つぎにタラゴンのレシピが現れるのは1669年出版Kenelm Digbyの(実際に書かれたのはこれよりも前) “The Closet of Sir Kenelm Digby Knight Opened” の中です。Kenelm Digby(1603/7/11 – 1665/6/11) は、イングランドの宮廷人であり、外交官、自然哲学者、占星術師です。ロンドンのNewgate Streetに眠る敬虔なキリスト教徒でもありました。時には私掠船(海賊船)の船長となりました。ハーブ、スパイスを使ったMETHEGLIN(蜂蜜酒)に異常な執着示す人物でもありました。
Sir Kenelm Digby (1603-1665) and Lady Venetia Anastasia Stanley (1600-1633) with their sons Kenelm Digby and John Digby (1627-1690) Anthony van Dyckによる家族画です。(彼がただの郷士でないことはこれでわかります)
彼のオレガノを使ったレシピは;
ローストシャポンの冷製サラダ(SALLET OF COLD CAPON ROSTED)
(ロースとしたシャポンを)薄くスライスして冷やし、Sibbolds(不明)、細かく刻んだレタス、ロケット、タラゴンを混ぜ、塩、胡椒、ビネガー、オイル、スライスしたレモンで味を調えます。オレガノを少量入れると味が良くなります。
シャポン(シャポンを去勢したニワトリとみなして)熱の1度、冷の1度としておきます。西ヨーロッパでは体に良い、取り分け貴人に相応しい食べ物であるとされていました。
レタス:冷で湿の2度
ロケット :熱1度、冷1度
タラゴン :熱2度、乾2度
塩 :熱2度、乾3度
胡椒 :(ブラックペッパーについてはTacuinum sanitatisには掲載がないと思われますが熱4度、乾4度と考えて良いでしょう)
オリーブオイル :熱1度、湿1度
ビネガー :冷1度、乾2度
レモン :冷2度、乾3度
オレガノ :熱3度、乾3度
全体として4つの要素のバランスの取れたレシピになっていると思われます。
それでは「料理の科学」に残されたニワトリの料理とはどのようなものでしょう
13番目の雌鶏のサラダ
鶏肉を串に刺します。鶏肉を焼いている間、卵を固く茹で、パセリの葉を加えます。鶏肉が焼けたら、串から外し、スライスし、鍋に入れ、上から酢をかけ、卵をスライスして塩を加え、皿の上に置きます。パセリの葉にも酢をかけてサーブします。
雌鶏 :熱2度、湿2度
卵 :熱、湿
パセリ :熱2度、乾2度
塩 :熱2度、乾3度
ビネガー :冷1度、乾2度
つづく
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます