残りはあれど、リアルタイムで出会え、炭治郎達の戦いを見守ることが出来て本当に良かったと。
 なので、一年越しになってしまいましたが、けじめをつけましょう。
 当時はあまりのショックで綴れなかった、『鬼滅の刃』最終回の感想を述べさせて頂きます!(※当時の気持ちの記録として、加筆修正が入った単行本ではなくジャンプ本誌で掲載された内容について語らせて頂きますね)

 

 

 

 週刊少年ジャンプ2020年24号掲載
 第205話 【幾星霜を煌めく命】

 

 

 

 ・・・最終話であるにも関わらず、炭治郎達は誰一人として登場はしませんでしたね。
 登場したのは炭治郎達の子孫であり。
 きっと、彼らの生まれ変わり。

 でも。

 でもね。

 彼らは炭治郎達じゃない。

 私達がずっとその歩みを見守ってきた竈門炭治郎達じゃないんですよ。

 その事がどうしようもなく寂しかったです。

 

 

 

 

 《カナヲ&禰豆子》
  ヒロインズは共に前世の伴侶の兄姉として生まれ変わりましたか。
  これには至って納得です。
  何故なら、カナヲも禰豆子も「守ってもらいたい」と願うような子ではなかったから。
  もし神様から来世はどう生まれ変わりたいか、と尋ねられたなら、二人とも「炭治郎&善逸の家族」と願うのと同時に「彼らに守られなくてもいい立場に」と願うと思うんですよね。
  なのでカナヲは男で兄に。
  禰豆子は勝ち気で強気でガミガミ気質といった真逆の性格になったのだと思います。

 《善逸》
  こいつはもう1億%間違いなく、「生まれ変わっても禰豆子と一緒に」と神様に願った・・・というか泣きじゃくって縋りついたことでしょう。(←)
  まあ願いは叶いましたが、その分しっかり叱られる人生を送ることになるわけです。
  うん、因果応報。

 《伊之助》
  因果応報その2。
  伊之助は人間社会を知らなかったこともあって、本当に「子供」として振る舞ってきましたよね。
  だからこそ全く背負ってこなかったのが「責任」というもの。
  前世で全く背負わず、背負おうともしてこなかったそれが来世で一気に圧し掛かってきたのかと。

  
 《炭治郎》
  そして主人公はというと・・・。
  炭治郎がもし神様から来世について尋ねられたなら・・・。
  誰かの幸せしか願わないと思うんですよ。
  本当に炭治郎は常に「自分ではない誰か」を優先する子でしたからね・・・。
  そんな炭治郎だからこそ。
  神様は来世の彼に与えたんだと思います。
  「自由」を。
  思えば、炭治郎は初回の第一話から。
  一コマ目から。
  “背負って”いました。
  ただ一人生き残った禰豆子を。
  家族を養うための炭を運ぶ籠を。
  鬼となった禰豆子を入れるための木箱を。
  兄として、鬼殺隊としての責任と共に。
  だから―――
  最終話で炭彦が自分の荷物だけ持って軽々と飛び回る姿を見て思えたんです。
  ああ、やっと炭治郎の魂は身軽になったんだなあ、と。

 

 《その他》 
  鱗滝さん。前世来世関わらず最後まで素顔は非公開なのね・・・。(見たかった)
  義勇さん。今度こそ親友達とどうぞ幸せに・・・。

  そして。
  煉獄さん。
  無限列車での戦いでは、ほとんど肩を並べて戦うことは出来なかった炭治郎と煉獄さん。
  でも未来の世界では共に生まれ変わり、肩を並べて一緒に走っている。
  涙が止まりません。
  思いもしませんでした。ずっと抱えていた無念がこんな形で報われるなんて。

 

 そして最後に門を飛び越える二人。
 その姿と空に。
 彼らの自由と未来を感じました。
 
 
鬼の居ない平和な世の中になっても、人生どんな困難が立ちはだかるか分かりません。
 明日突然事故に遭うかもしれないし、天災に襲われるかもしれない、大切な人を失ってしまうかもしれない。
 それでも。
 仲間と一緒なら。
 どんな困難も必ず乗り越えてみせるでしょう、きっと。

 

この日輪の魂を持つ者なら。

 

 

 


 

 

 

 炭治郎達が既に過去の人達になっていた最終話。
 その事は堪らない寂しさでした。

 

 

 でも。

 

 

 この最終話を読み終わった直後、私の胸の中に在ったのは。

 

 

 

「命」への愛おしさ。

 

 

 

日常ですれ違う人が、自分の前世の恩人だったかもしれない。
ふと目が合った人が、自分の前世の家族だったのかもしれない。
そんな風に何気ない日々の流れの中で「命」は巡り巡るのかもしれないと。

 

 【幾星霜を煌めく命】。
 まさにこのサブタイトルにこれ以上ないくらい相応しい話だったと。

 

 

 見知らぬ誰かが。
 祖先が。
 家族が。
 親が。
 繋いでくれたこの命。
 大切にしよう
 そう思いました。

 

 

 

 

 本当に“駆け抜けた”作品として終わった『鬼滅の刃』。
 ですがこの作品は私達読者だけでなく、吾峠先生にとっても特別なものになったに間違いありません。
 最終話を読み終わってとても感じましたから。
 命の尊さと共に。
 吾峠先生の画力の向上を。
 この最終話はまさに吾峠先生が連載中に磨き続けてきた画力の集大成。
 いまや吾峠先生はこれほど様々な角度から、かつ非常に動きのある画を描くことが出来るのだと・・・。

 
 とても辛いものも沢山受けたこの作品『鬼滅の刃』。
 ですが、それと同じくらい大切なものも沢山貰いました。

 この作品から教わったもの・・・決して忘れません。

 



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