理乃美

ソフトとハードと論理の覚え書き

等価原理と後戻りしてくる光

2015-09-24 00:38:10 | 現代物理
おなじみの1次元の空間と時間との2次元で考えよう。
横軸がx方向、縦軸が時間。単位は斜め45°が c となるよう設定する。
ここで、一様にx軸のマイナス方向に加速度 a が働いているとする。(いつでもどこでも物はx軸のマイナス方向に落ちてゆく)

任意の点を取って、その時点で自由落下し始める空間の座標軸を加速度の働いている空間から見てみよう。
次の図は、ガリレイ変換での図だ。

下が、いま注目している時点で、その上が微少時間Δt後である。 え、何で矢印の基点が左にずれていないのかって。
それは、座標軸の向きに注目しているからで、最初同じ位置にあった点がΔt後にどこにあるかは気にしていないから。

さて、ガリレイ変換では自由落下する座標権はΔt後にx軸のマイナス方向にΔv = a Δt だけ速度を持つ。つまり、時間軸のベクトルは左にすこし傾くわけだ。従ってx軸方向への光速cでの移動をあらわす緑の矢印は、自由落下する系から見れば 速度c (時間軸のベクトルと空間軸のベクトルの和) で変わらないが加速度aの働いている空間から見ればちょっとだけ立っていて、ちょっとだけ速度cから遅くなる。
これが繰り返されるとどうなるか。最初は右45°のベクトルもちょっとずつ立っていって仕舞いには左へ向いてしまう。
ボールを加速度に逆らって投げても戻ってくるという話だが、光を放ってもやはり光が戻ってきてしまうという事でもある。
何しろ今の話で重さとか力とかは一切出てきていないからね。

いっぽう、ローレンツ変換だとこうなる。

微少時間Δt後に自由落下する系が速度を得ると、時間軸は左に少し傾くのだが、それと同時に空間軸も右下へ少し傾く。
そのため、自由落下する系での光速cをあらわす緑のベクトル (= 時間軸のベクトルと空間軸のベクトルの和)は、加速度aを持つ空間から見ても右45°のままで変わらない。速度の話をしているので、傾きだけが重要。
ということで、これが繰り返されたところで、緑のベクトルの向きは右45°、つまり光速c で変わらない。
光を放ったら加速度aにかかわらず、光速cでずっと進み続けるということ。

... hi.
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