Gelatin, Agaragar, Agar, Pectin
ココナッツと寒天を使った涼しげなデザート、これは http://www.feastie.com/recipe/olives-dinner/coconut-pomegranate-and-lime-kantenから引用しました。 ココナッツ、ザクロ、寒天を使った夏のお菓子です。カリフォルニア州ロサンゼルスのレドンドビーチからのメッセージですが、ザクロをいったん水で洗ってから寒天で固めるなどちょっとした「コツ」が見られます。 レシピは上のサイトから得ることができます。興味のある方はご覧になって下さい。 2014年来、日本には国内生産を上回る量の寒天が現在輸入されています( チリ、韓国、モロッコの3 カ国で8 割以上を占める ) が、海外では寒天を使ったレシピが最近増えてきました。上のサイトの記事は、もう一度寒天を見直す良い刺激になりました。寒天のどの点が注目されているのかサイト内の会話から知ることができます。 Coconut, Pomegranate and Lime Kanten INGREDIENTS for the clear portion 2 cups cold water 1 tsp agar powder 2 TB raw agave syrup for the coconut portion Small can of full-fat coconut milk (161 mL) 1 tsp agar powder 1/8 tsp salt to finish 1/2 pomegranate, seeded and rinsed lime zest of 1/2 lime
我々が料理によく使う「ゼラチン、アガー、寒天、ペクチン」は食品衛生法でいうところの食品添加物に当たります。それらの特性をよく知り、活用することが大切だと思います。一度は詳細を知っておくことも大切だと思い、今回取りあげました。
<食品添加物の定義> 食品衛生法第4条第2項で、「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。」と定義し、次の4つがそれに当たります。
<指定添加物> 食品添加物は、化学的合成品や天然添加物など製造方法の違いに係わらず食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した添加物でなければ、使用することができません。 平成27年9月18日現在、449品目が指定されており、食品衛生法施行規則別表第1「指定添加物リスト」に収載されています。
<既存添加物> 長年使用されていた実績があるものとして厚生労働大臣が認めたものを「既存添加物名簿」に収載し、引き続き使用することを認めています。 既存添加物名簿には365品目が収載され、品名や基原、製法、本質などは、「既存添加物名簿収載品目リスト」に収載されています。安全に問題のあるもの、使用実態のないものについては、名簿から消除されることがあります。
<天然香料> りんごや緑茶、乳などの動植物から得られる着香を目的とした添加物で、一般に使用量が微量であり、長年の食経験で健康被害がないとして使用が認められているものです。 「天然香料基原物質リスト」に612品目の基原物質が収載されています。
<一般飲食物添加物> 食品衛生法第10条では、「一般に食品として飲食に供されているもので添加物として使用されるもの」と定義されています。 例 オレンジ果汁を着色の目的で使用する場合 こんにゃくの成分であるマンナンを増粘の目的で使用する場合 「一般飲食物添加物品目リスト」に品目が収載されていますが、すべての食品が対象となります。 我々が日常使っている添加物の特性をまとめました。
ゼラチン アガー 寒天 ペクチン
HM LM
材料 骨,皮のコラーゲン カラギーナン テングサ,オゴノリ 柑橘類、リンゴ
溶解温度 50-60℃ 90℃以上 90℃以上 90-100℃ 90-100℃
冷えて固まる温度 20℃以下 30-40℃ 30-40℃ 60-80℃ 30-40℃
凝固後に
溶け出す温度 25度以上 60℃以上 85℃以上 80-90℃ 50-100℃
アガーは溶解温度と固まったものが溶け出す温度との間隔がほかのものに比べて狭いので、扱いやすいといえます。
そんなアガーの特性を生かして作ったスイーツの絵を見つけましたので紹介しておきます。
http://auntyyochana.blogspot.jp/2006/11/pictures-of-agar-agar-jelly-pudding.html から引用しました。 アガーの中にはどんな材料も溶かし込むことができるので、カスタードプディング、パンプキンプディング、チョコレートプディング等何にでも姿を変えて演出することができます。固まるときの温度が低いので、生の果物のほか何でも中に入れることができます。上のサイト: AUNTY YOCHANA SHOWS YOU HER GOODIES... をご覧ください。
ゼラチン、寒天は一般食品添加物、アガー、ペクチンは既存添加物になっています。その他にキサンタンガム、アマシードガム、アルギン酸、アラビアガム、エレミ樹脂等数えきれない程の増粘安定剤があります。そのうち比較的よく使われているものを次に挙げておきます。
寒天については、厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
(平成3年6月) (平成19年10月一部改正)で、
”(問4) 寒天を使用した食品において、「寒天」はどのように表示すればよいか。
(答) 寒天を食品として使用する場合には、食品添加物表示は不要である。なお、食品添加物としての目的で使用する場合には、現在Bリストに収載されていないので報告を行う必要があり、また、食品添加物としての表示が必要である。” と記されています。食品品として使う場合は記載する必要はありませんが添加物として使う場合には必要です。
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 植物繊維のセルロースを水酸化ナトリウムなどで処理して製造し、水に容易に溶け、粘性、安定性、保護コロイド性などの特性を持っています。糊の感触があるのでアイスクリーム、シャーベット、ソース、めん類等に使われています。(指定添加物)
キサンタンガム グラム陰性菌であるキサントモナスの培養液から分離して製造します。成分は、グルコース、マンノース、グルクロン酸などからなる多糖類です。ローカストビーンガム、グァーガムと併用すると、増粘効果が出ます。100℃近い高温で加熱しても、温度が下がっても粘度が変わらず、塩分など塩濃度が濃くても影響受けず、酸性・アルカリ性でも安定しています。しかも冷凍・解凍を繰り返しても粘性に変化はほとんどないのでドレッシング、たれ類、漬物、つくだ煮、冷凍食品、レトルト食品に使われています。(既存添加物)
グァーガム(グァー、グァルガム、グァーフラワー) マメ科グァーの胚乳成分を粉砕して製造します。主成分は、ガラクトマンナンからなる多糖類で、冷水に容易に溶け、高い粘性を示すのでドレッシング、ソース、アイスクリーム、即席めん類等に使われています。(既存添加物)
添加物に関しての資料は東京都福祉保健局のhttp://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/shokuten/index.htmlから引用させていただきました。
間違った情報ですので訂正したほうがよろしいかと。