新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

無医地区:現実的には地域と病院の時間的距離をいかに縮めるか・・・

2010-10-24 17:35:26 | 医療

さて、もう一つ書きます。

 

705集落で医師不在=04年より82カ所減―厚労省

時事通信 10月22日(金)21時50分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101022-00000155-jij-soci  

集落内に医師がおらず、近隣に病院もない「無医地区」は、昨年10月末時点で全国に705カ所あったと厚生労働省が22日、発表した。 

 

同省によると、前回調査(2004年12月末時点)より82カ所減った。25道県で減ったが、12府県では診療所閉鎖などの理由で増加していた。 

 

都道府県別では、北海道の101カ所が最多で、広島県53カ所、高知県45カ所、大分県40カ所など。無医地区がゼロの地域は都市部が多いが、新たに佐賀県が加わり6都府県となった。 無医地区の総人口は、前回調査比約2万8000人減の13万6272人で、同省は「巡回診療の取り組みなど成功例の情報交換を進め、医者に掛かりにくい環境の改善を図りたい」としている。  

無医地区は、半径4キロ以内に医療機関が存在せず、最寄りの病院まで1時間以上を要する50人以上が暮らす集落。1971年は2473カ所あったが改善が進み、94年に997カ所となり1000カ所を切った。

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基本的には日本は医者にかかりやすい国(OECDデータでも一目瞭然です)ですが、この記事にあるように「地理的・空間的な問題」はあると思います。

 

ただ、この件に関しても毎回書いていますが「日本」は医者の数が圧倒的に少ないのです。そしてそれをバラバラに分散すれば、各個撃破されるだけです。

 

医者が一人や二人である地域を担当していれば、その医者は過労で倒れます。過労で倒れなかったとしても、人間らしい生活はできなくなります

 

 

人間らしい生活は医者はしてはいけない…医療従事者は人間らしく生きてはいけないというような法律はないはずですが、現実的には「家庭を顧みる」こともできないのが実情だと思います。

 

 

だからこそ、そういう診療科に人が集まらない。

 

日本医師会や厚生労働省が日本は医師は2万4千人足りてない…と言いますが、本当に詭弁だと思います。ついでに言うなら、日本医師会は医者の偏在(地域に関してですね)といっていますが、そんなわけないだろう…と言いたい。

「問題は医師偏在」と改めて強調―必要医師数調査受け日医

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101006-00000014-cbn-soci

だって、世界的に見たら日本は地域格差が少ない国ですよ。ただ、絶対的な医師数が少ないというだけで・・・。

だから、現実的にはこういった地域の方に「本当に困ったとき」に受診できるような救急搬送手段と病院との連携、地域と病院の時間的距離をいかに縮めるかだと思います。

 

たぶん、診療所が1個できた・・・だと、その診療所に大勢の方が押し寄せて大変になると思いますし、診療所で対応可能なものはともかく、対応不能な時に病院との連携がどうなっているかの方が重要だと思います。

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そういう意味では半径4km以内に診療所が1個あるほうが、僕は怖いですけどね。

 

 

それでは、また。

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医学部定員増に関して:大学病院改革が先です

2010-10-24 16:48:09 | 医療

こんにちは

 

先程、女子駅伝をみて刺激を受けて走ってきました(まぁ受けなくても走りましたが)。

昔は1km4分ペースで20kmでも走っていられたものですが、今はやはり4kmくらいしか走り続けられませんね。残りはクーリングダウンに使ってました。

 

大学時代に駅伝で1区 9.5kmくらい(いつも0.1~0.3km変わる)を31分くらいで走っていました。某実業団と一緒にスタートするので、引きずられて入りの1kmを3分切ってしまうなど、毎回痛い展開でした・・・。

 

因みにハーフマラソンも78分くらいが毎回のタイムですが、入りの1kmを3分ちょっと、10kmを35分で入って後半沈没する人です(汗

 

因みに僕のことを知っている人は「ハードル選手」と思っているはず(400mH 56秒台はそこそこのタイム)ですが、典型的な「器用貧乏」です。短距離~長距離、ハードル、跳躍も中途半端にできます。

大学3年の時に2日間で400mH、1500m、3000mSCを予選、決勝と走って死んでおりました。

しかし、高校時代の8種競技は出るとそこそこの順位になってましたw

 

それは置いておいて、走ってきて今は頭もすっきりしてきました。頭がすっきりしたところで、ちょっとBlogを書いていこうと思います。

 

まずはこの医学部定員増に関してです。

 

来年度医学部定員は87人増の見込み―文科省

医療介護CBニュース 10月21日(木)22時39分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101021-00000007-cbn-soci  

厚生労働省が実施した必要医師数の実態調査の結果などを受け、文部科学省は10月21日、来年度の大学医学部の入学定員について、地域の医師不足を解消する目的で、今年度と同様に増員を認めると発表した。両省が大学と都道府県の意向を調べた結果、全国の国公私立大で合わせて87人増える見込み。これにより医学部の総定員数は8933人となる。  

文科省では今年度と同様、▽都道府県の奨学金を活用した選抜枠を設ける大学(各都道府県10人以内)▽大学院教育との一貫した特別コースの設置や奨学金の創設など、他大学との連携で研究医を養成する大学(各大学3人以内、全国で最大10人)▽併設する歯学部定員を振り分ける大学(10人以内、全国で最大30人)―の3つの枠組みで増員を図る。 

増員期間は2019年度までの9年間とし、その後の対応は、終了時点の医師養成数の将来見通しなどを踏まえて判断する。

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僕はあくまで医師数は増やすべきであるという立場は変わりません。それはこのBlogを書き始めた4年前から変わらないです。

 

そして同じころからずっと言っておりますが、今の大学では「臨床」「研究」「教育」の3つをしっかりと行えるほどの人的余裕・物的余裕・時間的余裕はありません。医師数を1.5倍に増やそうといっても、それを教育する施設がなくてはならない。

 

これに対して過去に

 

 

大学病院や地域の病院を改革させる、もしくは改革できるような体制を作らせることが肝要だ

新しい医局制度:全医連に対する期待は・・

派遣の前に:大学への政策を改めよ!

医療連携:縦と横と心

医師増員の意見書:医者を増やすとしてどう増やす?

医師教育制度はどうするべきか?

「ねじれ」と佐藤先生の講演から:医局改革の必要性

医学部定員増を要望:医局員の疲弊から医局完全崩壊するぞ?

医学部定員増加:焼け石に水だが・・・

医学部定員国管理見直し論:いずれにせよ、医局改革が先だと思う

医師の大幅増員を求める署名活動:増員後の対応は可能だろうか?

医局を超えた横の連携実施!:群馬大、4大学と連携

定員増は負担

医師養成数5割増し提言:教育システムの改善は必要不可欠

というような記事を書きました。

 

僕は医師数を増やすために「大学病院」の体制を作り直すこと、医局というものを改革することが先だと思っています。

 

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その後で初めて「医師数増」へ向けての改革ができるのではないかと思っています。

 

では、次に行きます。

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全日本大学女子駅伝

2010-10-24 14:31:28 | Weblog

こんにちは

 

いま、女子駅伝をみていました。佛教大速いですね。

 

医療とは全く関係はないかもしれませんが、陸上競技は大好きです。

基本的には「走ること」が好きです。

 

ということで、走りに行こうと思っています

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では、また。

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