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アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ウォッカを飲んで、除染して。

2016年03月09日 | 生活
さっき昼食を買いにコンビニへ行ったら、「森林除染 里山に拡大」という読売新聞の見出しが目に留まった。

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環境省の有識者会議では昨年12月、住宅などの生活圏から約20メートル以上離れた森林は土壌流出の危険があるとして原則、除染はしない方針を決定したそうなんだけど、それに反発が強かったんで(だんだん近くなる選挙も気になるので?)除染の範囲を拡大するということらしい。

その見出しが特に目に留まったのは、ちょうど今朝の電車の中で読んでいた本に除染の話が載っていたからで…ただし日本の話ではなくてチェルノブイリですが…
(以下、「チェルノブイリの祈り 未来の物語」(スベトラーナ・アレクシエービッチ)より)

「廃棄物埋設地というのは複雑な工学的構築物なんだと思っていたら、ただの丘なんです。ぼくらは表土をはがし、じゅうたんのように大きくロール状にくるくる巻いた。草や花や根っこがついたままの緑の芝生を甲虫も、クモも、ミミズもくっつけたままで。こんなことは狂った人間のやることです。大地をすっかりはぎとっちゃいけない、大地からすべての生き物を奪っちゃいけないんです。毎晩酔いつぶれるほど酒を飲まなかったら、耐えられたかどうか。神経が持たなかったと思いますよ。」(イワン・ニコラエビッチ・ジゥムィホフ 化学技師)

彼は、除染に駆り出された人なんだけれども、突然呼ばれて放射線のこととかほとんど説明なく、ただウォッカは多めに飲まなくちゃならん、放射線に効くからとか(!?)でせっせと飲み、

そのうちわかってくるわけです。この空しく厳しい作業をするには、お酒の力でも借りなきゃやってられないってことが。

「土のなかに土を葬る、なんとも不可解な人間のなせる業。通達に定められていたのは、地質調査を行い、地下水脈からすくなくとも四メートルから六メートルはなして埋めること。深く埋めないこと。穴の周囲と底にシートを敷き詰めること。でも、これは通達のなかのこと。現実は、当然のことながら、べつなんです。いつものことです。地質調査はいっさいなし、指さして「ここを掘ってくれ」。掘削機の運転手が掘ります。「どれくらい深く掘ったのですか?」「そんなこと知るもんか。水が出てきたから、そこでやめたよ」。汚染された土は地下水のなかにじかに放り込まれたのです。」(ゾーヤ・ダニーロブナ・ブルーク 環境保護監督官)

日本でならもっとまともな除染作業がされている(はず、と信じたい)けれど前にテキトーにやってたのがバレで新聞ネタになっていた。別にズルをした下請け(かどうかわからないけれど)が人というわけではなくて、「検品」がなければ納品物の品質がいい加減になっていくのは世の常かと思う。

除染をするとなると、
・どのくらい実際に効果があるのか?
・汚染土はどこにどうやって捨てるのか?
・土壌をはぎとられたあとの土地はどうなるのか?
・いくらかかるのか?
・誰が払うのか?
…などなど、いずれもたいへんやっかいな問題がたくさん出てくる。

たとえばわかりやすい例でいうと、たまたまどこかの保育園の園庭で放射線が強く出ているところが見つかって、園庭の砂地を剥いで廃棄して、新しい砂を敷き詰めなおしたらば通常の値に戻ったとしましょう。この話はそんなに空しくない。まったく空しくないかといえばそんなことはもちろんなくて、そもそもばらまいたものを回収しようという作業自体が空しいわけだがそれはおいとくとして…

狭い範囲で、
特別に安全を期したい理由がある(=放射線の影響を受けやすい乳幼児が長時間滞在する)

という条件があるので、なんとか(誰かが)負担できる範囲の費用で、処分できる程度の分量の廃棄物で、一歩前に進むことができる。

ここいらへんなら、たいして反対意見もなさそうだけど。

徐々に範囲を広げていくと、もう借金で首が回らない。
こういう線引きならみんなで納得できそう、というのがまったく思い当たらない。

空しい。

やっぱり効くのはウォッカくらいかなぁ…

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コメント (1)
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