AMASHINと戦慄

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2009年02月21日 | ルルイエ異本
タイタス・クロウが帰ってきた!

英国のクトゥルー神話作家ブライアン・ラムレイ著『タイタス・クロウの帰還』の日本語訳版がついに刊行!!
つーても去年11月の話ですが・・・

これは前作『地を穿つ魔』から10年後の話という続編です。
霊能力者でオカルティストのタイタス・クロウと、骨董商のアンリ・ド・マリニーのコンビがシャーロック・ホームズ形式でクトゥルー眷属邪神軍団(CCD)と対峙する、クトゥルー神話の中でもかなり読みやすい部類のシリーズです。
まぁ勧善懲悪色の強い冒険小説みたいな感じで、ちょっとアホくさくはありますが・・・

今回はタイタスが“ド・マリニーの掛時計”という時空往還機(タイムマシーンみたいなもの)を駆って、時空と空間のあらゆる弥果を旅するというもので、なんちゅーか超SF小説めいたお話で、ちょっとしんどかったな。
特に先史時代のジュラシック・パークみたいなくだりはかなりいらんかった。
ローマ帝国時代にタイタスがイースの大いなる種族に精神侵犯されたところは面白かったなぁ。
私はこのクリーチャーのファンだから(ちなみに邪神占いでもイースです)。
旧神と旧支配者との知られざる関係が暴かれるとこなんかも興味深いです。

そして今回もクトゥルー眷属邪神どもが続々と登場します。
四次元の冥い片隅に巣くう吸血鬼ティンダロスのワン公、恒星アルデバランのハリ湖に住まう名状しがたいものハスター、戸口にひそんどる球体と泡の集積物ヨグ=ソトースなど、出し惜しみなしといった感じです。
そういえば風に乗りて歩むものイタカも居たか・・・

しかしこの話、ミスカトニック大学残骸跡から回収されたタイタス・クロウの口頭陳述した録音テープの書写文という形式になっているんですが、そうだとしたらタイタスがティアニアという自分の彼女とのイチャイチャ話をウンザリする程語っているところなんかはかなり気持ちが悪いんやないでしょうか。
「だめよ、タイタス、そんなふうにしてはいけないの!」とか、タイタスがテープレコーダーに向かって女言葉でそのシーンを再現してるとこ想像したら笑けてきてしゃーないです。


旧ユーゴスラヴィア連邦スロベニア出身のインダストリアル系グループ、ライバッハ。
まるで本書で提示された旧支配者の驚嘆すべきその正体をほのめかすかのようなタイトルですね。

今日の1曲:『God is God』/ Laibach

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