新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

TPPはどれだけ医療に影響を及ぼすか?

2012-03-25 19:20:46 | 医療

続いてTPPの話題です

 

 日本が参加を検討している環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉が難航している。米国など既に交渉に参加している9カ国から日本政府が得た情報によると、焦点の関税撤廃で「本格的な議論を行う状況に至っていない」など交渉対象の21分野の多くが遅れ気味だ。ルール策定が遅れれば、コメなどの扱いで日本の意見を反映させる余地が広がる。日本政府は参加に向けた調整を急ぐ方針だが、国内外に難題を抱え、予断を許さない。【野原大輔】

 TPPは「例外なき関税撤廃」を掲げ、貿易自由化や各種規制の撤廃・共通化など21の交渉分野で高い水準の門戸開放を目指す。交渉は10年3月から始まり、3月まで11回の会合を重ねた。

 ただ、関税分野では2国間の協議にとどまり、全体のルールを議論するに至っていない。米国が砂糖や乳製品で関税の即時撤廃に抵抗しているのに対し、オーストラリアが反発するなど、個別の農産物や工業製品の扱いを巡り、対立する2国間の問題が決着していない模様だ。日本政府によると、「90~95%の品目の関税を即時撤廃し、残りも7年以内に段階的に撤廃」と主張する国が多いが、「即時撤廃は減らすべきだ」との意見もあり、「具体的な内容についての9カ国の合意はまだない」という。

 知的財産の分野でも商標や著作権などのルールをどうするかで意見が割れたまま。米国などは映画などの著作権保護を強化したい考えだが、新興国などは「著作権料の負担が重くなる」などと警戒しているとみられる。

 投資先の国で企業や投資家が不利な扱いを受けた場合、相手国を国際仲裁機関に訴えられる「投資家と国家間の紛争解決手続き」では、乱用を防ぐ仕組みなどの議論が続き、導入そのものへの反対もある。交渉が進展している分野は、対立の少ない貿易手続きの円滑化など限られている。

 ◇日本、国内に根強い反対論

 TPPを主導する米国は「年内の最終合意」を目指しており、「今夏が実質合意に向けた重要な節目」(交渉関係者)との見方が出ていた。一方、日本の参加には9カ国の同意が必要で、日本は9カ国と事前協議を進めているが、日本に農産物市場の開放などを求めている米国やオーストラリアなどはまだ同意しておらず、日本の参加は早くても7月ごろになりそうだ。だが、9カ国の交渉が遅れ、日本の参加が決まった時点でも本格議論に入っていなければ、ルールの大枠が固まる前に日本も議論に加われる。

 もっとも、日本が交渉に加われば、難航している交渉がさらに停滞しかねない。日本はコメなどで関税撤廃の例外扱いを求める考えで、難題が増えるからだ。「ルール作りを急ぐ米国などが日本の交渉参加への同意を遅らせるのでは」(政府関係者)との懸念もある。

 一方、日本国内でも農業団体や与野党のTPP参加反対論が根強い。政府は「日本の意見を反映できる可能性はまだ大きい」と理解を求め、5月の大型連休に想定する野田佳彦首相の訪米までに国内の意見集約を図りたい考えだが、調整は難航しそうだ。

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過去にもTPPに関していろいろ書いてきました。

TPPと医療:医療を売るか?その前に売れるか?

自由診療の弊害:こんなこともあり得るかも

TPP参加に関して思うこと

 

で、最近日本医師会が発表した「TPPに関する日本医師会の見解(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20120314_1.pdf)」を読んだり、本屋でTPP関連の本を読んだりしました。

また、これらの記事を書いている間にも下記のような記事も出ました。

米、TPPで「皆保険不介入」の意向 事前協議前に駆け引き 焦点は自動車

2012.1.20 05:00

 日本の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加をめぐり、米通商代表部(USTR)が、国民皆保険など日本の公的保険制度の変更を求めない意向を示していることが19日、明らかになった。一方、自動車や民間保険分野をめぐっては、米側の業界団体などが日本に市場開放を強く求めている。TPP交渉参加に向け、政府は月内にも米政府との事前協議に入る考えだが、協議を前に個別分野の駆け引きが活発化してきた。

 訪米中の西村康稔衆院議員(自民党)によると、USTR日本担当のカトラー代表補が現地時間18日、西村氏に対し「日本の皆保険制度について米国が何かを言うことはない」と明言。公的保険に“介入”しない意向を示したという。

(以下略)

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国民皆保険(ベース部分)の変更を求めておらず、民間保険会社が市場開放を…と言っている。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定 )はWikiによると医療面は以下のように書かれている。

医療分野においては、小宮山洋子厚生労働大臣が、TPPにおいてアメリカ政府が日本の医療自由化を関心事としている旨を明かしている[84]。 同大臣は、米豪FTA (enにおいてオーストラリアがアメリカより公的医療保険による薬価負担制度の見直しを要求され、市場価格並の高い価格が設定できるよう制度が改められたことを例に挙げており[84]、他に2011年に発効した米韓FTAでもアメリカ側の要請で薬価の見直し機関が韓国内に設置された。TPPにおいても、2011年9月、USTRは「医薬品アクセス強化のためのTPPでの目標」(以下の9項目[85])を公表し、交渉参加国の公的医療保険制度の見直しに向けた決意を盛り込んでおり、アメリカ有力紙の報道によると、米豪・米韓の両FTAより強く薬価を含めた医療の自由化を求めていく方針でいるという[86]

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混合診療や医療の自由化は以前も書きましたが、最終的には「生命の平等に反する」ことに帰結します。薬価の事も書かれていますが、新しい薬剤も手に入る代わりに一般の人間がなかなか使えないという状況になってしまう。

