東野圭吾さんの『幻夜』を読みました。
『白夜行』の別カップルバージョンのような話でした。
人生って…
一人の人間が歩む歴史って…
一人の人間が刻む生の痕跡って…
一人の人間の人生に関する記憶って…
何?
想う気持ちはどうして重なり合わないんだろう。
互いに想っていても、決して均衡が保たれることはない。
満たされない何かを感じながら、目を瞑って前に進む。
幸せの尺度は人それぞれ…そう言い聞かせて。
傾きかけた天秤を、手探りでつり合わせて。
それでも…それでも…
傾いた天秤が崩れ落ちた時、
それでも愛していたなら、
その想いはどこに向かうのだろう。
愛した人を象る全てが虚構であったとして、
それでも愛していたなら、
何を抱き締めればいいのだろう。
愛とは何なのか、何が愛なのか…
そんなことを考えさせられる作品でした。