ヒルデガルトの最初の幻視は、預言的幻視著作『スキヴィアス(scivias : 道を知れ)』(1141–1151 執筆)の序によれば 5 歳の時に、『聖ヒルデガルト伝』3. 二章)では 3 歳に遡ります。そこでヒルデガルトは、誕生する前に創造主である神によって、自分の魂に幻視が刻印されたと述べています。ヒルデガルトは「人間は、肉体は両親から得るが、魂は神に由来し、母の胎内にいる間に息吹として吹き込まれる。」と考えていました。ヒルデガルトは神から授かった幻視能力を生涯にわたって体験し、幻視とともに生きた修道女です(http://www.columbia.edu/itc/english/f2003/client_edit/documents/scivias.html https://arthistoryproject.com/artists/hildegard-von-bingen/scivias-i.6-the-choirs-of-angels/) から絵を4枚ご覧いただこうと思います。
『 道を知れ L.6 』(1141 - 1151) (1153出版)エンジェル達の聖歌隊 Scivias I.6: The Choirs of Angelsから
Scivias I.6:Choirs of Angelsは、1150年にインクと金箔で作成された絵です。
天使の合唱団は、ヒルデガルトフォンビンゲンが幻視した26の宗教的影像のうちの1つで、その中で宇宙の創造と構造、および魂の救済について説明しています。 これらの幻視は、幻視予見能力について書いた『道を知れ』の中に集められています。モニター上では分かりにくいですが、黄色っぽく見えるところが金箔です。
『神の業(わざ)の書』Liber Divinorum Operum 1163 - 1173/1174、1—3:風の大宇宙、ユーモアの小宇宙 http://www.hildegard-society.org/p/liber-divinorum-operum.html#I-4 から
風の大宇宙、体液の小宇宙。Liber Divinorum Operum I.3: Macrocosm of Winds, Microcosm of Humors.
Biblioteca Statale di Lucca, MS 1942, fol. 28v (early 13th-cen.)
『上部に現れている火は、天空全体を守り上層部から風を逆向きに吹き出すことで天体の進路をコントロールしているのです。そのことは、人の中で動く体液は、周りを回る風と空気のさまざまな性質によって変化するということです。』神の業(わざ)の書から。1230年にヒルデガルトフォンビンゲンによる金箔絵画です。Biblioteca Statale に保存されています。
ヒルデガルト画 『神の業の書』 Liber Divinorum Operum I.4: Cosmos, Body, and Soul.
宇宙、肉体、魂。13世紀初頭 Biblioteca Statale di Lucca, ルッカ州立図書館蔵、
上の絵はLiber Divinorum Operum『神の業の書』1163 – 1174の中にあります。そこに書かれた解説の一部分を次に引用しておきます。
『59. 海と川が空気によって動かされ、体は血が流れるその静脈によって動かされるように、魂は美徳によって、大地が水の流れによって潤うように、その芽を出すのです。』
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