AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
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サバス出戻りサバス

2020年11月08日 | やっぱりメタル!!
先日キタのユニオンで、タバコ臭難アリというだけで中々のお手頃価格で入手したブラック・サバスの『Dehumanizer』の紙ジャケ2枚組デラックスエディション。
(確かに開封したらヤニ臭けっこうきつかった)


1992年にロニー・ジェイムス・ディオとヴィニー・アピスが再びサバスに合流して『悪魔の掟』以来の強力ラインナップで制作された渾身の話題作だったが、当時サバス作品とも思えぬB級スラッシュメタルバンドみたいな幼稚くさいジャケットにピンとこず、見向きもしなかった。
ていうか、その頃は大御所のバンドが何をリリースしようが興味が持てなかったというか、まだ全盛期の名盤も把握しきれてない有様だったので気が回らなかったというか。

1981年のラインナップ。1992年に再び集結。



80年代に出したロニー期のブラック・サバスのアルバムは2枚ともすでに聴いていた。
ただ、ロニー期のサバスはクラシカルな様式美が混在していてカッコいい曲もあるんだけど、なんかオーソドックス過ぎて退屈な曲もわりとあって、それほどハマってはいなかった。
実をいうと、私ロニー期のレインボーもそれほどハマってなかったんよねー。なんか歌唱が暑苦しすぎるというか。
ようはロニーにハマってなかったのかもしれない。

ジャケットはめちゃくちゃカッコいい。『悪魔の掟』なんか、ほんと冒涜的でサイコー。



で、ロニー復活作である90年代サバスの音源はどうだったかというと・・・・・


いやいやどうして!めちゃくちゃカッコええーーやないですか!!
も~~、何で誰も教えてくれなかったの~~??
いや、これは、ロニー期の最高傑作なんじゃないだろうか??

本作は、タイトなリズムに徹底してダーク且つヘヴィ。
1曲目「Computer God」の冒頭からして重量感のあるヴィニ―のドラムが打ち鳴らされ、ロニーが厳めしいビブラートで歌い出す。
もうのっけから展開の激しい曲で、中盤のアルペジオからのアップテンポ展開。ここでのトニーのギターソロが「きた!これぞサバス!」って感じでもう最高。

2曲目「After All (The Dead)」はモダンでスローなドゥームナンバーで、「ロニーにこういう曲を歌わすか!」とかなり意表をつかれたと同時に、ロニーの適応力にも驚いた。いや、いままでで一番表現力の広がったロニーの歌を聴いた気がした。

3曲目「TV Crimes」はシングル曲でPVも存在する。「Symptom Of The Universe」を想起させる疾走スラッシュナンバーで、そこにいつものロニー節がのっかる感じ。

80年代を引きずった安っぽいこの典型的ダサメタルPVはなんとかならなかったのか。



そして、「Master Of Insanity」はロニーの力量が遺憾なく発揮された本作のハイライトともいうべき名曲かと。
ギーザーの歪んだベースがフィーチャーされた、節々に見られるプログレッシヴ展開も絶妙。

まぁ「Children Of The Sea」、「南十字星」らと並べるとチト聴き劣りするけど、「Too Late」のような、ロニーのあの透き通るようなクリスタルヴォイスでの様式美ナンバーも健在。

とにかく、全編通して捨て曲というものが見当たらなく、メタルが失速、迷走し始めたこの頃の作品にしては、堅実にして非常に完成度の高いヘヴィメタル作品であり、元祖ドゥーム/ストーナーバンドの貫録というものを見事に見せつけている。


ロニーが「Too Late~♪」と歌うように、本当に聴くのが遅すぎた・・・・
「28年も経ってから、今さら何興奮してるの??」と、メタラーの方たちから嘲られても仕方がない。
あの頃の私は本当に、サバスを、ロニーを侮りすぎていた。猛反省。

思えば、1992年はCathedralの出現により、ドゥーム/ストーナー系メタルの気運が一気に高まりつつあった時代ではなかったか。
この年、Cathedralは『この森の静寂の中で』、Troubleは『Manic Frustration』、人間椅子は『黄金の夜明け』と、いずれも超傑作アルバムを続々とリリースしていた。



私も上記のサバス直径のこれらの作品群を聴きまくってた時期だったのにも関わらず、同じ年に出してた大御所様の作品をスルーしていたとは・・・・・愚鈍にもほどがあるというものです。


これだけの強力な作品を完成させたのにも関わらず、この時期のラインナップは残念ながらこの1枚で終了。
ロニーはまたソロに戻ってしまったのであるが・・・

ライナノーツに掲載されていたトニー・アイオミのインタビューによると、サバス在籍時のロニーは中々難アリの人物だったらしく、歌詞を書かせても虹のことばっか書いてるっていうレインボーに未練タラタラな奴だったらしい(「虹を見~れば思い出す~~♪」みたいな?)。
あと、『Dehumanizer』制作時、最初レコーディングに参加していたコージー・パウエルともだいぶ確執があったらしく、交代で入ったヴィニ―ともウマが合わなかったとか。
トニーも苦労してたんやな。


思えば14年前のラウドパークで初にディオのライブを観た翌年、Heaven And Hell名義でまたこの時のラインナップで集結して来日したんだっけな。
その時もこの『Dehumanizer』から何曲か演ったと聞いている。
このライブを見逃したのはほんと不覚だった。
ヘタしたら14年前のディオのライブの時も、こっから演ってたかもしれない。
知らない曲は全部ディオのソロ曲だと思っていたので。



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