六小としばらく懐かしい昔話をした夢は、いったん六小と別れて、資料室に行くため
来校者用の昇降口から校舎の中へ入っていきました。校舎内は、夢がいた頃と
さほど変わっていません。変わった所といえば、耐震補強がされたこと、児童数の
減少で空き教室があることぐらいでしょうか。そうそう、給食当番の時に、扉を
開け閉めして動かした給食用エレベーターは、まだあるのかどうか確認
できませんでした。夢は副校長先生に、資料室のある三階に案内されました。
階段も、おどり場の掲示板も当時のままでした。階段の壁に付けられた手すりは
変わっていましたが。資料室前の廊下で、夢は、遠くに見える廊下の突き当たりを、
眼を凝らしてじっと見つめました。そう、4年生の時にいじめにあって、一人泣いて
いたつらい思い出の場所です。先生の声に、はっと我にかえった夢は、先生の後に
ついて室の中に入りました。入ると、夢はまっ先に、「開校の頃」と題されたボードに
貼ってある写真の方へ歩み寄りました。そこには、夢が子どもの頃実際に見た
校舎と時計台・開校記念に全校で描いた人文字を撮った、六小上空からの
航空写真・四小校庭で行われたお別れ会など、懐かしい写真が何枚か飾って
ありました。その他には、当時、来校者用昇降口に飾ってあった『第六小学校
完成予想図』・開校記念品として児童ももらった手拭い等、夢にとっては、思い出の
深いものが多く展示されています。あ、そうそう、夢の頃よりちょっと小さくなって
がっかりした校門、「校名表札」とともに当時の門柱の写真も展示されていました。