アメコミとラーメン

800号記念をレビュー、Amazing SPIDER-MAN



今月最初に読むのは当然のAmazing SPIDER-MAN (“ASM”)。何せ800号記念。前月到着したASM 799号、と件の800号をレビュー。

筋書きをDan Slott 、799号の画をStuart Immonen、インクをWade Von Grawbadgerが担当。800号の画は複数人で担当。Nick Bradshaw、Humberto Ramos、Stuart Immonen、Giuseppe Camuncoli、Marcos Martin。

好き嫌いで言ったら、Immonenがピカイチ。正統派かつ味がある。Bradshawも悪くはないのだが、SPIDER-MANがカッチョ悪い。逆にMartinはSPIDER-MANの画は良いのだが、人物がもう一歩。なのに人物の画ばかりのシーンで残念。ただし、サイレンの音が聞こえるコマは例外。流石。

添付画像は、Humberto Ramosによる800号のもの。前回も話したけど繋がると一つの画にあるカバー。801号まで繋がるみたいなので、801号が来たら全部繋げてこのブログに載せるつもり。

まずは粗筋。Carnageと合体しRed GoblinとなったNorman Osborn。宿敵SPIDER-MANを唐オ次なる標的は彼の孫。ASM 798号で攫われたNormieとStanleyの後を追った父親HarryとLizだが、運悪くそこにはRed Goblinが。蜘蛛の力を持つヒーローやHUMAN TORCHを集め対応するPeter Parker (SPIDER-MAN)だが、彼等では手に負えない。Red GoblinはMary JaneやMay伯母さんを次々襲う。そして最後はSPIDER-MANと最終決戦に臨む。

粗筋が長い。長いのも当たり前か。ASM 800号の定価$9.99。高いな。ページ数数えてないけど、長い。いつもこういう記念号は、本編と大概あまり必要のないオマケ話なのだが、今回は全て本編だった。これは評価に値する。損した気はしない。(定価で買ってないくせに偉そう。)

今回も、気に入った場面、台詞等を順不同で紹介。まずは、PeterとMJの会話。OsbornがPeterの親しい人物をターゲットにしている。”That puts you near the top of the list.”とPeterが言ったのに対し、MJは”Near?”と聞き返す。一番上にいないのってことなんだけど。あー、もうMJを使ってファンを焦らすのはやめて欲しい。どうせ元の鞘には収まらないんでしょう?

まぁ面白いかなと思ったのが、NormieとStanleyを攫ったのがEmmaは、Harryの母親だったこと。え、死んだんじゃなかったっけ。800号でHarryが自分自身に照らし合わせて、自分だってNormieを暫くなおざりにしたことを反省しているシーンは結構良いな。もしかしたら、一番良いシーンかもしれない。

もう一つ設定で面白いなと思ったのが、熱と音に弱いSymbiote (CarnageやVenomの片割れで寄生しないと生きられない)なのに、HUMAN TORCHやClashの攻撃にびくともしなかって点。どうせ漫画だから理論もクソもないけど、改変された設定は良し。その前に音と熱を扱えるキャラを出してきたのも上手いけど。一方Anti Venomの力には弱いってのは、ちょっと都合が良いかな。

800号は800号らしい話の展開がまぁ買いか。Dr. Octopusの最初の出現はちょっと都合が良すぎる。かつ不自然。不自然繋がりでPeterがVenomを纏うのも不自然。あり得ない。そう言った気に喰わない点もあるが、Spider Slayerを加え過去の悪人をこの記念号に登場させたのは良かった。Sha Shanの再登場も意表をついていたな。

そういう意味ではNormieの伏線を小出しに出し続けてきたのに、誰も使わなかった。それをASMで、それも800号で使ったのには意義がある。(Renew Your Vowsで先に使われちゃったけどね。)

また、Red Goblinに対し、Goblin GliderでHarryが攻撃したシーンは上手かった。SPIDER-MANの台詞、”Classic.”も良いね。

Red Goblinに対するSPIDER-MANの台詞では、最終決戦に挑んだ時のものが好きかな。”Everyone will know that the goblin didn’t kill the Spider. It was Carnage.” Norman Osbornの誇りに訴えた台詞で、800号の中で一番好き。

Normanの台詞では笑える以下のものを挙げておく。”My entire family turned against me. It’s all your fault.” (YourはSPIDER-MANを指す。)他責なんだよね、典型的な悪人らしい。

最後の最後まで楽しませてくれたのは、作者紹介のページで終わりと思いきや、最近のMarvel映画のように、Ending Creditの次にシーンがある。Dock Ockをまた、出現させている。ASM 801号でSlottは終わりなのだが、生まれ変わったSlottの手垢のついたDoc Ockを上手く使いこなせるか、新しい作家は。
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