2022年11月3日、プロローグ横浜公演の前日に綴ったものです。
記録としてブログにも残しておこうと思います。
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北京落ちなもので羽生くん人気というものがこれほどだということを知らず、プロ転向からのアレコレにひたすら圧倒され、驚かされてきた。でも今回、プロローグへ向けてファンに寄り添ってくれる細やかな心配り、随所で大切にされているとひしひしと感じられるような誠実さに、彼が長きにわたってこんなに多くの人に愛され続けている理由を、身をもって知った。
いや、こんなに大勢のファンを抱えたスターアスリートが、こんなにも全力でファンの気持ちに応えようとしてくれるなんて、愛されないわけないじゃん。スケーターとして誰よりも研ぎ澄まされていこうとも驕ることなくさらなる高みを目指し、どれほどつらいことがあろうとも感謝の気持を持ち続け、人としての理想と高潔を貫く姿は、言葉もないほどに美しい。
この至高の一輪を育てるために、どれほどの枝葉を削ぎ落とし、可憐に咲くはずの花芽を摘み取り、甘く実るはずの果実を捨ててきたのだろう。人を惑わす甘い香りもなく、人を寄せるための甘い果実もない、ありのままの美しさで人を魅了するたった一輪の花。
閉ざされた狭い世界から解き放た彼がどのように美しく姿を変えていくのか。その様をともに愛でて歩んでいける、この奇跡のような巡り合わせに感謝しかない。どのように世界が移ろい景色が変わろうとも、変わらぬ彼の背中がそこにあれば、自分を見失わずにいられる気がする。