1923年、信州(長野県)の製糸工場で働く女工の母・おつね。
成績優秀の一人息子・良助にせがまれ、貧しい暮らしをさらに切り詰めて大学まで出した。
1936年の東京、上京して結婚して子もいる息子の生活ぶりを知る。
「東京物語」と似てなくもないが、当時の「貧乏」が描かれている点で大きく違う。
ただしここで描かれている母と一人息子の貧乏は、まだいいほうだろうが、すさまじい。
今では考えにくい差別的視点も見え隠れするが、それがないと作品は成り立たない。
当時のおおらかさも感じた。
逆にいうと最近のドラマがつまらなく感じらるのは、
言葉狩りや、予想される抗議や非難に対する作り手側の自主規制が働きすぎて無意識のうちにテーマが無難なほうにずれてしまっているからなのかもしれない。
監督 小津安二郎
脚本 池田忠雄
荒田正男
原案 小津安二郎
出演者 飯田蝶子
日守新一
音楽 伊藤宣二
撮影 杉本正次郎
配給 松竹キネマ
公開 1936年9月15日
上映時間 87分 / 現存 83分
映画『一人息子』 https://t.co/b1q0BkGTlH
— 海風 (@amami_kaihu_so) February 5, 2022