風の向こうに  

前半・子供時代を思い出して、ファンタジィー童話を書いています。
後半・日本が危ないと知り、やれることがあればと・・・。

夢草子 拾壱の巻

2010-07-19 11:12:42 | 大人の童話其の弐

ところで、四小には去年、妹が一人生まれていましたが、来年また一人生まれる

ことになりました。四小はうれしくてしかたありません。『早く生まれてこないかな。』と、

指折り数えて待っていました。でも、その反面淋しいこともできてしまいました。

それは、せっかく心通わせることができた女の子と、別れなくてはならなくなって

しまったからです。そう、その子は来年から、生まれてくる妹の所に行くことになって

いるのです。2年かけてやっと見つけた自分とお話できる子、その子が居なくなった後

また、お話できる子がみつかるとは限りません。いいえ、むしろ、みつからないことの

方がたかいのです。

「あ~あ、せっかくできたお友だちなのに。わかれなくちゃならないなんて、さみしいわ。

どうしようかしら。」

四小は、ふっとため息をついて考えていました。