wikipedia『武蔵野夫人』は、大岡昇平の恋愛小説。1950年発表。戦後を代表するベストセラーとなった。題名どおり東京西部の武蔵野が舞台である。新潮文庫で重版している。ラディゲの『ドルジェル伯の舞踏会』を手本として試みられたロマネスク小説で、没落していく中産階級の姿を描いている。
福田恆存は、世間でこの作品が評価される中、「失敗作だった」とする評論を書き、またその旨を大岡に葉書を送っているが、福田は同作品の舞台の脚色を担当し、『戯曲武蔵野夫人』(旧河出文庫)を出版した(のち『福田恆存戯曲全集 第3巻』(文藝春秋)に収録)。
映画
1951年に東宝で映画化された。溝口健二作品として近年再評価の動きがある。東宝からDVDが発売されている。
21 12/22
原作:大岡昇平、脚色 : 福田恆存とは知らずに見たが、まあそこそこの印象。細部はあまり思い出せない。
しかし、田中絹代(このとき42歳位らしい)の良さが少しわかったような。たとえば木暮 実千代(こぐれ みちよ)では、この作品は似合わないだろう。もっとも”一流のリフレーミングの使い手でもあった”といわれる福田恆存なら小暮主役の配役でまったく違う印象の作品に仕上げることもできたのかも知れない。もう一度見てみることもあるだろうか。
スタッフ
監督 - 溝口健二
製作 - 児井英生
脚本 - 依田義賢
脚色 - 福田恆存
音楽 - 早坂文雄
撮影 - 玉井正夫