新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

生活保護受給者の医療扶助:自己負担の是非は?

2012-11-07 22:14:32 | 医療

こんばんは

 

今日は少し暖かい一日でしたね。立冬のはずですが、昨日よりは温かく感じました。これからもあたたかいままでいてほしいですがw

 

今日も実験だけではなく、とりあえず昔「これは珍しい」「これは不思議だ」と思ったことを調べておりました。それの延長線上にいろいろな話が加わって・・・w

骨髄腫の論文を読みながらある一点に集中して情報をむさぼっていたら、ある言葉が出てきて・・・それで別の疾患の珍しい病態との因果関係がないかしらとまた論文探しをしたり・・・。

そういうことをやっているうちに一日が終わります。

 

で、新婚さんですので必ず晩御飯は食べに帰り、研究室に戻る必要があれば戻ります。札幌で研究していた時のように夜遅くまで残る必要があれば残りますが、今のところは大丈夫そうです。

 

さて、今日はこちらの記事を紹介します

 

 生活保護受給者の医療扶助について、医師の7割超が、医療費の一部を受給者に負担させる制度を導入すべきだと考えていることが7日、医師・医療従事者向けサイトを運営するケアネット(東京都千代田区)の調査で分かった。賛成派からは、生活保護を受けていない低所得者との公平性を指摘する意見が寄せられた一方、現状維持を求める医師からは、受診抑制や、医療費の支払いを拒否された場合に医療機関が負担することを懸念する声などが上がった。

 同社は10月26日、インターネットを通じて医療扶助に対する意識調査を行い、会員医師1000人から有効回答を得た。それによると、「医療費適正化のため、生活保護の医療費の一部を自己負担にすること」について聞いたところ、73.1%が「賛成」で、「違った方法を考えるべき」は15.6%、「現状のままで良い」は11.3%だった。

 自由回答では、「少額でも一部負担にすれば、不要な点滴をしたりする人は減る」「(負担がないと)無駄な薬や検査など、何でも要求してくる。医療費の抑制になる」などと負担導入に賛成する声や、「受診抑制を心配するのであれば、その前に、保険料をきちんと納めているのに窓口負担を心配して受診できないワーキングプアと呼ばれる方々に補助すべき」といった公平性を求める意見があった。また、「原疾患で働けなくて生活保護になっている人は、別に扱うことが必要」「軽症疾患には自己負担を導入し、慢性疾患や重症疾患はこれまで通りにしてはどうか」といった提案もあった。

 一方、自己負担導入への慎重論としては、「受診抑制につながる」「一部の不心得者のために必要な人への援助を削るべきでない。不正をなくすために、役人がきっちり精査すべきだ」といった意見のほか、「結局支払われずに病院の負担になる。(病院への)責任転嫁だ」などの指摘もあった。「一部負担にしたとして、お金を払ってくれない人を診療拒否できるなら良い」との声も寄せられた。【佐藤貴彦】

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双方の意見は本当にその通りだと思います

 

実際に生活保護の方の一部はとんでもない話をしてきたりすることがあります。例えば「受診するのにタクシーで病院に来ているから、理由を書いておいてください」と言われ、逆にタクシーでないといけない理由を尋ねると「遠くて移動が大変だから」と言われたりします。

実際に足が不自由だったり、貧血がひどい人とかはそういう風に理由を書きますが、流石に「遠くて移動が大変だから」とはかけないだろう。

あとは大学病院だからか、扱っている疾患からか薬を要求されたことはないですね。しかし、そういう方がいるのは事実です。

 

しかし、書かれているように慢性疾患の一部や悪性腫瘍などでは生活に支障をきたし、生活保護になってしまうような方もいます。そういう人たちの保護を…というのは必要だと思います。

 

まぁ、それがすべて公平かといわれると・・・公平ではないのですけど。

 

生活保護を受けていない低所得者との公平性という意味では、自己負担を軽症の疾患では導入するというのはありなのかもしれません

病院への負担増という話もありますが、自己負担1割が病院の持ち出しになるのかどうかは・・・わかりません。仮に多くの生活保護の方が受診をして・・・1割だけ取り損ねる場合…損得の意味ではどうなのかは知りません。

ただ、医師としてはあまり「病院への(負担の)転嫁」とか「診療拒否できるなら良い」とかは考えたくはないとも思っています。

 

なんだかんだいって、評価機構のようなものが必要なんですかねぇ・・・。しかし、診療内容を生活保護受給者に関してはチェックされるとかになると…プライバシーもないのかということになりかねないですね・

 

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2012-11-05 21:14:00 | 医療

さて、先週の記事ですが気になったので紹介します。

 

 医師不足から伊賀、名張両市の3総合病院による時間外2次救急輪番制が始まって4年半余り。その一角を担う伊賀市立上野総合市民病院は、非常勤医の確保やスタッフ個々の努力で診療態勢を維持するが、根本的に危機的状況を脱していない。慢性的な赤字経営でもあり、毎年数億円規模の負担が市財政にのしかかる

 「最近は救急患者の受け入れを、はなから断られることはなくなった。心理的にかなり助かっている」。山中治紀・市消防長は、市民病院の姿勢に変化を感じている。
 搬送先の病院が決まらなければ、救急車は出発できない。受け入れ先の確保は、一刻一秒を争う現場の救急隊員にとって切実な問題だ。10年3月には、救急車に収容された市内の女性が県内外の7病院に受け入れを断られ、病院到着前に死亡する問題も起きている。
 市民病院はかつて、輪番制の担当日でも「処置多忙」などを理由に受け入れを断る場合があった。だが、昨年1月に就任した三木誓雄院長は「原則受け入れ」方針を打ち出した。救急患者を可能な限り地元でみるのが使命、との思いからだ。
 とはいえ、医師確保は依然綱渡り状態が続く。常勤医は10年8月、過去最少の10人にまで減少(現在は14人)。11年7月からの半年間は、内科常勤医がゼロとなる非常事態に陥った(同1人)。非常勤の応援医は約50人で、4年前より倍増したものの、「原則受け入れ」はスタッフの努力と負担の上に成り立っている面が大きい。
 一方、輪番制のパートナー・名張市立病院は今年度、常勤医34人と開院以来最多となった。この差はどこにあるのか。一因として、同市立病院が厚生労働省から臨床研修病院に指定されていることが挙げられる。指定のない市民病院は、新卒の研修医を受け入れられないからだ。
 また、経営面でも大きな課題がある。昨年度は市の一般会計から11億4800万円の繰り入れがあったにもかかわらず、1億3800万円の累積赤字を計上した。今年度は患者の受け入れ増などで約4億円の収支改善を見込むが、繰り入れは避けられそうにない。
 打開策として、三木院長は、専門のがん治療によって病院の特色を出そうと考えている。昨春、全国でも珍しい「がんサポート・免疫栄養療法センター」を設立。国立病院や英国の大学病院で、市民病院の医師が研修を受ける環境も整えた。三木院長は「特色ある病院づくりが進み、常勤医を呼べる環境が整いつつある。来年1年が勝負だ」と語る。【伝田賢史】
〔伊賀版〕
11月2日朝刊

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どうしても常勤医が少なければ病院の収入は減りますよね。応援・・すなわち非常勤医が多くても収入は外来患者さんが主体になると思いますし、おそらく支出はどうしても人件費の割合が大きくなってしまうのではないでしょうか。

 

病院の特色を出すことですごく収入増が見込まれるのかは僕はわかりません。ただ、患者さんや医師がそういうところに集まるようになれば、多少は改善するのではないかと思っています。

 

もちろん、教育環境を整えることもとても重要だと思いますし、そういうことを巣r上司がいる病院は伸びていくのではないかとも思いますが・・・。

 

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医学を楽しむ

2012-11-05 21:11:22 | Weblog

こんばんは

 

今日から新しい実験(というほどでもないですけど…やりたい実験はすべての準備ができてから)を開始しています。ちなみにある試薬を某有名な研究試薬会社から購入しましたが、添付文書が付いておらず。ネット上のPDFファイルにも保存方法が書いてなかったので、電話しました。

「あの~○○という試薬を購入したものですが、調べても保存方法などが書かれていないのですが教えていただけますか?」

と聞いたところ

「調べてみましたが、溶媒に関していろいろあるものの、それぞれの保存方法は我々も情報をもっていません

といわれ、思わず

「・・・今までに僕と同じようなこと聞いた人いませんでしたか?」

「いえ、10万以上の試薬を扱っているので、可能性はありますが・・・。」

「了解しました。何とかします」

というようなやり取りになり、おそらく大丈夫なはずのDMSOで溶解して‐30℃保存としました。

 

それを使って他の論文にも書かれている実験系を確認しています。とりあえず濃度を振って、次に時間と。まぁ、5年前も同じようなことをやっていたわけですが・・・。今回はネズミさんでもCell lineでもなく患者検体を扱う予定なので、ともかく無駄にしないようにできるだけの準備をして…という段階です。

僕は採血性貧血になりそうですがw

 

で、あいている時間で論文書いたり、論文を調べたりです医療・医学が好きなので、論文を読んだり調べたりするのが楽しくてしょうがない今日この頃です

実はまた、ネタをいろいろ見つけていまして・・・。臨床をやっていたころは朝7時出勤、夜12時帰宅のような生活を3年間やっていて、論文を調べても書く時間がありませんでしたが、その時のいろいろな経験や思ったことをいろいろ調べてみたいと思っています

 

正直、医者でよかったと思う今日この頃です。僕にとっては医療に携わっていると、毎日が楽しくてしょうがありません。実験してても楽しいし、調べ物も楽しいし、臨床もできたらなお楽しいのだろうなぁ・・・。

 

臨床していたら他をする時間がなくなるかなw

 

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医師偏在解消:偏在というのね・・・

2012-11-01 23:25:22 | 医療

こんばんは

 

先ほど帰ってきました。今日は調べものが主体になりましたが、面白い知識などがいろいろ入ってきてインスピレーションがわいてきました。まぁ、もう少し調べないとうまくリンクするかはわからないのですが。

あとはFlowjoというソフトを初めて動かしましたが、なんとなくわかりました。ただ、もう少し詳しくなるともっといろいろできるのだろうなぁと思っています。

 

さて、本日は時間も遅くなってきているので、こちらの記事の紹介だけ。

 

 日本医師会(日医)の横倉義武会長は28日、東京都内の日医会館で開いた臨時代議員会で、今後、日医として取り組む医師偏在解消策として、医師が地域医療に従事する仕組みを整えることなどの「4つの提言」を発表した。同日の臨時代議員会では、日医の2011年度決算、来年4月の公益社団法人への移行と、それに伴う定款などの変更が、それぞれ承認された。

 横倉会長は、医師の偏在解消への意欲を示した上で、「4つの提言」を示した。この提言には、▽地域医療の経験をキャリアアップの要件にする▽医療事故を刑事訴追の対象にしない▽医師が勤務しやすい就業環境の整備、特に急増している女性医師への支援▽初期臨床研修のマッチングの見直しーを盛り込んだ。

 横倉会長は特に、日医の考える医療事故調査の在り方について、「診療行為に関連した予期しない死亡の調査は、個人の責任を追及することが目的になってはいけない。医療事故の原因究明と再発防止、それにより医療の質と安全を向上させて、医療の透明性、信頼性の確保を目的にしなくてはならない」と強調した。【君塚靖】

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とりあえず「あくまでも医師偏在」だとするのか・・・と思っています。まぁ、成り立っているうちはそういうのでしょうけど。

 

まぁ、ある意味当たり前のことではあるのですが、医療事故調に関しては「システムの改善」を目的にしなくてはならないと思います。

あと・・上の4つについては地域医療の経験がどう生きるかは医師によりけり、その場所でどのような指導を受けるかによると思います

正直どこの病院に行っても同じような研修になるとは思えないので、何を目的にどういう病院に行くかははっきりさせないといけないと思います。

 

まぁ、イメージはあると思うのですがw

 

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