5票差で可決だって

郵政民営化法案が衆議院本会議で採決され、
なんと5票差という僅差で可決された。

投票の様子を見ていて物凄く奇異だった。

郵政民営化を最大の政治課題とする人物を
自分達の党の総裁に選んでおきながら、
公然と反旗を翻し、なかには反対票を投じる時に
英雄気取りの者までいた。
何だあれは。

政治家に国を憂う気持ちも政治の理想もないことは
とうの昔に分っていたから、
自分の保身と既得権益を守るために節操のない行動をとっても
今更驚きはしない。
しかし、選挙で落選する事を何よりも恐れる彼等が
解散や選挙での公認外しという脅しを受けながらも
ここまで反対するのだから、
郵政事業をめぐる利権とは余程おいしいものなのだろう。

私達は、間違っても、彼らの行動を
正義だの真に国を思っての勇気ある反乱などと思ってはいけない。

大体、彼らは何故それほどまでに郵政民営化に反対するのか。
委員会の審議でもそれがさっぱり分らない。
彼等が前面に押し出していたのは、
民営化されれば地方の小さな郵便局が潰れて不便になるだの
過疎地には郵便が配達されなくなってしまうだの、
そんな事ばかりだ。

力弱い地方の名も無き人々の便宜のために
国会議員があんなにむきになったりするものか！
そんな綺麗事にゆめゆめ騙されてはならない。

それと、民主党！
彼らは一体誰の利益を代表しているのだろう。
自民党の造反議員にやんやの喝采を送ってはしゃぐ姿は
本当に見苦しい。
まさか、現政権を倒すためなら誰とでも手を組むなどという
情けない了見ではなかろうな。
そんなかつての社会党のような真似をしたら、
いづれ同じ末路を辿る事になるのは歴史の教訓だ。

我々サラリーマンはつましい給料袋がさらなる重税に狙われ
都市の住人は相変わらず地方の暮らしを支えるための犠牲になっている。
こんな声無き衆生の不満を掬い取り
その利益のために闘ってくれるのが民主党かと思っていたが、
どうやら違っていたようだ。
君達は一体何者なんだ？

結局、この国を変革する力も、変革を阻止する力も、
自民党の中にしかないということか。
これは、日本国にとっても、我々国民＝選挙民にとっても悲劇だ。