幕末 維新の暗号 単行本 ? 2007/4/21
加治 将一 (著)
46件のカスタマーレビュー
読了から少し時間がたってしまった。
図書館郷土コーナーの海音寺潮五郎『西郷隆盛』全9巻の隣にあった。
とてもおもしろかった。これを荒唐無稽と嗤うには、まだまだ歴史知識の浅すぎる自分を痛感する。
西郷隆盛が龍郷に潜居したときは、菊池源吾(吾の源は菊池にあり)と変名した。
先祖が肥後国菊池郡(熊本県菊池市)を本拠としていたということだった。
ちなみに現在、奄美大島龍郷町と熊本県菊池市は友好都市としてお互いの交流がある。
大島から赦免され、鹿児島に戻った際は、西郷三助から大島三右衛門と改名した。
いづれも、なんか安直すぎるきらいがないではない。
しかし西郷の先祖が肥後国であることは、本書ではとても重要だ。
後醍醐天皇は、吉野に自ら主宰する朝廷を開いた際、懐良親王を南朝の征西大将軍として、肥後国(熊本県菊池市)を拠点に送ったのだった。
維新の雄藩、薩長土肥の肥は肥前(佐賀)で、
フルベッキ群像写真は、
明治元年(1868年)頃、フルベッキが佐賀藩の藩校「致遠館」の学生とともに撮った可能性が高い写真とされている。
と、ここから「明治政府の重大なタブー」を理解すには、南北朝時代の理解が不可欠だ。
それから「南北朝正閏論」(日本の南北朝時代において南北のどちらを正統とするかの論争)へと進む。
これくらいでは、本書は、ネタバレとはならないだろう。
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amazon 内容(「BOOK」データベースより)
歴史作家・望月真司のもとに届いた一枚の古写真。それは幾度となくマスコミにも取り上げられた、いわくつきの代物だった。被写体は総勢四十六人。書き込まれた名前によれば、坂本龍馬、西郷隆盛、高杉晋作、岩倉具視、大久保利通、中岡慎太郎、伊藤博文、さらに桂小五郎、勝海舟…と幕末の志士たちが勢ぞろいしていたからだ。荒唐無稽―だが、まがい物と片づけられてきた写真を仔細に検証すると、被写体と実在の人物が次々に合致していった。この古写真はなぜ撮影され、そして歴史の彼方に葬り去られたのか。謎を追ううちに、望月は写真に込められた「秘密」に突き当たる。それは明治政府の重大なタブーに触れるものだった。吉野、佐賀、長崎、鹿児島、山口県柳井―徹底的な取材と綿密な史料分析から解き明かす、驚愕の幕末史。
登録情報
単行本: 453ページ
出版社: 祥伝社 (2007/4/21)