『半沢直樹』絶好調だね。慌てるTBS、してやったりフジ『リーガル・ハイ2』

2013-08-25 13:22:12 | レビュー
ご存知の方も多いでしょう。
堺雅人主演、TBS系(毎週日曜・後9:00)ドラマ『半沢直樹』。

アマルの周りのオジさん・オバさんたちの間でも評判です。

・銀行は晴れの日に傘を差し出し、雨の日に傘を取り上げるもの
・部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任
・部下に責任を丸投げ、トカゲのしっぽ切り如く、多くの部下を犬死させ、自分だけ罪を逃れ
 (本流)ラインから外れないようにする
・十数年前に押し寄せた銀行の大合併。旧銀行の優劣によって“優”が“劣”を徹底的にいじめ抜く。
 上司から失敗をなじられ、出身銀行の名も出されダメ行員のレッテルを貼られる
 (銀行に入れれば生涯安泰などと言われた昭和の高度成長時代。大合併・再編で優秀な学校を出た人たちも
  いじめ・なじられ欝や精神障害状態になり多くの行員が辞めていかれる時代もありました...)
・銀行社宅(当時は商社の社宅なんかも同じ)で見られる奥さんたちのいびつな人間関係・精神構造 等々

バブル期とそれ以降の金融機関(特に日銀や都銀・地銀)をつぶさに見てきた世代には
どれもリアルでドラマの中の登場人物と現実の世界を重ねて観ている人も多いことでしょう。

ふとこのドラマを観ていて
・いじめ(タテ社会・組織階級・身分格差)
・世渡り(処世術)、偽善、欺瞞(ギマン)、阿(オモネ)る
・ハメル、陥(オトシイ)れる、欺(アザム)く 

といった人が持つ業(ゴウ)の要素が目についてしまいます。
いわば行員の姿が
「自分の欲望(昇進・昇格・昇給、組織内の優位な立場の確保)を満たすことが最優先し、他人を悪し様にする」

人はできれば清く、正しく、美しくありたい。
清廉潔白で、正直で、寛容で、誠実で、情に厚く、義理堅く、仁義を重んじる。
世の為、人の為、汗水たらして働く。 etc.

多くの人(世間)は、うっすらと、時に明確にそういうものを求めているように思います。

しかしねぇ、それがなかなかできないことも多くの人が知るところでしょう。

商売・競争(資本主義・市場)社会においては
綺麗事では生きていけない。生き残れない。


しかし半沢は、正論を正論としてまっすぐ吐く。
間違ったことがあれば、たとえ上司であろうと媚びず態度を曲げない。

彼の態度・果敢な姿勢がこのドラマの魅力になっているのでしょう。

宮仕えをしている人たち(公務員でも民間人でも)であれば
「あんなにはっきり言えたらどんなにいいいだろう...」とみんな思ってるかも
(あれを言ったら組織からスポイルされることを知っているからみな無茶をしない)


なんか半沢直樹の魅力って
(ご年配の方ならご存知でしょう)花登筺さんの描かれた(日本中のお茶の間で支持された)商売・
商人のど根性もの『細うで繁盛記』『どてらい男』にも共通した要素が多分にあるような気がします。

いじめ・謀略・つぶし、辛抱・耐える、誠実な主人公、心ある協力者、お客さま本意の商売、
半沢の中にもそれらは多分に描かれています。
暗黙のおしん気質は今でも日本人は好きなんでしょうね。

また長くなってきました。

今晩の25分拡大版も楽しみですが、
この予想外の高視聴率に当のTBSが大慌てしてしまったようですね。
今年のこれまでの「連ドラ最高視聴率」を更新したようで
高視聴率を喜んでTBSは急遽放送回数(全10回)を延ばそうとして堺サイドに打診したけど、
あっさりと断られた。
10月からフジで堺主演のドラマ『リーガル・ハイ2』の放送が先に決まっていて、スケジュールが取れない。
これじゃTBSは堺の秋ドラ(フジ)の前フリ・盛り立て役だね。
(『リーガル・ハイ』は法廷闘争が実にテンポがあって(スピーディーで)面白い作品だと思います。
生瀬勝久さんとのやり取りはちょっと滑稽で外してるところがあるけど)

今日から後半戦、『半沢直樹』もあと5回。今年の最高視聴率ドラマにはたしてなるか?
昨年の最高視聴率ドラマ『家政婦のミタ』を(瞬間視聴率を含めて)超えるか?
(Yahooはじめ、ネットメディアの発信ぶりは家政婦のミタ以上のものがあるのでもしかしたら超えるか?)
この前兆はサラリーマンのお父さんたちが共感したひところの『泳げたいやきくん』ブームにも似ている

このドラマ主題歌がオープニングやエンディングにないのもよいかも。
年配者が好んで感情移入して観ている中でその世界観を壊さないモノになっているのがいいね...

例えばTV局(番組・ドラマ)とレコード会社のタイアップで曲を売り出す手法があるけど、
ドラマによってはその空気・世界観とまったくそぐわないものがあったりして
どっちらけってのがあるけど...
『半沢直樹』はそれがなく脚本や実力派俳優たちの演技で魅せてくれるのがいい。

でも半沢の妻・花役の上戸彩、東田社長(宇梶剛士)の愛人・未樹役の壇蜜はミスキャストだと思うなぁ。
花のキャラは明るくバンカーの夫をしっかり支える聡明な妻であろうけど...
個人的には残念なところです。


さあぁ、ともあれあと5回楽しませてもらおうかな。


ではでは。


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