月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

雀の行進と餌づけ

2020-11-15 23:09:00 | コロナ禍日記 2020






ある日。8月6日(木曜日)晴れ

 

朝、7時半に起きる。ヨガ、瞑想。

 

仕事をしていたら、チーチー、チーチーという声で訴えかけられ、みるとベランダの柵の上に、スズメがこちらに向かってくちばしをむけて、何やら懸命に訴えかけている。

 

あらら、呼ばれてるわ。「しゃーないわね」と小皿(瓦の破片)に神棚の上に置く米粒をスプーン1杯。パパさんがいるときはいつめ米粒を置いているから慣れたもので、こうして呼びかけられるのだ。

 

母すずめが、息子娘すずめ(あるいは他所の子か彼女か!)をつれて来て、口のなかにいれてやるところや、3羽のすずめが、口の中を互いにつつきあって、真ん中のすずめと両端2羽を器用にも交互に情熱的なキスのやりとりをしているところも見せてもらった。赤い舌か喉の奥までさしだす自然体での密着具合。面白いな自然の生物を観察するのは。ずっと見ていられる。

 

 

この日は、11時くらいから8時半くらいまで何度か休憩をはさみながら、(請求書をだしに郵便局にはいったが)通しで仕事をして過ごす。

実はこういう時のほうが気分もあたまも快適にうごく。

夜に夢をみても、つまらない夢ではなくて後々記したくなるほど、おもしろいストーリーを見られるのだから。脳は神秘的、摩訶不思議だ。

 

夜ごはんは鶏肉とじゃがいも、たまねぎ、ピーマンのトマト煮、豆腐サラダ、

ブルゴーニューの赤ワインを、グラスに2杯。熟成した深い赤。ぶどうのとろんとしたなめらかで若々しくエレガントな果実味が、トマト煮と最高に合う。イタリア人は毎日こんなうまいものを食べているのだ、食卓が華やぐとはこういうことか、と思いながら気分よく、飲み、読書をする。






「お盆中、原稿依頼をしてもいいですか?」と東京の編集部から連絡あり。少し迷うが、了承した。

 

1時に就寝。

 

 

 


耳と耳が起こすソリューション

2020-11-15 01:47:00 | コロナ禍日記 2020





 

 

8月3日(月曜日)晴れ

 

蝉の声で眼が覚める朝。夏はだから幸福だ。

起きてすぐ、ヨガも瞑想もしないで、担当している小誌の特集企画を考える。「あす提出するから、なにか思いついたらメールをお願いします」とチームの人からメールが来ていたのを、連動させていた携帯メールをみて知り、速攻でオンモードに入る。

 

11時までかかってどうにか提出。

すぐデザイナー女子から、その件で電話。近況報告にはじまって、つらつらと40分話す。話せてしまう相手と、すぐに話し出せない相手がいる。前者はたいていのことは明るく聞いてくれるから。(相鎚が明るいと調子にのるし、返しも面白い)見えないという耳と耳の間のソリューションもいいのだ。

のちにディレクターの人ともやりとりし、12時半には完成形で提出を済ませる。

 

きょうは、新しい紅茶を開封した。




ウーフさんのリザヒル茶園のダージリン、ファースト・フラッシュ(春摘み)。

 

タルザム茶園のものと比べて、もっと若々しい味と香り。繊細で、薄いタンニン。楚々と消えてしまう清純で、つかみどころのない草原の少女みたいなお茶。茶葉を多めにいれて、3分のところを倍の6分くらいでちょうどいいようだ。

 

原稿ばかり書いていて、夕食は、万願寺唐辛子とたまごのピラフ、シーチキンとタマネギのサラダ。以上。たまにはこんな日があってもいいじゃないか。

 

1時半に就寝。