「子供の情景」レクチャーコンサート無事終了(^^) 濃かった
←宝物のような曲集です。ということがよくわかりました
弾き参加8名、聞き参加2名で行われました。「子供の情景」全13曲を弾き参加の人が分担して弾きながら「より素敵になる弾き方」をガイドするレクチャーを聞いてゆき、最後にartomr先生による全曲演奏で〆。
artomr先生は、A4びっしり16ページに渡る自作資料を携えて現れました。びっしりってのは…誇張ではありません。文字ですべて言い尽くそうとするノリは、卒論か修論かという雰囲気です。せんせい! 老眼だし根気がないのでこれ読み切れません!!
しかし今日は実演を自在に混ぜて具体的に語っていくので、ほとんどこの文章に盛り込まれていたことは聞いていてつかめるレクチャーコンサートだったと思います。とりわけ、私がブログ記事でここまで、アナリーゼは教えてもらってもそれでどう弾くかわからないからそこんとこ詳しく!! と強調していたのを受けて、滅多に見られない具体的なレクチャー(+実演)となりました。
そもそも、分析(アナリーゼ)なにそれおいしいの?? という話ですが…
「正確だけれど不毛な分析より、間違った分析の方を私は選びますね」(「エクラ/ブーレーズ: 響き合う言葉と音楽」)
というブーレーズの言葉を引用してレクチャーは始まりました。つまり、分析しようとするとつい「正解」を求めたくなったりするものですが、音楽学者じゃないので(プロアマ問わず、演奏をしようという人であれば)、演奏に生きる分析じゃなきゃしょうがないということです。
たとえば、楽譜にrit.と書いてあるわけではないけれどほんのわずかルバートするっていうことはよくありますが、それを「気分」でやるのではなく、アナリーゼした結果の何かに基づいてやるということです。そうしたほうが、他人に説明できる…ということは、ピアノ教師ではない私には関係ないですけど、結局弾いたときの説得力(自然に豊かな表現がされていると感じられる)として生きてそれが素敵な演奏になるということです。
あるいは、和声を分析することによって、その変わり目でペダルを踏みかえるという原則から、おおまかのところのペダルの踏み方は明らかになりますが、もちろんそれだけではありません。もうちょっと詳しくいうと、たとえば意外な進行のところは、その響きがよくわかるように踏み方を工夫したらいいかもしれません。ただし、アナリーゼの結果が仮に「ひとつ」であってもその「工夫」はひとつに決まっているわけではない。ということではありますが。
そういったもろもろのことは、もちろん今までの多くのレッスンの中で、細々と体験的には知っていた部分もかなりあったはずなのですが、こんなに一貫して、演奏と、言葉や図も使って詳細に説明してもらったことはありませんでした。今回、こうやってまとめて聞いてみて、
楽譜に明示的に書かれていること(誰が見ても同じことが読み取れるはずの部分)
楽譜に暗示的に書かれていること(音楽がよくわかっている人にとってはあらかた共通して読み取れるはずの部分)
作曲者が意図したかもしれないこと(研究者によっても意見が異なりそうな部分)
という重層的な「譜読み」がかなりはっきりした輪郭を伴って見えた気がしました。
「妄想を膨らませて弾く」というのができなくてごちゃごちゃ考えていたことがありましたが、結局のところ、妄想というよりこの三番目の層までの譜読みができれば、それに沿って「想像」していけば十分、演奏に役立つ「妄想」が膨らんで、しかもそれは音楽の作りにちゃんと沿ったものになるという寸法です。なるほど。
冒頭に述べられたように、ブーレーズの言うところの「間違った分析の方を」という姿勢で切り込んで語っていたartomr先生ですが(別に上記の三層をごっちゃにして語っていたという意味ではない)、論旨の展開はクリアで、非常に納得できるものでした。
そして、その語りを聞いたあとに、やおらまとめて先生の演奏を聞くと、すごく素敵だった!!(^o^)/
ばっかいず世話係さん「音楽の素養が足りないので演奏だけ聞くとすーっと流れていって眠くなったりしちゃうところ、レクチャーコンサートだとこんなにおもしろく聞けるとは」
よしぞう「説明を聞いていて、ここのフェルマータではこのくらい間をとる、と想定して聞いていたらどんぴしゃりのタイミングで弾かれていて気持ちよかった」
充実のレクチャーコンサートでした。artomr先生お疲れ様でした。
(レクチャーの大きな柱だった、調性についての話は長くなりますので別記事に)
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←宝物のような曲集です。ということがよくわかりました
弾き参加8名、聞き参加2名で行われました。「子供の情景」全13曲を弾き参加の人が分担して弾きながら「より素敵になる弾き方」をガイドするレクチャーを聞いてゆき、最後にartomr先生による全曲演奏で〆。
artomr先生は、A4びっしり16ページに渡る自作資料を携えて現れました。びっしりってのは…誇張ではありません。文字ですべて言い尽くそうとするノリは、卒論か修論かという雰囲気です。せんせい! 老眼だし根気がないのでこれ読み切れません!!
しかし今日は実演を自在に混ぜて具体的に語っていくので、ほとんどこの文章に盛り込まれていたことは聞いていてつかめるレクチャーコンサートだったと思います。とりわけ、私がブログ記事でここまで、アナリーゼは教えてもらってもそれでどう弾くかわからないからそこんとこ詳しく!! と強調していたのを受けて、滅多に見られない具体的なレクチャー(+実演)となりました。
そもそも、分析(アナリーゼ)なにそれおいしいの?? という話ですが…
「正確だけれど不毛な分析より、間違った分析の方を私は選びますね」(「エクラ/ブーレーズ: 響き合う言葉と音楽」)
というブーレーズの言葉を引用してレクチャーは始まりました。つまり、分析しようとするとつい「正解」を求めたくなったりするものですが、音楽学者じゃないので(プロアマ問わず、演奏をしようという人であれば)、演奏に生きる分析じゃなきゃしょうがないということです。
たとえば、楽譜にrit.と書いてあるわけではないけれどほんのわずかルバートするっていうことはよくありますが、それを「気分」でやるのではなく、アナリーゼした結果の何かに基づいてやるということです。そうしたほうが、他人に説明できる…ということは、ピアノ教師ではない私には関係ないですけど、結局弾いたときの説得力(自然に豊かな表現がされていると感じられる)として生きてそれが素敵な演奏になるということです。
あるいは、和声を分析することによって、その変わり目でペダルを踏みかえるという原則から、おおまかのところのペダルの踏み方は明らかになりますが、もちろんそれだけではありません。もうちょっと詳しくいうと、たとえば意外な進行のところは、その響きがよくわかるように踏み方を工夫したらいいかもしれません。ただし、アナリーゼの結果が仮に「ひとつ」であってもその「工夫」はひとつに決まっているわけではない。ということではありますが。
そういったもろもろのことは、もちろん今までの多くのレッスンの中で、細々と体験的には知っていた部分もかなりあったはずなのですが、こんなに一貫して、演奏と、言葉や図も使って詳細に説明してもらったことはありませんでした。今回、こうやってまとめて聞いてみて、
楽譜に明示的に書かれていること(誰が見ても同じことが読み取れるはずの部分)
楽譜に暗示的に書かれていること(音楽がよくわかっている人にとってはあらかた共通して読み取れるはずの部分)
作曲者が意図したかもしれないこと(研究者によっても意見が異なりそうな部分)
という重層的な「譜読み」がかなりはっきりした輪郭を伴って見えた気がしました。
「妄想を膨らませて弾く」というのができなくてごちゃごちゃ考えていたことがありましたが、結局のところ、妄想というよりこの三番目の層までの譜読みができれば、それに沿って「想像」していけば十分、演奏に役立つ「妄想」が膨らんで、しかもそれは音楽の作りにちゃんと沿ったものになるという寸法です。なるほど。
冒頭に述べられたように、ブーレーズの言うところの「間違った分析の方を」という姿勢で切り込んで語っていたartomr先生ですが(別に上記の三層をごっちゃにして語っていたという意味ではない)、論旨の展開はクリアで、非常に納得できるものでした。
そして、その語りを聞いたあとに、やおらまとめて先生の演奏を聞くと、すごく素敵だった!!(^o^)/
ばっかいず世話係さん「音楽の素養が足りないので演奏だけ聞くとすーっと流れていって眠くなったりしちゃうところ、レクチャーコンサートだとこんなにおもしろく聞けるとは」
よしぞう「説明を聞いていて、ここのフェルマータではこのくらい間をとる、と想定して聞いていたらどんぴしゃりのタイミングで弾かれていて気持ちよかった」
充実のレクチャーコンサートでした。artomr先生お疲れ様でした。
(レクチャーの大きな柱だった、調性についての話は長くなりますので別記事に)
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