Rumtopf『今年11月の「あなべるお菓子教室」ではシュトレンを作ろうと思います。』 と、3月にお話をして、ルムトプフについて少しお話をしたと思うのですが、詳しい内容には触れていなかったように記憶しています。そこで今回は画像も入れて、もう少しお話ししておこうと思います。 7, 8 月は例年通り、お休みですのでこの BLG をご覧になっている方もおられるのではと思っています。時間のある時に読んでください。後ろの方にルムトプフの活用例も挙げておきました。
http://homegrown-revolution.co.uk/uncategorized/rumtopf-recipe/から引用しました。
ドイツ北部とデンマークの国境にあるフレンスブルク ( Flensburg ) は18世紀にカリブ海にある小アンティル諸島 ( 当時はデンマーク領 ) とのラム酒貿易で栄えて、ここからヨーロッパ大陸に向けてラム酒が運ばれました。 ( ラム酒について詳しいことは「負の世界遺産~三角貿易」をお調べください。)
そんな理由からドイツ北部では、春の終わりから秋の始まりの間に出回る新鮮な果物をラム酒の中に砂糖と一緒に漬けた保存食、「ルムトプフ」が生まれました。果物を入れた甕の中が常に50数パーセントのアルコール濃度になるように、果物に含まれる水分を考慮しながらラム酒を入れます。私の場合はマイヤーズラム(40%)とロンリコ151(75.5%)を入れています。(銘柄は問いません)。
ルムトプフのジャー
アドベント ( Advent ) とは、「キリストの到来」を意味します。クリスマスまでの4週間は週ごとに待降節第一主日、もしくは降臨節第一主日、その後、第二、第三、第四主日と呼んで、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間です。第1アドベンド(クリスマスの4週前の日曜日)に開封したルムトプフは、お酒の方は男性に振舞われ、中のフルーツは女性がシュトレンやパウンドケーキなどに使います。アドベントには、ロウソクを4本用意し、第一主日に1本目のろうそくに火をともし、その後、第二、第三、第四と週を追うごとに火を灯すろうそくを増やしていくという習慣があります。また、ドイツでは主日ごとにシュトレンを薄く切り、食べて祝います。このシュトレンの形と、砂糖でおおわれた外見は、幼子イエスが純白のマントでくるまれた姿に由来すると言われています。
下の絵はhttps://commons.wikimedia.org/wiki/Advent_wreath#/media/File:Adventn%C3%BD_veniec_I..jpg から引用しました。
リースに四週目の火が灯されました。クリスマスはもうすぐです。
下の2つの絵はアドベントを祝うためのカレンダーです。1から24までの小さな靴下は子供のために用意したもので、小さなお楽しみが入っています。
http://www.ebay.de/sch/Adventskalender/156813/bn_817566/i.html から引用しました。
キリスト生誕にまつわるお話は、聖ルカ伝1.26-56,2.1-40,マタイによる福音書1.18-23に書かれているので知りたい方は参照してみてください。( Die Weihnachtsgeschichte der Bibel nachlesen in Lukas 1,26-56, Lukas 2,1-40 und Matthäus 1,18-23. )
https://christlicheperlen.wordpress.com/2015/08/25/adventskalender-aus-streichholzschachteln/ から引用しました。
このカレンダーは今では珍しい、少し宗教色を帯びたカレンダーです。日ごとに聖書の中に書かれた物語が描かれています。24日はもちろんキリストの誕生です。
さて、ルムトプフのレシピを紹介します。
材料:
果物1に対して砂糖を1/2 瓶に入れます。
果物が被るようにラム酒を注ぎ入れます。 4月から初めて10月まで、その時々の旬の果物を入れていきます。ただし、柑橘類とリンゴは伝統上入れないことになっています。
バナナなど砕けるもの、スイカなど水分の多いものなどは入れません。本物をご覧になったことはほとんどの方はないでしょうから、壺の中に入れる果物を挙げておきます。
ストロベリー、ラズベリー、レッドカラント、グースベリー、パイナップル、チェリー、アプリコット、ネクタリン、ピーチ、洋ナシ、プラム、葡萄、ブルーベリー等。
