2021年、冬…御園座で開催された
「大名古屋らくご祭2021」
第一部…の続き…
立川生志さんの後には、第一部でのラストの登場!!
なんといっても、この日は、この方が出演されるから御園座に足を運んだともいえる
立川志の輔さん
私にとって
一番楽しみな
立川志の輔さん
立川志の輔さんが一人いるだけ…なのに…
落語なので…座布団に座っているだけ…なのに…
まるで…
喜劇映画をみているように
そこに描かれてるユーモアたっぷりの登場人物を通して
その情景がはっきりと浮かび上がってくるんだな…
その表現力の巧みさ…
凄さ!素晴らしさ!!
何と言っても
分かりやすさ!!
私の中では
落語を超越してる落語で楽しませてくれるように思えてくるのが…
立川志の輔さんなんだな…
以下に今回の落語イベント
御園座の公演、立川志の輔さんの落語のレポをだらだらと
完全な演目のネタバレになってしまいますので
まっさらな気持ちで落語の演目「バールのようなもの」を聞きたい人とは
またまた
ここでお別れということで
次回
お会いできるのを楽しみにしております…
マクラ
まずは、挨拶がてら第一声は、寒くはあるけど、見事な青空、真冬晴れで外は明るい中、うす暗いところへようこそ!!
私は立川生志と違って、県内で公演会の予定はあるんですけど…と言って早速、客席大爆笑!
今日も開催できるかできないか、気を揉んだと語りながら、日本中でいろいろな公演が延期になったり中止になったりしてる中、みなさんの安全をはかりながら感染症対策をして、今日、これだけのお客様が戻ってきてくれてありがとうございますと感謝の言葉を
ほぼ満席の状態でやらせていただける…たいがいほとんどは客席の半分くらいしかお客さんを入れないというのが、この2年間…市松模様といって、きれいなのか綺麗じゃないのかよくわからない…前後左右の席が空いているという感じで、新型コロナウイルス感染症が蔓延して2020年3月から、ずっと高座が出来なくて、去年の7月3日が4か月くらいぶりにできたのが、大きなホール、大阪のシンフォニーホールで、そこでは半分のお客さんで淋しいものだな、マスクもしていて、と思っていたけど、その時のお客さんが、前後左右空いているのを、何とかして埋めてやろう…空いている部分を補うほど、一生懸命笑ってやろう!少しでも意識して大きな声で笑ってやろう!というようなお客様で、温かいとも思える素敵な環境でやらせていただいて、そういった半数を何回か遭遇していると…
結論から言うと、ぼんやりした満員よりもやる気のある半分の方がいいかなと…笑
で、今日のようにやる気のある満員というのは言うことがない!とヨイショして
そんなお客さんに、マスクをかけながら、ずっと聴いているのは大変でしょう…喋る方はマスクしなくてと思われるでしょうが、その分正座をしてますので…と、とことん笑わせてくれる
そのマスクの話題に触れ
日本人は偉い!法令で決まっている訳でもないのに、みなさんがきちんとマスクをするから、こうした公演もできる…よその国の方は、学習する能力がないのかというくらいにマスクをしていない…日本人は素晴らしい、そもそも新型コロナウイルスが来た時にも、さっとマスクをする…その神経が西洋人と違う…西洋人は自分のためにマスクをしている…日本人は、まわりに悪いんじゃないか、何となくと相手を思う気持ちでマスクをしている…相手のことを思うから、こうやって予防ができると…
志の輔さん自身もマスクに対する意識が変わったと…
マスクは、自分のためにやっていたと…風邪をひいた時、自分の息で自分を温めて、温かい空気を逃がさないように…そんな自分のためのマスクだと思っていたと…なので、くしゃみをするときは、マスクを外しておりましたと笑わせる!
そうではないんだということを学んで今日にいたっていると…笑
家に帰ったら、手を洗ってうがいをする習慣は日本だけだと…西洋人にはそんな習慣はない…向こうは靴を履いたまま上がってくるので、手を洗うなんて、なんになるんだと思っているに違いない…ハリウッドの映画で主人公が、家に帰ってきて洗面所で手洗いをするシーンをみたことがない…もしあったとしたら、間違いなく、そいつが犯人だと…笑
去年の7月3日、大阪のシンフォニーホールで復帰の高座をし、終わった後に控室で、サインをと言われたから、ああ、サインを書く??と思ったら、お客様がサイン色紙くれると…今まで何千枚とサインを色紙に書いてきたけど、お客様からサイン色紙をもらうのははじめて…と
「アマエビ」とかいてある…私は富山出身、富山は「ホタルイカ」なのになと、よくみれば「アマエビ」じゃなくて「アマビエ」と書いてあったそうな…笑…」そのときは知らなかったと
今は、全国で「アマビエ」を知らない人はいません!新幹線の東京駅ではクッキーになって売っているらしい…
「アマビエ」とは、熊本で、江戸時代、黒船が到着する3年ほど前に、疫病が発生、日本を席巻してたそうな…ある子供の母親も感染し、その子供は海に向かって「かあちゃんの病気を治してくれー」って言ったところ、海からでてきたのが、頭は鳥の形、身体は鱗、要は魚、足が3本、首が横を向いている…そんな妖怪が現れて
「私はアマビエだ…疫病が流行っているようだが、私の姿を絵に書きとめ、一日に一度見続けたら、必ず感染症はなくなる…母の感染もおさまるだろう…なので、日に一度みるがよい…大勢のものが、それをまた書き写し、毎日みるならば、町内から病が去ると
そう言われ、それを書き写して、毎日見続けたら、疫病がなおった…なくなった…そんな伝説があると…
その「アマビエ」のイラストが今、厚生労働省のホームページの最後にある…これは凄いと、オリンピックの時なんか英語でもフランス語でも、全部、HPで訳されている最後に「アマビエ」が載っている!外国人も驚いたことでしょう?これ、何って?…厚生労働省のホームページの一番最後に「アマビエ」…笑
でも、昔からある信じるその気持ちがある…日本人はそういう国なんだと思うと笑わせて
このコロナ禍、マスクして、こんなに集まっていただいてこの様子を外国人がみたら、ステージには座布団1枚、なんだと思うでしょう…招待されているのかと思えば、高い金を払ってと笑わせて
でも、笑うということはスゴイ力があることを知ってるから、みなさんは、こうやってお集まりいただいていると語って
笑う力が凄いというのは…なんでも岡山の病院で、笑い声だけ録音したカセットテープを作って院内で流したところ…患者さんがどんどん退院していったそうな…それは、うるさくていられなくなって退院していったのかはわからないけど…でも、確実に治った人もたくさんいるでしょう…人が笑っているのを聞いているだけで元気になる…自分が笑えば、どれだけ元気になるか、それを知っている日本人だから、西洋人が信じられないことが日本人にはできるということが凄いことだと思う…
もちろん、わからないことはいっぱいある…新型コロナウイルス、オミクロン株がやってくる…これからインフルエンザはどうなるのかわからないけど…何か考えて、自分なりの結論を出す…これが脳の活性化に繋がる…と演目に繋がるようにマクラをまとめて…笑
演目「バールのようなもの」
御隠居と「はっつぁん」の問答から落語がスタート
御隠居に「わからないことをいろいろ聞きに来た」と「はっつぁん」!
「えらいね!」とご隠居さん!
「どうして?」と訊くと「わかんねえということがわかるなんて、たいしたものだ!」とご隠居さん!
さて「はっつぁん」がご隠居に尋ねる…
仲間と呑んだ時「エイヒレ」というこんな安いつまみがあることを知らなくて、初めて食べた…その仲間がの一人が「エイヒレって、海の中のエイのヒレなのか」ってきいてきたけど、「エイ」はどこまでがヒレなのか」と
御隠居さん、くだらないことをきくなといいながらも、「はっつぁん」に言う…まずはヒレとは何なのかを考えな、ヒレとはあったってなくたってどうってことないもの、人間でいえば爪のようなもの、なので、エイを端から順番に切っていって、エイが「痛い」っていったら、そこまでがヒレだ!
人間も爪を切っていって、深爪(ふかづめ)で痛いというだろ、エイはそれを「フカヒレ」って言うんだ…笑
ライオンは身体がシャープなのになぜ、頭がでかいのかと聞くと、「檻から出られないようにするためだ」と
檻が先にあったか…と返せば
そりゃそうだろ、檻がなきゃ、ライオンがウロウロして俺たちの祖先は先に喰われてしまうだろ…
キリンは何故、首が長いのかと聞けば、「頭があんなに高いところにあるからしょうがないだろう」
蚊に喰われると、なぜ痒くなるのかと聞きけば、「痒くならないと、どこを刺されたのかわからないだろう」
風呂の湯はわからない…風呂の湯を入れて、一度見に行くと全然溜まってなく、二度目に見に行くと必ず溢れているのはなぜだろうと聞けば「一度目と二度目の間にもう一度見に行かないから」
さて、ここからが質問の本題
ご隠居!ニュースで気になることがあってと、「はっつぁん」!
「品川区の宝石店に泥棒が侵入し、現金宝石合わせて6500万円相当が盗まれました…犯人は店のシャッターをバールのようなもので、こじ開け、犯人は車で逃走しました」
と訳の分からないニュースがやってたと
ご隠居はいう「人にもの尋ねるときは、もっとゆっくりと、どこがわからんのか、きちんといいな」
「品川区の宝石店に泥棒が侵入し、現金宝石合わせて6500万円相当が盗まれた…犯人は店のシャッターをバールのようなものでこじ開け、犯人は車で逃走しました…わかんないでしょ!」
「品川区の宝石店に泥棒が侵入し、現金宝石合わせて6500万円相当が盗まれた…それはわかる…」
「犯人は…いや、そりゃ犯人まではわからないぞ」
「犯人は店のシャッターをバールのようなものでこじ開け…これわかります…バールはわかる…でも「バールのようなもの」ってのがわからない」と
「バールぐらいオマエも大工なんだから知ってるだろうよ」
「いや、それはバールでしょ?バールのようなものってのがわからないんですよ!」
それは、ニュースだからだよ、ニュースだけ使う妙な言葉があるだろう…たとえば、夏によく言う言葉「気温がウナギのように上昇しています」って「そんなウナギが昇ってる寒暖計みたことあるか!」
暑くなったなって思わせるために言ってると
行楽地で、みな美味しい弁当に舌鼓を打っていましたって…そんな姿みたことあるか…
操作にメスが入りました…メスをもった刑事みたことあるか…
さらに、気になるニュースもあるとご隠居さん
「犯人は犯行をほのめかしています…犯人は、やったかな…なんて言っているのか…」
「この犯人は調べたら狂言強盗でした…」と志の輔さん、ここは狂言のような言い回しで大爆笑!
「犯人はシャッターをバールのようなもの…バールのようなもの…商品名が言えないからかな…金物屋にはバールをバールとは売っていない、メーカーは自分のところを買って欲しいから、「コジアケ―ル」とかあるかも知れないけど…もしニュースで「犯人はシャッターを「コジアケ―ル」で…」と言ったら全国の泥棒が「コジアケ―ル」はいいなってそればかり売れちゃうかも知れない…そればかり売れて犯行が増えていっちゃってもいけないから「バールのようなもの」と言ってるかも…」
「いや、誰も見てないわけだから、「ようなもの」が付いてるんだ」と
「???」の「はっつぁん」
「だったら泥棒のようなものが侵入し、車のようなもので逃走し…」と思った「はっつぁん」に、ご隠居は「くだらない」というが
「はっつぁん」は死活問題だと
検問が始まると「自分の道具箱の中にバールがあるから」と疑われ、それが何度も検問に喰らい、、その結果、現場に遅れて親方に叱られると
「なんだ、そんなこと心配してたのか?お前は心配することはないよ!バールなんだから」
「えぇ…?いや、バールだから疑われるんでしょ」
「なんで?バールのようなものって言ってんだからバールじゃないから安心しなよ!」
「バールのようなって言ったらバールじゃん!」
「いやいや、バールじゃないからバールのようなものって言ってるんじゃないか!」
「いやいや、バールのようなものはバールでしょ!」
「しつこいねぇ…わかんないかな…美味しいものを食べてて、肉のような味がしますね…て言われて、その食べてるものは、肉か?肉を食べてて「肉のような」って言ってたら「頭がおかしい」って思われちゃうかも…肉じゃないから肉のような味っていうんだ」と
「「ハワイのような」と言ってもハワイじゃない!「夢のような」と言ったも夢じゃない…夢じゃないから夢のようだと言うんだ」と
これをきいて「はっつぁん」
バールのようなって言ったらバールじゃないんだ…
検問のときにバールをもってるから話をきかせてといわれたときには、「おまわりさんよ!犯人はバールのようなものを持ってるんだとニュースで言ってたんだ…バールのようなものと言ってるからバールじゃないんだ…このバカ!」って言ってもいいんだ!」
「別の罪で捕まるかも」とご隠居さん
「でも言ってることは間違いない」と
もう遅くなちゃって、帰りが遅いとしなくてもいい夫婦喧嘩をしなくちゃいけないと「はっつぁん」
今、すっきりした…今夜、かみさんは晩飯を作って待ってくれてるような精神状態ではないと
それは
この前、スナックで新人のなつみちゃんというカワイイ子がいてね…これがきれいで品のいいというか…こんな爺のくだらないダジャレにコロコロ笑うと…ホントに気持ちがよくて、毎晩毎晩通っていたと
昨日、たまたま、かみさんが家で飯を作ってて、どうしようかと思ったけれど、ちょっとなつみちゃんに会いに行こうかなと思って、でもそんなことは言えないから、友人のくま公のところへ行くって、スナックに行ったと…
そしたら、うちのかみさんが、こんな遅くまで、くまさんに迷惑だから引き取りに行こうって、俺を連れに、くま公のところに行ったらしい…
クマ公はクマ公で「全然来てないよ」って…
で、スナックにいるから連れて行こうかなんていって、かみさんを連れてきたりして
デュエットでカラオケを歌っているところにかみさんがやってきて…
かみさんは激怒!
いい方法はないかと…そういう気持ちをなだめる方法はないかと…
ご隠居は「ないよ!それだけはわからない」
と額の絆創膏の傷をみせて
「この前、テレビに叶姉妹が出てて、久しぶりにみた叶姉妹みて「大きなお…」までしか言ってないのに、それだけで、ばあさんから茶碗が飛んできてた」と
さて、不機嫌なかみさんの待つ自宅へと帰ってきた「はっつぁん」
かみさんとの話題は、自然と、なつみちゃんのこと
陽気に語り掛ける「はっつあん」
「…何、無駄に明るくしてんのよ!あ、御隠居のとこ行ってたんだっけ?今日の御隠居はカワイかったかい?御隠居っていう妾と飲んできたのかい?妾はどうだった?妾、元気だった?」
「うるさいな、メカケ、メカケって…ホントに御隠居のとこ行ってたんだよ!それにあいつはそんなんじゃないよ!」
「そんなんじゃないって…だったら何なの?嘘ついて飲みに行ってあんな事やこんな事してたんでしょ?妾じゃなかったら何なのよ?」
「だから妾じゃないって言ってるだろ!」
「だから妾じゃなかったら何なのよ⁉️」
「だから〜…ほら、あれだ!妾…妾のようなもんだ!」
「よくそんなことが言えたもんだわ。女房に対して「あれは妾のようなもんだ」なんて!」
「いやいや、落ち着けよ!妾のようなもんって言ったんだぞ?安心しろ!」
「「女のよう」って言ったら女じゃないだろ?だから「妾のような」って言ったら…」
「…妾だよ」
「オマエなぁ…よく考えろよ?「肉のような」味がするからって言ったら肉じゃないだろ?ほら、なっ?だから「妾のような」って言ったら」
「「ハワイのような」と言ってもハワイじゃないし「夢のような」と言ったも夢じゃない…だから「妾のような」って言ったら」
「妾だよ…!」
ダーっと家を飛び出して
慌てて隠居のところに駆け出した「はっつぁん」
「隠居!隠居ーっ!」
「どうしたも何もアンタのせいだよ!!帰ったら飲み屋の女の事をメカケ、メカケって言うから、あれは妾じゃない!「妾のようなもんだ」って言ってやったんだよ!」
サゲはご隠居のこの一言…
「うわー…それ本気で言ったの…?他はどんな言葉でもいいが…妾だけは違う!!妾は「ような」をつけると意味が強まるんだよ!!」
いやあ、笑った!笑った!!志の輔さん!最高!!!
この日の落語会で一番オモシロかったことは言うまでもない!!
さて、これにて第1部は終了…休憩挟んで第2部へと
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