 

だって、新薬は高い。高い薬だが手に入れることができるなら、今以上に承認が遅れるかもしれない。はっきり言えばどうせやるなら、全員ができるようにするべきものであるというだけですね。

ただ、TPPが本当に医療に関係してくるのか。そこが気になるところですが、内政干渉をする権限ではないので、しっかりと日本が拒否するべきものを拒否すればよいような気もするんですけど。

 

そこが良くわからないからなぁ。拒否できるはずのものを、拒否しそこなう気もしないことはなく。ほかに関しては僕は今までも書きましたが、仮に農業が関税自由化で安い農作物が入ってきたとしても、日本産のコメなどは「ブランド化」してむしろよくなりそうな気がするんですよね。

 

だから、僕の頭の中ではTPPは医療以外は問題なく賛成で、医療面のみ「この国の政治家で大丈夫だろうか?」という不安があるだけ。

 

まぁ、やってみなくてはわからないというところではあるのですけどね。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また。

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外国人留学生採用が活発化:将来の日本はどうなるかな?

2012-03-25 18:13:51 | Weblog

こんばんは

 

今日は走ったり、買い物に行ったりしておりました。うちの奥さんの休みに合わせて、いろいろ必要なものを購入しようと思っていましたが、体調不良で来れないようなので。引っ越しの予定も確認していませんし、まだまだやることは多そうです。

さて、本日はこちらの紹介を。

 

 
 来春卒業予定の大学生の就職活動が本格化する中、企業の間で外国人留学生を採用する動きが広がっている円高や電力不足を背景に海外に活路を見いだす企業にとってグローバル人材は欠かせないためだ。製造業だけでなく、小売業、サービス業なども留学生の採用に意欲をみせており、就職難の荒波にもまれている日本人学生はより厳しい競争を強いられている。

 就職情報サービスのマイナビによると、平成24年の新卒内定状況調査(対象企業1757社)で、外国人留学生を採用した(する予定)と答えた企業は10.7%、上場企業では27.1%。25年卒の外国人留学生採用を予定または検討中と答えた企業は32.8%、上場企業では58.6%と前年を大きく上回った。

 リクルートが1月に東京都内で、海外で活躍できる求人イベントを開催したところ、参加者約1700人のうち外国人留学生は344人に達した。

 世界各地で生産・販売を展開する大手製造業はグローバル人材の採用を以前から進めている。しかし、最近では小売業やサービス業も意欲をみせており、百貨店の高島屋では「海外出店計画の中で留学生の意見を反映できるほか、国内でも外国人客への通訳などの必要性が高まっている」(担当者)と話す。

 人気テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の運営会社ユー・エス・ジェイ(大阪市此花区)は「韓国や中国などからの来場者を想定した外国人採用」と説明。ロイヤルホテルは「採用した中国人留学生は現地の代理店営業だけでなく、社内の語学研修でも活躍中」(採用担当者)という。

 学生側も日本企業への就職に関心を寄せており、青山学院大に通う中国の男子学生(25)は「新興国にネットワークを普及する仕事がしたい」と日本の通信業界などを対象に就活中。文化服装学院で学ぶ台湾の女子学生(26)は「日本のファッションを学び、クリエーターとして作品を出したい」と夢を語る。

 ただ、外国人留学生向けフリーペーパー「J-Life」の浅田光博編集長は「キャリアを5年単位で描く外国人が日本で長く働くとは考えづらい」と指摘。キャリア志向の強い外国人は、日本での経験をひとつのステップとする考えもあり、離職を防ぐことが今後の課題となる。

 外国人留学生は大企業や働く場にこだわらず、「自分のしたい仕事」を基準に職を探す傾向が強い。これに対し、日本の学生は海外どころか地元からも出たがらない“内向き”志向が急増しているといわれる。

 「留学生の採用で色々な価値観を取り込み、組織を活性化したい」(大手百貨店)。こんな企業が増える中、内向き・大企業志向の日本人学生の就活は今後さらに厳しさを増しそうだ
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まったく、医療とは関係のない記事ですが、実際に日本人以外の方々が増える、日本人の就職が難しくなると思います。
 
そして積極的に動く一部の日本人は、もしかするとより住みよい場所を探して海外に移住するようになるかもしれません。
 
そんな状態になったときに・・・。日本という国をより良いものにするためにどうするべきなのか。
 
全体的に「日本人」と「日本人以外」という感覚が強い日本という国が、大きく変わるきっかけになるかもしれないとは思います。それが良いことかどうかが、いまいちわかりませんが。書き方が悪いかもしれませんが、僕も含めて多くの日本人って精神的には鎖国状態ですよね。基本は内向き、日本国内のことを考えている。

僕は世界中の人が幸せに過ごせればよいと思っていますが、自分が外の国々に行くイメージがない。少なくとも住む地域は日本だと思っている。

 

それが大きく変わっていくきっかけになるかもしれませんが・・・。英語を重視した今の教育は、もしかすると10年、20年後には目を海外に向ける学生を増やすかもしれません。それはよいことだと思います。新たな視野を広げることは重要だと思います。そして外の国のほうが良いと思った時に、そのまま住み続けて「国籍日本、居住地○○」という方々が増えると、日本の経済が、国がどうなっていくのだろうと思ったりします。

書くと強く批判されそうな、ある種のイメージがちょっとあるのですが、今まで書いたことも含めてイメージをうまく説明できていないと思うので、このあたりで終わらせていただきます。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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なかのひと 

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それでは、また。

 

 

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