種、皮,芯をとるものは取って適当な大きさに切って入れます。蓋をして冷暗所に保存します。ビンの中のアルコール濃度に気を付けて、常に50%以上が保てるように気を配ります。
フレンスブルグは、かってはデンマーク領であったと言いました。それならばデンマークのルムトプフのレシピにも触れないわけにはいかないでしょう。
http://www.gamledanskeopskrifter.dk/page94.html から、
Sønderjysk Rumkrukke ( レェムコシュと私には読めるのですが間違っているかも知れません)
Opskrift
Rumkrukkeはストロベリーの季節に始まる。特別の美味しいジャムを作るのであればラム酒を1/2瓶用意するとよい。ユトランドではストロベリーの季節になれば4リットルの石甕を用意し、ソーダできれいに中を洗って準備する。
材料:
ストロベリー 1/2kg
ラズベリー 1/4kg
レッドカラント 1/4kg
ブラックカラント 1/4kg
グースベリー 1/4kg
プルーン 1/4kg
ペア 1/4kg
ラム (ふつうのアルコール度の) 1/2瓶
総計1700gの砂糖(果物の3/4)、を用意する。きれいに洗って乾かしたストロベリーと375gの砂糖をジャーの中に入れる。よく混ぜて一晩置く。又混ぜてラムを入れて冷所に置く。果物を入れるたびに果物の3/4の重さの砂糖を入れる。果物を入れるたびに中を混ぜて冷所に保管する。Rumkrukkeが必要となる数週前に果物を入れるのを止める。
http://www.coolinarika.com/recept/voce-u-rumu-ili-rumtopf/ から、
ボスニアでは;
Sastojci:30 dag voća (jagode, trešnje ,maline,višnje)
kako koje dolazi:
10 dag šečera
2 dcl rum pravi bijeli kubanski ili
rum sa većim % alkohola (60-80%)
tamna posuda a poklopcem ili
keramička posuda sa poklopcem
ili tamna staklenka
ili staklena boca veća omotana folijom
材料、方法;
ストロベリー、サワーチェリー、ラズベリー、チェリー各30gに対してホワイトラム ( 60-80% ) を56ml、砂糖を10gずつを密閉できるツボに入れます。
レシピによってアルコール度数を高くしたり、砂糖の量を多くしたりと工夫がそれぞれみられます。ルムトプフを実際に作ると「ルムトプフ」を考え出した人達の目的は、ラム酒を消費してもらうためだけではないように思われます。輸入果物と砂糖の消費をもくらんだものではと思えてきます。特に砂糖の消費量は半端ではありません。ただし大量の砂糖と高いアルコール濃度に守られた果物は途方もなく芳醇な香りを放ち、長期の保存が可能になりました。
食べ方:
中に入れた果物はシュトレンに使うことはもちろんですが、パンケーキにのせたり、フルーツケーキの中に入れて使います。ホイップクリームやアイスクリームにのせていただきます。プディング、チーズケーキ、フランに添えて出します。 鹿、野鳥料理のサイドディッシュとして中の果物を提供します。
https://mydanishkitchen.com/2013/04/01/rumtopf-romkrukke-rum-pot/img_1825ew/ から
お酒は漉して透明感を演出するのがいいでしょう。ラムトプフだとは気づかれないように新鮮な果物を添えるとクリスマスで来られたお客様を驚かすことができます。
http://www.dessertbycandy.com/2012/10/use-that-rumtopf.html#axzz4GnNAnhzL から
Sticky Rumtopf Cake
http://suddenlunch.blogspot.jp/2011/05/how-to-make-rumtopf-aka-rumpot.html から
Superb Icecream
上のサイトの中にレシピは書かれていませんが、写真を見るとアイスクリームの中にルムトプフを入れて固まらせているようです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます