昨日の夜、ブログ(もちろんピアノの)を書こうと思っていたんだけれど、ついニコニコ生放送の藤井対瀬川を見始めたらもう目が離せなくなって、そのまま寝る時間になっちゃいました。
←ギリギリの勝負をしながら二十何回勝ち続けるとかちょっと想像つかない
藤井四段は、まだ中学生のプロ棋士で、まぁ中学生のうちにプロになるだけでもレアものだけど、プロになってからの公式戦が負け知らずの25連勝(昨日の時点で)。なんだそりゃ。
対する瀬川五段は、プロ棋士を目指して奨励会にいたときにはどうしても上がれず年齢制限で無念の退会。一般の会社に就職してしばらくはアマ棋士として活躍していたんだけれど、まぁやっぱ強いんですごく勝ってて、オープン戦でプロにも勝ったりしてるうちに結局諦めきれず異例のプロ編入。
そのいきさつは「泣き虫しょったんの奇跡」という本で私も読んだけれど、「狭き門」どころか壁に門をブチ開けたようなプロ入り。
いわば早咲きと遅咲きのガチンコ対決、こりゃお互いに負けられない戦い。しかも舞台は順位戦。順位戦リーグというのは、棋士の生活のベースがかかっているという意味でいちばん重い戦いなのだ。
その順位戦が…しかもC級2組という一番下のクラス、さらにリーグ初戦という、公式には一番扱いが軽くておかしくない対局が生放送で見れちゃう。こりゃいい時代になったものです。一昔前までのビジネスモデルでいうと、各棋戦には新聞社がスポンサーとしてついていて、新聞社はお金を出す代わりに対局内容を新聞に載せるわけです。今はそれだけじゃなかなか立ち行かなくなってきて…
ニコ生のような新しいメディアがくっつくことによって、新たなファン層(市場)も生まれるわけですね。
対局の様子がライブ配信されているのですが、そこに解説者(男性プロ棋士)と聞き手(女流プロ棋士)が加わっている体勢はたとえばNHK杯選のようなスタイルと同じです。ただし、解説者も聞き手も素のままのぐだぐだ進行で、まったくもってプロの番組作りとはいえませんが、視聴者のコメントが流れたりするところが既存メディアと違うところです。
解説者が次の手に悩むと「何かいい手を思いついたらコメントしてください~」なんてのもアリなわけで(^^;; あと、今時ですから現状の進行をパソコンに入力していて次の一手や形勢評価なんかさせてる人も多いです。そういった情報がコメントで流れたりするのがおもしろいです。
そう、いまやコンピューターのほうがプロ棋士より強いらしいって話になりつつありますが、そんなこととは関係なく人間には読みの限界もオチも感情もあるわけですから、盤上の勝負はやっぱり生々しいのです。
昨日の将棋は、瀬川の研究手順に藤井が乗っかった形で始まり、一時はこれ、藤井は指す手ないのではという局面で長考に沈んだところもあったそうです(そのへんは見てない)。それが、うまく打開したあとはやや藤井形勢よし(コンピューターくんの判定によれば)な局面が、でもそれ以上離れずに続き、そして藤井くんに見落としがあり突然、局面はイーブンかやや瀬川良しか? というところに来ます。
こちらは局面のよしあしについて解説者やコンピューターの助けを借りて理解しているわけですが、もちろん対局者はそんなこと知りません。でも瀬川の自陣桂が勢いよく中断に跳ね出したところで藤井の表情は明らかに「しまった」という様子に変わりました。
そこからのいろんな変化を解説者が示したりするのを聞くと、どうもこれ藤井の連勝は25でストップではという気がしてきたのですが、というか流れはそんな雰囲気になっちゃってますが、そんなところでめげるようなら彼はこんなとこまで来られてません。ということらしい。
そこからミスなく指して、逆転したかと思ったけど案外難しいね、というところで今度は瀬川に一失あって…これは致命的だったようです。そこからは間違えてもらえませんでした。
将棋の内容についてはここでは書きませんが(書けませんが)、特に桂馬と馬の活用においてシビレる局面が多く、濃くて華麗な一局でした。
解説者は(強い人なんですけど)気楽な立場でしかもしゃべるほうにも気をとられてますからいい加減で読み抜けも多いですが、さすが対局者はよくヨンでいます。対局者同士はもちろん言葉を交わすこともないのですが空気が共有されていて、「形勢は空気に書いてある」状態。それはまた時間の消費(指し手のリズム)にも表れます。
そんなことが感じられ、音楽だけじゃなくて将棋もライブだねぇ、と思った次第です。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
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藤井四段は、まだ中学生のプロ棋士で、まぁ中学生のうちにプロになるだけでもレアものだけど、プロになってからの公式戦が負け知らずの25連勝(昨日の時点で)。なんだそりゃ。
対する瀬川五段は、プロ棋士を目指して奨励会にいたときにはどうしても上がれず年齢制限で無念の退会。一般の会社に就職してしばらくはアマ棋士として活躍していたんだけれど、まぁやっぱ強いんですごく勝ってて、オープン戦でプロにも勝ったりしてるうちに結局諦めきれず異例のプロ編入。
そのいきさつは「泣き虫しょったんの奇跡」という本で私も読んだけれど、「狭き門」どころか壁に門をブチ開けたようなプロ入り。
いわば早咲きと遅咲きのガチンコ対決、こりゃお互いに負けられない戦い。しかも舞台は順位戦。順位戦リーグというのは、棋士の生活のベースがかかっているという意味でいちばん重い戦いなのだ。
その順位戦が…しかもC級2組という一番下のクラス、さらにリーグ初戦という、公式には一番扱いが軽くておかしくない対局が生放送で見れちゃう。こりゃいい時代になったものです。一昔前までのビジネスモデルでいうと、各棋戦には新聞社がスポンサーとしてついていて、新聞社はお金を出す代わりに対局内容を新聞に載せるわけです。今はそれだけじゃなかなか立ち行かなくなってきて…
ニコ生のような新しいメディアがくっつくことによって、新たなファン層(市場)も生まれるわけですね。
対局の様子がライブ配信されているのですが、そこに解説者(男性プロ棋士)と聞き手(女流プロ棋士)が加わっている体勢はたとえばNHK杯選のようなスタイルと同じです。ただし、解説者も聞き手も素のままのぐだぐだ進行で、まったくもってプロの番組作りとはいえませんが、視聴者のコメントが流れたりするところが既存メディアと違うところです。
解説者が次の手に悩むと「何かいい手を思いついたらコメントしてください~」なんてのもアリなわけで(^^;; あと、今時ですから現状の進行をパソコンに入力していて次の一手や形勢評価なんかさせてる人も多いです。そういった情報がコメントで流れたりするのがおもしろいです。
そう、いまやコンピューターのほうがプロ棋士より強いらしいって話になりつつありますが、そんなこととは関係なく人間には読みの限界もオチも感情もあるわけですから、盤上の勝負はやっぱり生々しいのです。
昨日の将棋は、瀬川の研究手順に藤井が乗っかった形で始まり、一時はこれ、藤井は指す手ないのではという局面で長考に沈んだところもあったそうです(そのへんは見てない)。それが、うまく打開したあとはやや藤井形勢よし(コンピューターくんの判定によれば)な局面が、でもそれ以上離れずに続き、そして藤井くんに見落としがあり突然、局面はイーブンかやや瀬川良しか? というところに来ます。
こちらは局面のよしあしについて解説者やコンピューターの助けを借りて理解しているわけですが、もちろん対局者はそんなこと知りません。でも瀬川の自陣桂が勢いよく中断に跳ね出したところで藤井の表情は明らかに「しまった」という様子に変わりました。
そこからのいろんな変化を解説者が示したりするのを聞くと、どうもこれ藤井の連勝は25でストップではという気がしてきたのですが、というか流れはそんな雰囲気になっちゃってますが、そんなところでめげるようなら彼はこんなとこまで来られてません。ということらしい。
そこからミスなく指して、逆転したかと思ったけど案外難しいね、というところで今度は瀬川に一失あって…これは致命的だったようです。そこからは間違えてもらえませんでした。
将棋の内容についてはここでは書きませんが(書けませんが)、特に桂馬と馬の活用においてシビレる局面が多く、濃くて華麗な一局でした。
解説者は(強い人なんですけど)気楽な立場でしかもしゃべるほうにも気をとられてますからいい加減で読み抜けも多いですが、さすが対局者はよくヨンでいます。対局者同士はもちろん言葉を交わすこともないのですが空気が共有されていて、「形勢は空気に書いてある」状態。それはまた時間の消費(指し手のリズム)にも表れます。
そんなことが感じられ、音楽だけじゃなくて将棋もライブだねぇ、と思った次第です。
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