四小はちょっと間をおいたあと、さびしそうに言いました。
「もう来月には夢ちゃん、わたしの所にはいないのね。六年間いっしょにいられると
思って喜んでいたのに。夢ちゃんみたいに答えてくれる子、他にいないからまた
さびしくなるわ。」
それは夢も同じでした。せっかく四小と心通わせ、語り合うことができたのに、別の
学校に行かなければならないなんて、さびしくてたまりません。それでも夢は四小を
励まそうと、しばらくしてわざと元気よく言いました。
「でも、一学期の間は四小さんの側にいられるみたいだからよかった。お話は
できないかもしれないけど。」
「そうね。話はできないかもしれないけど、まだとうぶん、夢ちゃんの姿は見ることが
できるのね。それだけでもよかったとしなきゃ、ね。」
夢の言葉を受けて、四小も少し明るい表情になりました。しかし、やがては
別れなくてはならない、もう会えなくなる、そう思うと四小も夢も、さびしさ悲しさで
胸がいっぱいになるのでした。